これから数回に分けてつみき書店の新刊改訂新版『怒濤』山本昭一詰将棋作品集の紹介をします。
まずは約20年前に発行された『怒濤』をお持ちの方に向けて。
旧『怒濤』は次のような構成になっています。
- 短編の部 21局
- 中編の部 29局
- 長編の部 13局
- 番外 6局
- 不完全作 7局
改訂新版では次のような構成になっています。
- 作品 86局 (短編 39局、中編 36局、長編 11局)
- 不完全作 4局
お解りのように旧『怒濤』では合計69局だったのに対し、改訂新版では86局に増えています。
何故遺作集なのにこのようなことが起こったかと言いますと
- 新たに修正図を作成した。
- 新たに未発表作を発掘した。
という理由によるものです。
さらに改訂新版では、解説で触れている参考図など9局や、一応修正図を作ったものの没にした1局も含めると合計100局の詰将棋が詰め込まれています。
さて、ここまで読んだだけでも予約したくなったと思います。
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さて、この装丁は随分と旧『怒濤』と雰囲気が変わったと思われることでしょう。
新版を出版するに当って山本昭一さんのご遺族と連絡をとった所、ご長女の山本彩佳さんが絵を描くのを趣味にしているということがわかり、是非にとお願いしたものです。
本文中にも数多くのイラストを提供していただき、彩りを添えています。
軽妙な文章も得意だった山本昭一。旧『怒濤』でも「随想の部」が設けられていました。
新版でももちろん収録しています。さらに増量もしてあります。
先達や友人たちからの寄稿集も、ほぼそのまま収録してあります。
さらに詰棋ストでない目から見た山本昭一像に迫るために、新たに2篇を増量しています。
高校の後輩だった駒師和晃さんの「メタ新世界—山本昭一さんのこと」、次女の山本愛実さんの「父の思い出」いずれも必読です。
ここで目次を公開しましょう。
目敏い方は「長い後書き」って何だ?と思われたと思います。
旧『怒濤』では作品解説・寄稿集等に分散していた編著者である平井康雄さんの文章を、新版では最後にまとめていただきました。
マニアにとっては読み応えのある内容になったと思います。
最初にこの話を平井さんに持って行ったときは、一度完成した本なのだからと気楽に引受けてくださったものと想像します。
おそらく、こんなに新たに文章を書いたり、修正図を創ったり、苦労することになるとは思わなかったとこでしょう。
この場でお詫びを申し上げます。
編集者のわがままを訊いていただき、ご苦労をおかけして申し訳ありませんでした。
そしてありがとうございました。
本当にお疲れ様でした(^^)。
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