「1_詰将棋」カテゴリーアーカイブ

詰将棋入門(4)

伊藤看寿 「寿」 図巧 第100番 1755

巻尾は「寿」と後世の人に称えられた長手数作品である。

詰将棋の歴史は初代大橋宗桂「象戯造物」(1602年)から始まるが長手数と言っても100手を超す作品は創られることはなかった。1734年に看寿の兄である三代伊藤宗看が223手詰を発表した。その20年後、伊藤看寿はなんと611手という作品を創る。

一体何故、そんなに手数がかかるのか。その仕組みを簡単に解説する。
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詰将棋入門(3)

伊藤看寿 「煙詰」 図巧 第99番 1755

98番と見開きで並んでいる本作99番はその対称性からインパクト抜群だ。
98番が盤面最少の1枚なのに、本図は数えてみればわかるが(JSの図面は玉方持駒も表示されているので便利)39枚。使用駒39枚が標準である詰将棋の世界では、これを「全駒図式」と呼ぶ。持駒は「なし」というのが約束だ。
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詰将棋入門(2)

伊藤看寿 「裸王」 図巧 第98番 1755


1番が謎の提出とその鮮やかな解決という詰将棋の王道を行く作品だったのに対し、本作は初形で驚かせることが主眼の作品。
「えっ、これで詰将棋なの!?」と驚いてもらえれば、もう半ば作品の勝ちということだ。

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詰将棋入門(1)

詰将棋入門と題した連載を始める。
構想や準備はまったくないのだが、まずは書き始めることが大事なのだ。

ルールや面倒な用語は泥縄式で理解して貰うことを期待して、まずは基礎知識として持っておきたい詰将棋の紹介からスタートする。

となると第1回はこれしかない。

伊藤看寿 「図巧1番」1755

江戸時代の詰将棋だ。最も有名なのが伊藤看寿の「将棋図巧」。その巻頭を飾る作品だ。
この作品を知って詰将棋の世界に興味を持ったという人は少なくない。
内藤九段もエッセイで書いていた。
おこがましいが私も図書館でこの作品を知り、詰将棋の世界に入った一人だ。
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上田初美(@ueda823)「勝手に詰将棋創作選手権」

美人な方の上田さんがtwitterで「勝手に詰将棋創作選手権」を提起した。

最近はネット詰将棋界の状況をまったく追えていけず、twitterもたまに覗く程度だったのだが、ちょうど春休みが始まったところでこのイベントに気づくことができた。
上田令嬢が握った駒で詰将棋を作れという課題なのだが、詰将棋の創作の面白さを広めるいい企画だと思う。

私自身も……

  • 久しぶりに盤駒を出して創作のまねごとにいそしんだ。(いつもの駒は見つからなかった)
  • 新しい人を大勢フォローできた。また、フォローはしていたがリストから漏れていた人を拾えた。
  • 上のnoteをサポートしようと試みて、自分もnoteのアカウントを持っていることに気づいた。

私も一応全部の課題に提出をしたが、詰将棋の作り方はとうの昔に忘れており、参加するだけのもの。
でも、企画を応援する気持ちを表明する意味で参加した。

三島さんと鰈さんはさすがです。
馬鋸さんは難しすぎて解けないし。
うんこさんも実力を発揮している。
(あとはまだ解いていないのでコメントできません。)

締切りは本日中だから、これからkisy師匠や久保さんの作品が登場するだろう。楽しみだ。

スマリヤンのチェス・ミステリー

詰朗会での話だから、いったい何年前の事だろう。
たぶん、たっぷり20年以上は昔の話だ。
国分寺に住んでいた頃の話だから、もしかすると40年くらい前かもしれない。(覚えている人、コメントください)

詰朗会で、スマリアンの「The Chess Mysteries of Sherlock Holmes」と「The Chess Mysteries of Arabian Knight」が流行した。
どうも、これからの詰将棋作家にとっては必読書らしい。

流行に弱いオイラは当然、購入して、読み始めた。
流行に弱いが、英語にも弱いオイラは、苦労して「シャーロック・ホームズ」をなんとか読み終えた。

その後である、「シャーロック・ホームズ」の日本語訳が発売されたのは。

忘れもしない。訳者は野崎昭弘氏だったと思う。
「ロジカルな将棋入門」や「詭弁論理学」でおなじみの先生だ。

翻訳しているのなら、そういってくれたら、発刊されるのを待っていたのに!

山本昭一さんから聞いた話、ご本人か、その友人の話だったかは忘れたが、
トールキンの「指輪物語」が読みたくて原書を苦労して読み終えた途端、日本語訳が販売されたという話を思い出した。

「指輪物語」よりは短くて助かったが……。

当然、「アラビアンナイト」は日本語訳が出るのを待とうと決心した。
きっと野崎先生が今翻訳している最中なのだろう。

それから待つ事幾星霜……。
つい先日、「アラビアンナイト」の翻訳が出版されたのである。

さて、この本、悪い事は言わないから、さっさと買っておいた方が良い。

なぜなら、オイラは「シャーロックホームズ」は読み終えたので、野崎訳は購入しなかった。
しかし、先程、再読したくなったとき、やはり日本語訳も持っていた方が良いのでは…と思い、調べてみたら野崎訳は絶版で中古が16217円からとなっている。
あぁ、買っておけば良かった!

青い鳥オフ会に参加してきました

9月29日に青い鳥オフ会に参加してきた。
報告が随分遅くなったが、これがオイラの秋のペース(^^;
とにかく秋は色々と行事が多くて,とりあえずこの1週間を生き延びられるか…の連続なのだ。

で、遅くなった結果、色々忘れてしまった!

忘れなかった事をいくつかメモ。

「岳麓」を入手した。
感想はまたいつの日か別エントリーで。
サインをもらうのを失念したのが失敗だった。

これは金子タカシさんが参加されると知って,サインを貰うために持って行った本。
下がいただいたサイン。
きちんと定木を使って線を引いてくださってるのを見て驚いた。

詰将棋の本はたくさん持っているが,必死の本は数少ない。
清野静男「詰と必至」,来条克由「来条克由必至名作集」,藤井国夫「双曲線」…これだけだ。
現在,必死の新作を作っているのは金子さんぐらいしか知らない。

スタッフが用意してくれたアトラクションの一つに,鳩森さんの「脳内詰将棋解答演習」があった。
問題を棋譜で読み上げて,それを暗算で解く速さを競うというもの。

凶悪だ。

問題も4×4とか,駒数7枚以下とか,そのような生易しい制限はなく,駒は広々と広がっているし,持駒もじゃらじゃらある。

さすがに何問かは理解できたが,ほとんどは解答発表されても何が起きているのか理解できない状態だった。

言い訳をしておく。
おいらは普段から詰将棋は盤に駒を並べて動かしながら考える。
実戦の訓練という要素はまったく考慮ないので当然のことである。

吉田健さんは「捨て味」という言葉を使っていたが,オイラは捨て味は指先で味わうものと心得ているのだ。

それで後で鳩森さんに問題のプリントを強請んでいただいた。
帰宅してから図面にして挑戦してみるためだ。

その結果を発表する。
図面を見て駒を並べずに全25問を順に解いていったが,解けたのは20問目まで。
21番で挫折して眠ってしまった。

図面を見てもこの体たらくであった。

トークイベント「詰将棋の魔法」行きたいが…遠い!

ずいぶん昔のエントリーに新ヶ江さんからコメントをいただきました。


 皆さん、沖縄では有名な若手指将棋強豪ですね。地元紙企画の棋戦の棋譜が新聞掲載されているのを目にします。
 同じ宜野湾市には数年前からパラにも入選している仲田さんという詰将棋作家がいるはずですが、お会いできていません。
 10/22に那覇で詰将棋の参加型トークイベントが開催されますので、この機会に上間さんを含め、愛好者の方々とお会いできればいいなと思っています。


コメントの中の「参加型トークイベント」というのは下の「詰将棋の魔法」ですね。



行ってみたい気はしますが、なにしろ遠い!
いや、沖縄には行ったことがありませんから、どのくらい遠いかもわからない。

月曜日は仕事だし、さすがの小池さんでも難しいでしょう。

来年だったら暇でいけるかもしれないが、金がないか。

私の詰棋観の50%は山田修司でできている

詰将棋観–すなわち、どのような詰将棋が「良い」詰将棋であると感じるか。
これは、どのように構築されるのであろうか。

それは当然、数多くの詰将棋を解いたり・作ったり・鑑賞したりしているうちに醸成されるものであろう。

100や200の詰将棋を知っているだけでは足りない気がする。もう1桁ぐらい必要か?

ただそのベースは、詰将棋をはじめてから間もない頃に読んだものに大きく影響を受けるのではなかろうか。

してみると私の詰棋観は一番何度も読んだこの本によって基礎が作られたと考えられる。

柏川悦夫「駒と人生」。
実物は所持しておらず、リコピー版だ。

この作品集の解説を書いているのが山田修司。

「無双」と「図巧」も繰り返し読んだ。

しかし、門脇さんの解説は今ひとつしっくりこなかった。
うまく説明できないのだが…。

次に数多く読み返したのは次の作品集だ。

壮棋会(現・創棋会)の作品集だ。

まとめると、私の詰棋観は山田修司が50%。門脇芳雄が20%。壮棋会のオジサマ達が30%。
大雑把に言って、こんな感じで基礎が作られたのだと思う。

その上に、棋友との交流がまた大きく影響を与えるに違いない。

そう考えると、小林敏樹や妻木貴雄が私の脳内にかなり入り込んでいる。

「詰将棋の詩」という同人誌を通して、山本昭一と伊藤正も強烈な詰将棋遺伝子を送り込んでくる。

かくして、山田・門脇・壮棋会の基礎の上に被さるように、小林・妻木・山本・伊藤が層をなしている。

たぶん、そんな感じだろう。

「盤上のフロンティア」や「この詰将棋がすごい!2019」で詰将棋観を醸成する若手は、どんな詰将棋観を育ててくれるのだろう。
楽しみだ。

「青い鳥–kisy一族作品集」増刷 !!


「青い鳥」が増刷するという。
これって詰将棋の出版物として(商業出版は除いて)画期的な事なのでは?

「四百人一局集」も増刷していないよね。
「短編名作選」も、まだ増刷していないよね。

逆に1989年に発行された「金波銀波集」や1994年の「月下美人」はまだ在庫があるという……。
2000年の「夢銀河」の在庫があるなんてまだまだ甘いというこの世界。

すごいですね。

これは竹中さんの営業力によるところが大きいですが、もちろん内容が充実しているという前提があっての事でしょう。

必読なのは久保さんの「LCM」の詳細な創作過程の解説。
しかしそれだけではなくて、全編に詰将棋を楽しんでいる感じが溢れているのが良いのです。
説教臭さなんて欠片もありません(^^)。

増刷で入手しやすくなるはずですから、未読の方は是非購入してください。
入手方法

ところで並べられている作品をみると、今やスマホ詰パラは注目せざるを得ない存在になっていますね。
解説でスマホ詰パラの仕組みを知っていないと意味のわからない文章があるのは困りものですが……。

ところで、このオイラも実はkisy一族の一員です。
もっとも「名前だけ会員」です。
会員になったようだけで、どこで何をしているのか全然わかっていませんでした。
最近twitterからSlackに移動してくれたので、やっと何をしているかが見えてきましたが、オイラのペースではほとんど参加できていません。
次の作品集の時には声を掛けてもらえるくらいには、活動しようかなと思っています。