一色(いっしょく)図式 玉以外の置駒が1種類で通常は全駒
調べてはいないが銀が一番数多そうだ。次が金か?
逆にもっとも数が少なそうなのは……これは歩で間違いないだろう。
盤面に歩が18枚(とが混じっても良い)配置されている図なんて滅多にない。
ましてや配置されているのが玉と歩(と)だけなんて。
それで、この雑談のネタにしようと検索してみた。
ところが意外にも余詰作も含めて46作もあった。
46局もここで紹介する訳にはいかないので、有料掲示板の特典になった。
(宣伝:今月「つみき書店おうえん会員」に入会すると『歩一式図式』のpdfがダウンロードできます)
探している途中で、盤面「歩が17枚」の作品を2局見つけた。
まさに「あと一歩」で歩一色図式を逃した作品。
さらに検索して7作見つかったが、そのうち3作を紹介する。
湯村光造 詰棋めいと 1987.11
「初期の創作ノートから」とのこと。
この趣向、誰でも思いつくパターンと思われる。
実際に
北原義治(1976.9)、北川明(1981.2)
にほぼ同内容の作品がある。
しかし、両作ともぼろぼろの余詰。
あと1歩使おうとすると余詰になると見切ったらしい湯村さんは流石だ。
織江信介「砂金」 詰パラ 1982.4
なるほど盤面市松の趣向にすれば慥かに歩は1歩余る。
一式図式より豆腐市松の方が稀少だ。
梅田亮 近将 1994.10
これは持駒の歩を13に配置すれば一色図式になる。
しかし、1枚だけ歩では美しくない。
そう判断したのだろう。
創りたかったのは全部とと玉だけの詰将棋。
作家の矜持が感じられる。 Tweet