今日の公式テキストはこちら。
そうです。でた!レトロ解析!
ばか詰で1手詰。
まず疑問なのは1手詰なら普通の詰将棋でもばか詰でも同じではないのか?ということです。
いろいろ考えた結果、これは無駄駒概念の有無を言っているのかと思いました。
つまり普通詰将棋だったら、23飛まで1手詰を主張できる局面です。
でもばか詰には無駄合概念がないので、23飛には24歩合で詰んでいません。
次に「どうやっても詰んでない?」という疑問が湧きます。
どうやってもは言い過ぎですが、初手18銀で詰んでいそうです。
しばし考えて、これも同玉とされて詰んでいないことが解りました。
つまり攻方の透明駒が(例えば16歩とか)いることを証明されてしまうわけです。
ばか詰なのに全然協力してくれないところが不思議です。
それならば、透明駒で王手してしまえばいいのではないかと次に考えました。
x まで1手詰。
透明駒で持駒か置駒だったかはわかりませんが、王手してしまえば詰んでいるのではないでしょうか。
図で王手できるのは飛角金銀。
どれでも詰んでいるようです。
しかし、よく考えると先程の「ばか詰」が利いてきて詰んでいないようです。
そうです。
x、24歩とか
x、47歩という応手があるではないですか。
(図は略)
「ばか詰」の方が「普通詰」より詰まないじゃん!
透明駒のルールを確認しましょう。
(1) 出題図は合法な局面である。また、双方の着手はすべて合法である(即ち、双方とも将棋及び詰将棋のルールは守っている) 。
(2) 先手の透明駒の着手は必ず王手である。
(3) 存在する場所と駒種の両方が判明すれば透明駒は可視化され、それ以降は普通の駒として扱われる。
(4) 詰上りの判定においては、透明駒に対し可能性のあるすべての駒種を代入して、それらが全て詰みを与えるときのみ詰んでいると見做す。
(5) 透明駒の着手について、
a) どの枡への着手なのか
b) どの駒種の着手なのか
c) 成ったかどうか
は表記できない。
d) 透明駒で普通の駒(即ち、盤上に見えている駒)を取った場合は盤上からその駒が消えますので、透明駒による駒取りがあった枡が分かります。但し、この場合でも駒種や成生は不明のままです。
(6) 持駒の表記が「なし」であっても、透明駒が持駒になっている可能性はある(つまり、この「なし」は、「駒台に可視化された駒はない」という意味である)。
(7) 透明駒の着手をXで、また透明駒が76にいる敵の駒を取ったことを76Xで表します。
(8) 先手・後手の透明駒がそれぞれ何枚あるかは予め分かっているものとし、先手の透明駒がm枚、後手の透明駒がn枚存在することを(透明駒 m+n)と表記します。
この(1)出題図は合法な局面である。に注目する必要があるのです。
よくみると出題図は不可能局面に見えてきます。
この局面は先手番ですから、一手前は後手が何かを指したはずです。
しかし、盤面に玉方の配置がない以上、その手は持駒を打った手ではありありません。
ということは一手前は玉を動かした手であるということです。
では何処から?
先手の駒がいる所から動いてくることはあり得ないので、それは28か18しかありません。
28は角銀の2枚が利いています。
2手前に先手が37角と19銀の2枚を同時に打つことはできません。
ということは、玉は18から29に動いてきたのです。
(銀は28にいたのか持駒だったかはわかりませんが)19銀、29玉で出題図となります。
え?15飛が利いているじゃないかって?
先程の18同玉の図を思い出してください。
先手の透明駒が15飛の利きを塞いでいる可能性があるのです。
いえ、塞いでいなかったら不可能局面ですから、可能性ではなく、塞いでいたことが解るわけです。
そう考えると、先手の透明駒の位置と種類はかなり絞り込まれます。
列挙すれば……
17角、17銀、17桂、17香、17歩
16角、16馬、16金、16銀、16桂、16香、16歩
この12通りです。
さて出題図に戻って考えてみましょう。
初手に透明駒で王手をしたとすると、王手ができるのは16角と16馬の場合だけではないですか。
ということは結局……
x まで1手詰
で正解だということだったんですね。
いったんは駄目かと思ったのに……。
ここからの教訓は
わからなかったら「xまで1手詰」で勝負!
いや、間違えました。
1手詰はレトロ解析!
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