詰将棋入門(162) 邪魔駒を消して遠打

三代伊藤宗看『将棋無双』第10番 1734.8


冒頭の7手が勝負。後は平易な収束。


29龍の守りが強力。
いなければ23銀で3手詰だ。
しかし玉も案外狭い。
31玉なら32銀で、33玉なら32飛で簡単に詰む。

初手は14桂に誘われる。
同香なら13銀で詰むが13玉で失敗。

32飛と打つと…

32飛、21玉、

22は守りが強いので…

13桂、同香、12銀、同金、同飛成、同玉、

【失敗図】

まだ29龍が強くてこれは失敗。

それでは初手から29龍を清算するのは…

23銀、

   同龍、同角成、同玉、24飛、32玉、

【失敗図】

最後33玉なら詰むが、32玉で、以下44桂打ちとしても同金、同桂、43玉で逃げられる。

正解は鋭い捨駒だ。

13銀、

同香と取られて進展はないように見える。
しかし同香だと…

   (13)同香、32飛、21玉、12銀、同金、
同飛成、同玉、24桂打、

【変化図】

香を吊り上げるのに桂でなく銀を使ったことになるので、持駒にまだ桂馬が残っている。
これで詰むという仕組みだ。

そこで作意は

   同玉、

これで15歩の勢力圏に近づけたので、やってみたい手は…

23飛、

普通はこれで寄りそうだ。

   (23)同龍、14銀、同龍、同角成、22玉、
32飛、21玉、

【失敗図】

ところがこれが詰まない。
持駒に歩1枚でもあれば詰みなのだが。手駒は桂馬1枚。

正解は…

14歩、

拠点に見える歩を突いてしまう。
さらに

   12玉、13歩成、

なんと大事な拠点に見えた歩を原型消去してしまうのが正解だ。
その理由は…

   (13)同玉、19飛、

狙いの一手。
わざわざ龍にぶつける最遠打である。
同龍ととれない(2筋から龍が動くと、24銀で5手詰)のを見込んで、逆に龍を取ってしまおうという手だ。
14歩の配置でこの手をうまく隠蔽している。

   18歩、14銀、22玉、29飛、

18歩が作意だが、これは17でも16でもいいし、歩でなくてもよい。
もう狙いの7手は終わったので後は些末なことという考えだろうか。

   31玉、21飛打、同金、同飛成、同玉、
32金、11玉、23桂まで19手詰

収束は平易な順だ。

紛れ多い形からの序の7手が圧巻の作品だ。

キズとしては9手目22銀でもよい。

これは作意を18歩としたから生まれた余詰で17桂とでもしておけばよかった。

しかしそれでも17手目22金の余詰は残る。

以下同玉、23銀成、11玉、12成銀、同玉、24桂打、11玉、14香、13香、同香不成、22玉、32桂成、13玉、14香まで。

あ、これも18歩で13歩合ができないのが問題なのか。
それではなおさら作意は17桂にしておけばよかったのに。

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