詰将棋入門(123) 邪魔駒消去

森田正司『春霞』第21番 詰パラ 1963.8

邪魔駒消去モノはこう作りなさいという、謂わばお手本を示した作品。

45角が上下に良く利いているし、持駒も豊富。易しそうだ。
1枚しかない銀は36に打ちたいから、初手は金から捨ててみると……

25金、同玉、36銀、24玉、

【失敗図】

1筋に逃げてくれれば詰むのだが、すんなり24に戻られて詰まない。
やはり初手はこの駒のようだ。

(初手より)
25香、

同玉は銀、金、金と打って詰む。

   15玉、14と、

同玉の変化に少し考えさせられる。
17香に16合でも15合でも13金が好手で捕まる。

【変化図】

したがって作意は

   16玉、

これで舞台が整ったという所。
ここからの手順が美しい。

17銀、


これは「取れない捨駒」。
同玉なら18金、16玉、17香だ。

   25玉、16銀、同玉、


打ったばかりの銀を直ぐに捨てる。
その意味は?
もちろん25香の原型消去である。
4手目の局面と比較してると効果がよく分かる。
では何故25香を消去したのか?

17香、同玉、18金、

17香と打てばこれは同玉の一手。
18金が再び「取れない捨駒」。
そしていよいよ25香消去の目的が明らかになる。

   16玉、34角、

34角と王手することを25香は阻害していたのだ。
主駒の角を最後に捨てて見事に終わる。

   同馬、15金 まで15手詰

ポイントをまとめると。

  • 25香を序盤で打つ。
  • 25香を間接消去。
  • 消去の目的は捨駒をするため。

このようなナラティブを「森田の邪魔駒テーマ」と一般化したい気持ちだ。

さらにその実現にあたって、17銀や18金といった手にも同Xの変化をつける–取れない捨駒の味付けが施されている点と、簡潔な棋形で実現されている点も抑えておく必要があろう。

ああ、これで29との余詰防ぎの駒がなかったら!(同じ事、前にも書いたな)
29とは逆柱なのかも知れない。

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