詰将棋入門(109) 黒川一郎「歯車」

黒川一郎「歯車」『将棋浪曼集』第19番 王将 1954.10

作者は「渦巻型からくり趣向」と分類している。

初手は桂馬を取るしかないだろう。

55金、同玉、56歩、同玉、

ここで盤面を広く眺めてみる。
玉は2枚の飛車に挟まれて不自由な位置にいる。
しかし飛車はそれぞれ香で動きを封じられている。
19角は28との質駒を取る配置だろう。
右上は駒が詰まっているが、左上はガラガラだ。
これは右上で収束することを暗示しているのか。

さて初手は3択だが、どこからいこうか。

65銀、66玉、58桂、同と、77銀、67玉、76銀引、56玉、67銀、55玉、

右に追うのは39香の利きが37とで止まっているので時期尚早だろう。
79香の利きを開けるのが先だ。

66銀左、同桂、同銀、56玉、65銀、66玉、67歩、同玉、76銀、56玉、67銀、55玉、

続いて77銀と74桂を交換する。
さて、桂馬の使い道だが……これは見えている。

47桂、同と、28角、同と、

39香の利きが開き、歩も補充した。
これで収束かと思いきや、もう一つ準備が必要だ。

66銀、56玉、65銀、66玉、67歩、同玉、76銀、56玉、

折角入手した歩を消費してしまうので目的がわからないと指しづらい順だ。

45銀、46玉、47歩、同玉、36銀、56玉、

これで持ち歩が復活する。目的はこの歩を後で4筋に使うため。
つまり48歩の消去だった。

67銀、55玉、54金、同玉、45銀、53玉、44銀、54玉、

いよいよ収束だ。舞台装置を片付けていく。

52飛右成、同と、同飛成、44玉、

この局面で48歩を消去した意味が分かる。

45歩、同玉、56銀、44玉、55龍、43玉、44歩、42玉、

右側に追うのが正解だったようだ。

33と、同金、同香成、同玉、35龍、34歩、

34歩は揮発性の合駒なので最弱の歩となる。

32金、同玉、34龍、33金、23金、42玉、33龍、51玉、52歩、同玉、53金、51玉、

金合でないと23金~33歩成~55龍~52龍以下。93歩の意味が分かる。

42龍、同香、52歩、41玉、31と、同玉、21歩成、41玉、31と、同玉、22銀成、41玉、32金 まで95手詰

見事龍を捨てて詰上がった。

左右で回転する銀の動きに魅了される。もっともっと見ていたいと思いませんか。

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