詰将棋雑談(73) 香剥総浚[其の九]

1984年は3作発表される。

森長宏明「桃源郷」『詰物語』第49番 近代将棋1984.1

香を1枚剥がす度に角の遠打から近接馬鋸が入るという大作。
森長宏明をして完成まで10年かかったという。
収束の5回の香合も狙いだったようだ。

若葉涼「さざ波」 近代将棋1984.10

ここで一気に先祖返りを起こす。
これは元祖香剥がしの『松虫』のリメイクに見えてしまう。
もちろん作者は知らずに創作しているのだろうが、解答者は当然知っている人も多い訳で、作品に対する評価にギャップが生じるのは避けられない。
新しいものを創り出そうとするからには過去作について調べるのもある程度は必要だというのは当然のことだろう。

添川公司 詰パラ1984.11

本作は既に詰将棋雑談(64)無仕掛長篇で紹介している。
本作や「宇宙のファンタジーII」は何度並べたことだろう。
同じ場所で同じ配置で収束まできっちりできているのが奇跡に思えてしまう。

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