詰将棋入門(157) 金の跳び込み

酒井克彦『からくり箱』第39番 詰パラ1976.5

酒井克彦紹介も最終回。13手詰。


短編なので初手から解いていこう。

思いつく手を試してみると…

34桂、33玉、

これは絶望形。

13角、12玉、

これもダメだ。

33金、

他に31玉を阻止できそうな手は33金しか無い。
31玉なら、32飛~42飛成。

   同玉、34飛、

同玉なら34飛と重ねて良さそうだ。
22玉と戻ると…

   22玉、31角、12玉、13角成、

これで24金が喰えて終了。
といって、34飛に同金ならば、同金で持駒が角金桂。

(34飛に)同金、同金、22玉、13角

これで31からの逃走を阻止。桂を余して詰み。
22玉でなく32玉ならば14角で同様だ。

つまり、初手33金は取れない。

12玉か13玉だが…
12玉には45角という好打がある。

(33金に) 12玉、45角、

この一発で痺れている。
13玉は14飛、同金、23角成まで。
23に間駒をすると…

   23桂合、同金、同金、24桂、

間駒は上の棋譜では桂にしたが何でも同じ。
桂馬を決めればあとは飛車で追って詰みだ。

そこで34に間駒するのが正しい受けだが…

   34桂、

歩合は同角、同金、13歩、同玉、14飛まで。
頭を叩かれないように桂合なのだが…

13飛、同玉、24金、同玉、34金、

間駒を金で取れば後は3手詰だ。
45角が上下を睨む限定打であることがわかる。

残っているのは初手33金に13玉の逃げだけである。

(33金に) 13玉、

ここで登場するのが眼目の一手だ。

14金、

今まで24金を散々取ってきたのに、ここに来て取らずに玉頭に跳び込む。
なんと鮮やかな捨駒だ。打捨てでないからなおさら気持ちが良い。

同金は…

   (14)同金、23飛、12玉、21飛成、

変化から潰そう。同玉に32角から23桂で詰みだ。
同玉は…

   36角、

この角は限定打ではない。
間駒したら12飛から26桂なので

   13玉、25桂、同金、12飛、

26金を角に打ちかえて26桂とする狙いだったのだ。

   同玉、45角、13玉、23角成まで13手詰

変化に惜しげもなく出てくる妙手・好手が本作を名作たらしめている。

酒井克彦の他の作品は下部の【酒井克彦】タグで検索できるが、他に名局精解3 駒三十九も酒井克彦だ。

このような傑作揃いの『からくり箱』は購入できる間に是非入手しておくことをお勧めする。

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