ねむりねこ 堀内和雄 将棋ジャーナル特別付録 1992.11.1
マイコミの『作意を探せ』や王将ブックスの『詰将棋100選』を読む限りでは、初心者向きの駒数が少なくわかりやすい作品を作る方だと思っていた。
今は手元にないが、近将の付録の『ふろ詰』(だっけ?)なども、おそらく堀内さんですよね。(森さん?)
それが本書を繙くと、形が良いのは変わらないのだが、作者のセンスの良さというか詰将棋に対する含蓄の深さというか、要は堀内和雄について語るなら本書を読まなくてはいけないということだ。
殆どは近代将棋発表作意なので、T-Base近将編を購入すればよいかもしれない。
いや、やはり駄目か。
読み進めていると、突然学生時代の失恋の話が展開されるあたり意外性満点で詰将棋作家の面目躍如だ。
後書きにはこんなことを書いている。
音楽と絵は美しい。猫は可愛い。
詰将棋は?
つき合いの長さから言えば、猫、音楽、詰将棋、絵の順に成。詰将棋は解くのも作るのも、多分、好きではないのだろうと思う。
詰将棋創作のいいところは、没頭できること、時間を浪費できること。
私にとって詰将棋とは、それくらいのものであるようだ。
好きでないものを5000作も創ったりするわけがない。
このひねくれ具合。
生粋の詰将棋作家なのだろう。
堀内和雄 『ねむりねこ』第12番 近代将棋1959.10
こちらは短編名作選に収録されている有名作。
堀内和雄 『ねむりねこ』第20番 近代将棋1978.5
弊社の『Limit7』第390番にも収録させていただいています。
Tweet