詰将棋入門(114) 2方向に連取り

北原義治「スキー」 詰パラ 1957.2


北原義治の長編は正直に言って殆ど知らない。角ブックスから近日出るという『北原義治全集』(タイトルは筆者の予想)が楽しみである。

59龍を活躍させていく方針は分かる。
が、88銀では同玉、89龍、97玉で77馬が強くて手が止まる。
77馬を取ってしまうしかない。

89馬、同玉、78銀、同玉、77金、同玉、

5段目は塞がっているので玉は広くない。
龍を活用していけば良さそうだ。

68龍、86玉、88龍、96玉、87角、86玉、

78角と打つと95玉で打歩詰。
87角が回避する好手だ。
そしてこれは角による連取りの構図ではないか。

65角、95玉、96歩、同玉、87角、95玉、
96歩、86玉、54角、96玉、87角、95玉、
96歩、86玉、43角不成、96玉、87角不成、95玉、
96歩、86玉、32角不成、96玉、87角不成、95玉、
96歩、86玉、21角不成、96玉、87角不成、95玉、

歩を取るが96歩と1歩消費するので、持駒の増加はない。
ということはこの趣向の目的は、まだ明らかではないが、21との消去であることが予想できる。
さて局面を動かすには角をどこに開くのか。

96歩、86玉、54角、

「左右対称中央に手あり」というべきか、54角が好位置。

   96玉、87龍、95玉、84銀不成、同と、
96歩、94玉、

94の退路を開けて打歩詰を打開する。

84と、同玉、85龍、73玉、83龍、64玉、

63龍では75玉、65龍、84玉、85龍、73玉、83龍、64玉……と無限ループに入ってしまう。
75歩の配置1枚で上手いものだ。

74龍、55玉、65龍、46玉、45龍、37玉、

74龍から一気に右辺に移動すると、1筋になんだか既視感がある。

48龍、26玉、28龍、15玉、16歩、同玉、
27角、15玉、

再び、角による歩の連取り趣向の始まりだ。

16歩、26玉、63角不成、16玉、27角不成、15玉、
16歩、26玉、72角不成、16玉、27角不成、15玉、
16歩、26玉、81角不成、16玉、27角不成、15玉、

この趣向の目的も81との消去であろう。

16歩、26玉、54角、

またもや54角が繰り返される。

   16玉、27龍、15玉、24銀不成、同と、
16歩、14玉、

23桂の配置があるので23龍と行けない。
そこで事前に21とを消去した効果が現れる。

24成桂、同玉、25龍、33玉、32金、44玉、

32金とできたのがその効果だ。

45龍、53玉、43龍、64玉、63龍、75玉、

続いて81とを消去した効果も現れる。

65龍、84玉、85龍、73玉、72金、64玉、

72金とできるので、ここの無限ループも閉鎖された。

65龍、53玉、63龍、44玉、43龍、55玉、

そこで角のまわりの無限ループに入ろうとするが、これは……

56歩、66玉、63龍、56玉、65龍、46玉、

56歩が利く。

45龍、37玉、48龍、26玉、46龍、17玉、

左辺では93玉に82龍までと早いので右辺に逃げ込む。

37龍、16玉、27龍、15玉、16歩、14玉、

とうとう収束である。

36角、13玉、12と、同玉、11桂成、同玉、
22龍 まで149手詰

看寿の角生歩連取りの左右での展開である。
発想は単純だが雄渾。
若々しい才能を感じる。

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