詰将棋つくってみた(35) 課題7:選評

Judge:近藤郷
ベテランが既成手順で無難な一方、若手の意欲的な創作が目立った作品群でした。

優秀作

【第1問】シナトラ

本作は2解です。2つの詰手順を両方お答えください。
(註)余詰とは作者の意図しない詰手順のことであり、これは余詰ではありません。

正解 54角成、62玉、53馬、同玉、44馬まで5手詰
   42馬、62玉、53馬、同玉、52角成まで5手詰

初手44馬は同飛で以下逆王手で詰まない。又、初手52角成は同銀が逆王手で詰まない。ところが、これを5手目にやると両王手なので詰む。この対比が面白い。両王手は逆王手に優るという発想。

【第12問】あとれい

正解 44角、25玉、35飛成、16玉、19香、18歩、同香、同桂成、28桂、同成桂、17歩、同玉、15龍まで13手詰

初手角の移動場所は10箇所。うち有力なのは53角成と13角成。ところが作意は途中下車の44角。詰上がりが枠外の印象もあるが初手の衝撃は揺るがない。

【第16問】武田裕貴

正解 65金、同玉、43馬、56玉、66金、同玉、76馬、55玉、57龍、44玉、43馬、同玉、54龍、同香、33桂成まで15手詰

55金以降、43~66~43とする馬の活用が印象的。最後、54龍として逆王手を防いでおく所も行き届いていている。短編らしくきびきびしている。

コメント

【第2問】駒井めい

正解 24銀、同玉、33銀、13玉、24銀打、同銀、22銀不成まで7手詰

3手目33銀がポイントで妙手というより裏をかくような指手。ただ、詰上がりで上部の歩群が残ってしまうのは工夫の余地あり

【第3問】井頭桜花

正解 12角成、同玉、24桂、同金、11飛、同玉、23桂不成まで7手詰

よく見る詰形だが、初手12飛の清算順では詰まない、というのは当然とはいえ微笑ましい。

【第4問】松田圭市

正解 13銀、同玉、11飛、23玉、14飛成、同玉、24金打、15玉、25金引まで9手詰

態度を問う13銀。打って直ぐ捨てる飛。既成手順だが手慣れている。

【第5問】長谷川雄士

正解 18銀、26玉、16飛、同玉、36角、26玉、16龍、同玉、27銀まで9手詰

初志貫徹。良い素材だけに、もう少し練りたい。

【第6問】不透明人間

正解 32金、同玉、44桂、31玉、22金、42玉、33角、同玉、32金まで9手詰

初形と詰め上がりの対比にニヤリ。

【第7問】negitarou

正解 43香成、55飛、23歩成、同玉、34銀、同玉、44成香、35玉、36香、46玉、57銀まで11手詰

両王手が3回。11手目34角成のキズは消したい。

【第8問】negitarou(2)

正解 28と、19と、25桂、14玉、33桂不成、36銀、26桂、13玉、14歩、22玉、21桂成まで11手詰

下辺のと金は詰め上がりで残ってしまうので序の二手は省きたい。33成桂は生でもOK?配置の対比でもないし生にしたい。等々突っ込みどころは多々あれど狙いは面白い。さらなる推敲を望みたい。

【第9問】松田圭市(2)

正解 35角不成、25玉、36金、15玉、24角、同玉、35金、15玉、16歩、26玉、36金まで11手詰

角は一旦生とし金にバトンタッチして捨てる。既成手順だがベテランらしくスマートに表現。

【第10問】negitarou(3)

正解 27飛、47香打、66飛、同玉、76と、56玉、67と、45玉、25飛、44玉、45飛、54玉、43飛成まで13手詰

初形をじっと眺めていると65に逃げられると捕まらないと分かる。47合は非限定か?この作者、推敲を鍛えればもっと面白くなるように思われる。

【第11問】井頭桜花(2)

正解 22飛成、同玉、33銀不成、13玉、25桂、同と、22銀不成、同玉、33歩成、13玉、14歩、24玉、34とまで13手詰

まず銀生でと金を移動させ、それから33歩成で狙いの収束に持ち込む。易しい手順だが一貫性(ストーリー)があって好ましい。

【第13問】negitarou(4)

正解 45銀、同玉、35龍、同と、56銀、54玉、55歩、64玉、42角成、73玉、74飛、83玉、84歩、94玉、86桂まで15手詰

大模様の配置で全体を把握する所から始まる。初形をじっと眺めていると「14飛、24角」以上に9筋の桂香の配置がもっと気になる。しかし読みはじめると64から73への遁走が気になりはじめて55歩が指せなくなる……。今回解図に最も時間を要した作品だが収束の呆気なさはその時間と反比例。もう少し良くなるような気がして不満の残る作品。

【第14問】negitarou(5)

正解 17銀、25玉、26歩、14玉、23銀不成、同玉、22と、同玉、23香、同玉、15桂、22玉、32銀成、同玉、52飛成まで15手詰

序盤は65馬を27玉の変化に活用しようという意図かもしれないが寧ろ収束で残ってしまう方が気になる。逆算の仕方を工夫したい。

【第15問】negitarou(6)

正解 15飛、同玉、16と、14玉、25と、23玉、33歩成、同玉、43桂成、同玉、34角、同桂、52銀不成、54玉、46桂まで15手詰

25と、33歩成、43桂成と両王手が繰り出される。全体的に荒削りだが楽しめる。

【第17問】小林敏樹

正解 59香、46玉、57龍、36玉、69角、58歩、同角、45玉、37桂、同龍、46歩、同龍、54龍、同玉、36角まで15手詰

掲載の経緯について小泉さんが説明されているが、この収束には橋本樹作など前例がある。それを抜きに考えると初手香の遠打、57龍で右辺の逃走を不安にさせ、角打ちに中合とするといつの間にか舞台が出来上がる。盤面という空間を縦横無尽に操る技は天下一品。

「詰将棋つくってみた(35) 課題7:選評」への1件のフィードバック

  1. いろいろアドバイスいただき、ありがとうございました。
    特に【第8問】、玉方・3三の桂が「生桂」で成立するとは、全く気づきませんでした・・・、さらなる推敲に励みます!

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