風みどりの詰将棋と関係ない話(25) 荷造運賃について

柳田さんがやっている全詰連書籍部の頁には1冊毎に厚さと重量が示されている。
これは送料を最小値にするための良心的なデータだ。
ただ本当はさらに書籍のサイズも必要だ。

皆さんの中にはネット本屋をやってみたいという方もいらっしゃるだろうから、参考のために本を送る方法について説明する。

昔は本を送るといったら書籍小包だった。
今は書籍小包はなくなって、かわりにゆうメールになった。
しかし実際にはゆうメールは使われない。

封の一部を切って中身が見えるようにしなければならないし、料金も安くないからだ。

スマートレター 180円

\(17\times25
\times2\) ~1kg

つみき書店の本はこのスマートレターで送れる最大の大きさを意識して作られている。(具体的には『野村量の詰将棋560』がそれだ)
ポスト投函できるから朝、出勤の途中に発送できる。
全国一律料金。
ゆうメールだと『怒濤』で215円。『野村量560』だったら310円だ。
それが180円で送れる。安い!
しかも丈夫な封筒までついている。
A5が\(15\times21\)だからぴったり入る。
しかし面倒なのはきちんと折らないと厚い本は送れないということ。
『野村量560』は17mmだから3mmも余裕あるはずなのに、何度か「送れない」と返されたことがある。
きちんと折り直してもう一度投函したら届けてくれた。

角ブックスで薄い本だったら2冊いける。
しかし一番のネックは2cmという厚さ制限だ。

つみき書店では万が一の水濡れ予防のため、密封できるOPP封筒に入れてから封筒に入れる。
すると空気が入ってしまい厚さが出てしまうことがあるのだ。

写真は厚さを測る道具。封筒に入れたら封筒の緩衝材のお陰で通らなくなってしまうことも良くある。

2cmを超してしまったら次の手段は…

クリックポスト 198円

\(25\times34\times3\) ~1kg

A4は\(21\times30\)なのでスマートレターの倍の大きさだ。
しかも厚さが3cmまで。198円だから18円しか高くない。
こっちの方が全然いいじゃないかと思うかもしれないが、そうでもない。

まず、ネットで送り先の住所・氏名などを入力してバーコードのついた票を印刷しなければならない。
封筒も自分で用意しなければならない。
そしてネットのサイトがまた使いにくいのだ。

要は手間がかかる。
つみき書店のお客さんはリピートしてくださる方がほとんど(ありがたいことです)。
だからクリックポストのアドレス帳に大概のお客さんの住所は入力してある。
その中から数件まとめてチェックして一気に申込みしたいと思うし、当然できるだろうと期待すると、これができない。
1件ずつ何度も何度もチェックだ承認だ何とかコードを入力する必要がある。
4枚印刷できるA4の紙に1枚ずつ印刷することになる。
(まとめて印刷するためにはcvsファイルに入力してアップロードする必要がある。何のためのアドレス帳なのかと思う)

印刷コストも只ではない。
封筒だって只ではない。(オイラは封筒はよく再利用しているが)
だからクリックポストで送る場合は送料198円というのはちょっと違う気がする。(体感的には250円くらい?)

一つ良い所は、配達完了したことがネットで確認できることだ。
これは安心する。

悲しいのは、これはA4で3cmに入るとクリックポストで梱包し、さあ投函しようと思った段階で、「ん?これちょっと重いかも」と計ってみたら1kgを超えていた場合である。
本は重いのであるんだ、そういうことが。

その場合は帳票も封筒も無駄になりレターパックライトに梱包し直すことになる。

レターパックライト 370円

\(24\times34\times3\) ~4kg

スマートレターはA5だが、これはA4サイズが入る。
『野村量560』が2冊入って、まだ厚さに余裕がある。
だけど以前は360円だったのが値上げされて370円になった。
だから『野村量560』を2冊注文された場合、本当だったらスマートレター2つで送る方が安い。
でも面倒だからこちらを使ってしまう。

そしてどういうわけかレターパックライトは速い。
速達並の速さではないかと内心思っている。

4kgは余裕なので、たくさんはいる…と喜んでいると厚さ3cmの壁に引っかかる。

すると次の選択肢は…

レターパックプラス 520円

\(24\times34\) 厚さ制限無し ~4kg

レターパックライトと同じ大きさの封筒だが、これは厚さ制限がない。
といっても封ができないとだめだから自ずと制限はあるのだけれど。
ただなるべくプラスは使いたくない。

それはライトはポストに届けられるのだが、プラスは対面で届けることになる。
だからオイラみたいに定年退職していない、現役バリバリの方はなかなか受け取るのが難しいのではないかと思う。

以上ここまでが日本郵便だが、これ以上になるとヤマト運輸を使うことになる。

本を送るのにはネコポスというのもあるが、これは個人では使えなそう。
厚さ~2.5cmというのも微妙だ。(メルカリのらくらくメルカリ便だと3cmまでOK)

次に大きなサイズで宅急便コンパクトというのがある。

宅急便コンパクト 380円

\(20\times25\times5\) 重さ制限なし

これも大きさが\(1:\sqrt{2}\)の本の形と相容れないサイズなので本を送るには向いていない。
これで送るのはメルカリで売った玩具の類いがほとんど。
専用の箱も70円で買う必要があるので、実質450円。

宅急便 780円~

これはサイズと重さと送り先によって料金が変わってくる
一番小さいのが60サイズ。(\(縦+横+高さ<60\)) つみき書店にくる注文はだいたい60サイズに入る量だ。 段ポール箱を買えば良いのだが、なるべく再利用したい。 そこでいろいろ工夫して60サイズの箱にしたいと頑張る。



だけど、無理して60サイズに詰め込んでも、本の場合はまず無駄になる。
なぜなら60サイズは2kgまでという制限があるからだ。

『野村量560』を5冊で2kgを超す。
なので自動的に5kgまでの80サイズになってしまうのである。
すると関東で1000円。
『野村量560』を5冊で1000円ならスマートレター5つで送った方が安い。
でも自分も面倒だし、運送業者にも面倒かけるし、受け取る人だって開封するのが面倒だ。
だからそんなことはしない。

ということでネット本屋を開設すると、在庫の置き場所が一番の問題だが、梱包資材というのもなかなか場所をとることになる。
一時は段ボール箱を捨てるのが惜しくて、かなり嵩張ることになった。
今はあまり使わない段ボール箱は溜めておくのをやめたが、それでも再利用しようと考えている封筒の類いでかなり場所を取られている。


前にも書いたが、たまに「たくさん買ったら送料をサービスしろ」みたいなことを要求してくるお客さんがいる。
場合にもよるが上に詳しく書いたように普通のお客さんが買う程度の冊数では1冊当たりの送料が安くなるということはない。
そして例えば他社の1000円の本を売るとする。
普段は送料180円つけて1180円で販売する。
これで送料をサービスしたらどうなるか。
1000円の本をつみき書店では700円で仕入れている。
決済手数料などで50円をSTORESに支払う。
すると250円が当社の利益ということになる。
送料をサービスすると残るのは70円。

なので、めったに送料無料のクーポンは出せないのです。
ですから、このチャンスを逃さずに、どうぞお買い上げをお願いいたします。

「風みどりの詰将棋と関係ない話(25) 荷造運賃について」への2件のフィードバック

  1. 情報共有ありがとうございました。
    「百日紅」の発送の際、この記事に書かれているようなことをずいぶん試行錯誤しました(汗)。
    当方には学習効果の乏しい体験でしたが、本を送るノウハウが網羅的に紹介されているのは見たことがないので、役に立つ実用的な情報です。

  2. 年間500通ぐらい送るようになったらゆうメールも良いみたいです。再来年ぐらいにつみき書店もそれくらいになるといいのですが……(まず無理)

    あとマイナビの詰将棋文庫って厚いからスマートレター使えずにクリックポストになるのが困りますね。

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