有料サービスはじめます(2)

確定申告するために帳簿を締めてみたら、単純に収入と支出だけで40万の赤字。
自宅で仕事をしているのだから電気代なども一定の割合で経費に算入できるはずだが、そのような計算をまだ一切していない段階での数字だ。
まぁ、本屋だから最初は仕入れなきゃいけないんで赤字になるのは多分しかたないと思うのだが……。

というお金の話とは別に考えていたことがある。

それはwebの発表も正式発表という扱いになった現状についてだ。

ミニコミ誌の時代

「詰棋界」とか「風ぐるま」についてはよく分からないので横に置いておくとして、私が若い頃は各種のミニコミ誌というものがあった。

私が参加していたのは「詰将棋の詩」、購読だけしていたのが「詰研会報」や「将」。
他に有力作家を多数輩出したのは「春棋会報」かな。
他にも、私が知らないだけで、いくつもあっただろう。

ミニコミ誌がどんなものかを説明する。
「詰将棋の詩」の場合、会員の投稿した作品を毎月12作掲載する。
会員はそれを解いて解答する。
やっていることは詰パラと同じだが、仲間内の意識もあり批評が皆痛烈だ。
あの山本昭一が「作品がないから仕方なく出しているのにそんなにイジメナイデ……」と泣きを入れるくらいに皆お互いに遠慮がなかったなぁ。
ちなみに私の看寿賞受賞作も「詰将棋の詩」に載せたときは2位だった。
その悔しさをバネに、更に作品に磨きをかけて専門誌に投稿するのである。

ここの所、「詰将棋の詩」を読み返しているのだが、会員の投稿した論文などもなかなか面白い。
山本昭一でいえば「二人三脚」の原図なども載せており、この作品を素材として、あのように仕上げて専門誌には投稿するんだということがわかり勉強になる。

パソコン通信・掲示板全盛の時代

その後、パソコン通信からインターネットの時代になった。
しかし、まだ議論はあったのだろうが、ネットでの掲示板などでの発表は正式発表ではないという扱いだった。

だから私のページに設置した「詰将棋について語る掲示板」にも作品を載せてくれた方が大勢いる。
(中学生の時の〇〇さんの未発表長編とか……)

現代のミニコミ誌とは

現在はtwitterで流しただけでも「既発表」の扱いとなってしまうようだ。
たとえインプレッションが100程度でも、仕組みとしては誰にでも見ることができる場所にあるのだから仕方のないことかもしれない。

それでは未発表作をみせて、意見をもらうにはどうしたらいいのだろうか。
個人的な集まり、メールのやりとり、東京詰将棋工房のような会合に出かける……それしか方法がないのだろうか。

私も参加していたkisy一族は、twitter上の閉鎖的なグループを作る機能を利用していた。
私にはその仕組みが理解ができなくて実際には参加することができなかった。
しかしtwitterでは機能が足りないということでslackに移動。
こちらは私も中でのやりとりを見ることができたけれど、進行が早くて私は結局参加できなかった。
そして今は既にdiscordに移動しているようだ。
(参加したい人がいたらkisy師匠に連絡すれば良いのだろう)

これからはコロナ禍のおかげで一気に広まったdiscordやzoomが主流になっていくのかもしれない。
これらはその部屋を開いている人から招待された人だけが入室できるチャットルームに画像もついたようなものだ。
ファイルの交換もできて便利。
そして、基本的に(録画機能もあるようだが)その場だけで消えるので未発表作を持ち込んで意見をもらうには良い場所かもしれない。
創棋会オンライン・若島氏のプロパラ会・上谷氏のフェアリー講習会などに参加してみた。
正直、オフラインの会合に参加するより、疲れた。
(小林敏樹さんは別に疲れないといっているから、私だけの感想かもしれない)

これらの活動が主流になっている流れは変えることはできないかもしれない。
でも、別のアプローチもあってよいだろう。

会員制の掲示板やWikiだ。

ミニコミや掲示板の良さは自分の都合の良いときに都合のつく時間だけアクセスできるという点だ。
discordやzoomは会合に行く手間と時間を節約できるツールだが、ミニコミ誌の良さを再現してはくれない。

つみき書店の奥座敷・掲示板

そこで今回、有料サービスとしてnoteのサークルを選んだのは(まずは100円から課金できるという点が大きかったのだが)、閉鎖されていて画像が貼れる掲示板だからという理由だ。

ここでミニコミ誌の機能を再現できるのではないか。

誰かが作りかけの自作を貼って、それについて意見を交換したりすることができるのではないか。
「詰将棋の詩」のような楽しい空間が復活することを夢見ている。

私も「風みどりの玉手箱」の頃は思ったことを好き勝手に書き散らしていたのだが、「つみき書店」となってからは色々配慮して文章を書いている。(マイナビの悪口とかも書いてしまったが)
この閉鎖された掲示板なら歯に衣着せずに好きなこと書けるのではと楽しみだ。

(まだつづく)

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