いっこの積木(134)

第7章 短篇前期(9手~11手詰)

新しい章に入る。
終わりも近づいてきた。
短編前期–詰パラでの分類だと「中学校」にあたる作品である。

風みどり 近将 1983.9改

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昔は7手詰ばっかり作っていたので、本作も原図は7手詰だった。
しかしそれはとても醜悪な図。
本図は秋元龍司さんが改良してくれた図だ。
そこら辺のことは『詰将棋の詩』に「水滸伝」という文章を書いたので、興味のある方は読んでみてもらいたい。(入手はかなり困難かもしれない……)

憧れの吉田健さんに解説をしていただいた。
嬉しかったので記録してある。
ここに再録しよう。

 33角成は余りにもヤボな手立てと見てまず誰も読まない。それよりは24角成が筋して先に映るが、上部に歯止めのない玉奈央で、ゆらゆらと遁走曲をきめ込まれそうである。そこで、手駒に香が2枚。一工夫しておこうということになって、37香—-。
 35合なら、25金、45玉、35金、46玉、64角成まで。36銀打合なら、33角成、35玉、25金、46玉、55馬まで。と、こう読んで来て、ああ、そうか、と妙技36銀生を発見するのが順序だろうが、どうやら、私にはいち早く閃くものがあった。ヒトケタ手数物の手として、まさにこうありたいという移動中合なのである。やってるな、と思った。しかも銀ナマで。
「狙いは2手目の移動中合。意味付けは変化でわかるように退路あけです」
 離れ技のあとは得てしてダレるものだが、収束もムリなくまとまった。
 簡単な形からワザを見せたのが心憎い。

注意深い方なら文中の棋譜に違和感を感じたはず。
実は発表図は下図だった。

発表時には指摘はなかったが、柿木将棋で検討してみると初手39香と3手目56馬が成立している。
特に後者が強力で66馬の配置は断念した。
角では堅い感じなので馬にしておきたかったのだが残念だ。

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