詰将棋創作チョー入門(15) 第2回三手詰祭:結果発表(その2)

第2回目の三手詰祭。
71問を一気に出題しました。

やはり数が多いと結果稿を作るのも大変です。
息切れしないようにやっていきます。

お気に入り投票の数は★で表しています。

第21問 風みどり

正解
57角、同玉、75馬まで3手詰

◇第7問を広い所にもってきた形です。今回の課題を覚えていれば易しいはずなのですが、56角とか13角成とか考えてしまって難しく感じられた方がいたようですね。★★★★★★

松田圭市 これは難しかった
keima82 詰み上がりの形が好みです。
占魚亭 角の移動場所を問う(その1)。
奥鳥羽生 適度なる 変化紛れが いい感じ
松崎一郎 脇の下を擽られるような解後感です。
十姉妹 銀を支え飛車を支え、とギリギリな感じが良かったです。
negitarou 初手は、57角か77角の二択。詰上がりの形が好きです。
まつきち 本題で手が止まる。77角~47飛や13角成から考えて一苦労。

第22問 奥鳥羽生

正解
33馬、同玉、43飛まで3手詰

焦点の捨駒。とても綺麗で同玉と12玉の応手では飛車の脚の長さが活かされています。しかしこのような完成品は怖い。残念ながら室門健一(詰将棋パラダイス2021年12月号)がありました。数が多すぎて同一作検索を怠ったのをお詫びします。★★★★★

山城正樹 初手一閃。
高橋美鈴 何でとってもトドメは飛車。
占魚亭 と金を取られた場合に備えた初手。
natemomi 一つの詰将棋で4通りもあることに驚きました。
貴棋 応手によって変わる飛車の打ち方が違うのが面白い。
keima82 手数と馬捨てという条件がわかってなければかなり苦労したと思います。
まつきち 33馬は習いある手筋なれど、飛の威力が存分に発揮される手順が爽快。
negitarou 焦点への捨駒。2手目の応手によって、飛車を打つマス(3手目)が変わるのが面白いですね。

第23問 keima82

正解
36角、同香、15飛まで3手詰

◇線駒のラインを遮るための限定打。目的が37龍のアンピンというのが今回では初登場。結果として守備駒が移動し遮蔽が解除されたので45飛が15に動くことが可能になりました。
◇45飛は55飛の方が良いと思うが、作者は少しでも配置を小さくしたかったのか。

占魚亭 飛の通り道を作る(その1)。
まつきち ピン状態の駒と駒の間に駒を挟むのがアンピンの定番。
negitarou 2手目・銀合(金合・角合)が気になりましたが、無駄合ということなんでしょうね。
◇無駄合か変長か。

  • 46角、27銀、同龍、19玉、28龍として46角、19玉、28龍の変化と比べて無駄合と判定。
  • 逆王手は有効合として変長と判定。

◇どちらの判定を取るかは解答者に委ねて、解答者はその判定を評価に反映させればよいと考えています。
出題者が判定をして発表の機会を奪うことは好ましくないと思っています。

第24問 松田圭市

正解
22角、同玉、33角成まで3手詰

◇線駒のラインを遮るための限定打ただし短打。21香はピンされているので同玉の一手。★

まつきち 逆王手には逆王手で返す。
占魚亭 短打で穴から出して香の睨みを消す。
negitarou 味のある攻防。打ち込んだ角を「香車」では取れないところが面白かったです。

第25問 風みどり

正解
23角成、同玉、24金まで3手詰

◇焦点の捨駒。

まつきち 焦点の捨駒。22番と似た味?
占魚亭 必修の詰み形の一つ。同飛は12金まで。

第26問 松田圭市

正解
11角、同飛、42飛成まで3手詰

◇線駒のラインを交差させる捨駒。22合でも42飛成なのに、32玉には42香成なのが面白い。★

N.Yama ぴったり詰みました。
占魚亭 受方飛を二段目から移動させる。
まつきち 2番の仲間だが裏から捨てるのが面白い。

第27問 風みどり

正解
15角、同と、44龍まで3手詰

◇玉を呼び込む捨駒。結果的に逃げ道を塞ぐ効果を得る。この角捨ては好きで何度も使った。

占魚亭 33とを守る。
まつきち 質駒を狙う捨駒。
keima82 取れると金を取れないところに移動させるのが不利感があって良いですね。

第28問 negitarou

正解
33角、同桂、54馬まで3手詰

成る余地を残すための以遠打。結果的に守備駒を移動し、遮蔽を解除する効果を得る。最終手まで移動先を間違えないようにという緊張感が持続する。

占魚亭 障害物を移動させる(その1)。
まつきち 角捨を33に限定するのは他にも方法がありそうだが、シンプルな構図を選んだのか。最終手も狙いの一つ?
negitarou 自作。初手22角からの余詰めがありました(すいません)。「持駒なし」で攻方15馬の配置で解消します。
余詰:22角、21玉、54馬、32合、41龍まで

◇見落としたようです。15馬の案でしたら52桂が不要になりますね。

第29問 風みどり

正解
13角、同飛、56龍まで3手詰

◇第13番を対称移動した形。可成地帯から王手するための限定打。

keima82 成れる場所への限定打。4,13と同じパターン。
まつきち 4番の仲間。中段玉での表現。
占魚亭 受方飛を5筋から移動させる(その1)。73角は36玉でダメ。

第30問 奥鳥羽生

正解
55角、同馬、79龍まで3手詰

◇線駒の利きを遮るための限定打。合駒は11龍まで。結果的に守備駒を動かし、39への利きをなくす効果を得た。46角では37歩合で詰まない。★★★

奥鳥羽生 看寿さま 受け飛多かろ 受け角で
占魚亭 受方馬の利きを逸らして39銀を消す。
まつきち 線駒の利きを一方向に限定させる遠打。一時期流行?
keima82 以遠打が成立しそうですが37歩合で詰まないのですね。
negitarou 玉方・馬の利きを「角」で遮る。11龍の変化手順も好きです。
高橋美鈴 初手は限定打、相手の馬の効き止めて、自分はのびのびと龍を使う。

第31問 松田圭市

正解
11角、同玉、21金まで3手詰

◇第5番と正面衝突。44角に33歩の紛れを作ったのが作者の工夫。

まつきち 11角捨ては5番に似た味。
占魚亭 33へは行かせない。同金は23金まで。

第32問 シナトラ b)攻方26桂追加

正解
a)16馬、同玉、26角成まで3手詰
b)35角成、同玉、36馬まで3手詰

◇ツイン。2つで一つの作意を形成する。
◇26桂の有無で捨てる角と止めを刺す角が入れ換わるのが面白い所。この趣向をジラヒという。★

松田圭市 綺麗にできている
占魚亭 Zilahi入門。
まつきち b)の方が捨駒の味は良いが、形は重くなる。
keima82 ツインの各配置で不要な駒や過剰な配置があるのが個人的にはとても気になってしまいます。aでは不要駒はないが、33銀は玉方24歩で済む。bでは14歩と43歩が不要。


第33問 荒川貴弘

正解
12飛成、同玉、13飛まで3手詰

◇焦点の捨駒。金が斜めに戻れないことを利用する。
◇34角を45角にすれば42歩は不要になるようだ。初手21との紛れは消えるが、そんな順を考えるのは余詰マニアだけだと思う。★

まつきち 打ち捨てでは得られない12角成の爽快感
negitarou 角の成り捨てが豪快で、爽快感がありました。
占魚亭 同金は21飛まで。どちらで取っても飛車を打って詰み。

第34問 風みどり

正解
32角成、同玉、22金まで3手詰

◇第25番を90度回転した図。こちらもよくある。21を埋めないと余詰なので角を配置し焦点を強めた。21桂でも同じこと。54角を98角にすると味は良くなる(?)が初心者に優しくなくなる。★★

keima82 気持ちの良い焦点捨て。
十姉妹 焦点の捨て駒の寸止め感が良かったです。
占魚亭 焦点に成って応手を問う。同角は22金、同飛は41金まで。
まつきち 32角成が鮮やかな焦点捨て。その味の良さは33番に同じ。
negitarou 思わず「角」を取り込みたくなる配置。(2手目)同玉・同角は「22金打」なので、2手目同飛が作意ではないかと予想しました。
◇なるほど、あまり考えないで同玉にしちゃいました。

第35問 松田圭市

正解
23角、同玉、32飛成まで3手詰

◇玉を呼び込む捨駒。
◇持駒は「銀」でも同じ。(金では余詰がある)では何故角なのかというと初手45角の紛れが追加されるというのが作者の主張。

占魚亭 玉を釣る。
まつきち 地味な限定打。離すと34中合で逃れることには後で気づく(直感で23と打ってしまう)

第36問 松田圭市

正解
23角、同香、15銀まで3手詰

◇逃げ道を塞ぐ捨駒。短打の角。短打も限定打の一種。32角では24玉で失敗する。★

まつきち これも地味な限定打(笑)
奥鳥羽生 初手短打 最後銀引き 相俟って
占魚亭 23地点を埋める。24玉は34金まで。
negitarou 3手目(1五銀)の感触が好きです。

第37問 奥鳥羽生

正解
24角、同玉、34銀成まで3手詰

◇玉を呼び込む捨駒なのだが同桂の変化では守備駒を移動し遮蔽効果を解除する効果を得ている。さらに15角と打って合駒を稼げる可能性がある所を24角と短打が必要なのも味わいを濃くしている。
2手目同桂は22龍まで。
2手目23玉は13龍まで。

まつきち ちょっと面白い短打。51角の筋でもう一局?
占魚亭 42へは行かせない。23玉は13龍、同桂は22龍まで。
keima82 離しても打てるところを、あえてくっつけてタダ捨てするのが気持ち良いです。

第38問 シナトラ b)詰上り図で桂→18


◇ちょっと変わったツインの指示で、理解してもらえなかった方もいらしたようです。親切でなくて申し訳なし。

正解
35馬、同龍、29桂まで3手詰

◇この詰上り図が次のようになります。

◇29に桂がいますのでこの桂を18に動かした図がb)というわけです。

正解
39馬、同龍、26龍まで3手詰

◇ツインを利用して盤面の2枚の馬を両方とも捨ててしまおうという面白いアイデアでした。

占魚亭 馬捨てで攻方龍を上げ下げ。
negitarou ツインの2問目(b)が解けなかったです。
keima82 「3手詰で馬を2回捨てる」という、通常ならあり得ない順をツインで実現。課題ともマッチしており、更に、双方の配置で不要な駒がない(と思う)のが大変良いと感じました。


第39問 シナトラ

正解
21角、同玉、22金まで3手詰

◇玉を呼び込む捨駒。玉角金の焦点になっている。22,23,42の3カ所に金を打つ。

まつきち 好感の持てる手筋。双玉にした意図は?
◇初手22金への対策と最終手31金で逆王手されそうな緊張感の演出でしょうか。
占魚亭 危険地帯へ誘導し、ピンメイト。同角は23金、同金は42金まで。
keima82 21角が先に見えれば易しいですが、41角を読みだすとドツボに。。

第40問 風みどり

正解
49角、同龍、28桂まで3手詰

◇線駒のラインを交差させる捨駒。ちょっと駒を使いすぎ。

占魚亭 受方龍を八段目から移動させる(その1)。
まつきち 2番の仲間。11番に似た味。解いた後で27合の変化を一瞬考える。

今日はここまでに。

「詰将棋創作チョー入門(15) 第2回三手詰祭:結果発表(その2)」への5件のフィードバック

  1. 21番の作意手順の座標が間違っています。
    23番の説明中、46角は36角です。

    さて、その23番について。無駄合いか有効合いかは人により考え方が違うので、解き手に評価を委ねると言う考え方に賛成です。
    ただ、無駄合いである根拠が、風みどりさんが書かれた内容と若干異なったので、私が無駄合いと判断した理由を書いておきます。   

    まず、▲36角△19玉▲28竜という順(A)に着目します。この順と、▲36角△27角(金銀)合▲同竜△19玉▲28竜という順(B)を比べます。すると、Bは取った駒が先手の駒台に乗っただけでAと全く同じ図であることが分かります。これが、無駄合いと判断した根拠になります。

    ちなみに、▲36角△19玉▲17竜(C)と▲36角△27角(金銀)合▲同竜△19玉▲17竜(D)の順を比べた場合も同じ事は言えますが、Cの順は「変別」であるため、Dが無駄合いがどうかはさほど重要ではないと考えました(17竜で詰まなくても良い)。

    まあ、自分はこう思ったと言うだけなので、解き手に怪しいと思われた時点で、減点されても仕方が無い問題だとは思います。

    1. そうか17龍と解いていたのですが、変別でしたか。
      作者名をよくみていなかった。
      解説を書き直しておきます。

  2. 第22問、同一作、申し訳ありませんでした。
    全問について、左右・金と・成生・ずらし、は確認したはずも、どこかで漏らしたようです。
    第30問と第42問以外は最小駒数を目指したので、プロ棋士の著書等とのかぶりも含めて、あって不思議なしかもしれません。

    1. 同一作が作られるのは完成品の証拠です。
      風みどりの出品作は同一作検索にこそひっかかりませんが(不思議)同一手順作とか同一手順を含む作品がごまんとあることはご存知の通り。

  3. 【第23問】の短評は思ったことを書きました。ご容赦ください。

    【第28問】には余詰がありました。恥ずかしい限りです。
    修正図は風みどり様が言われるように「52桂」は不要ですね。
    修正図の置駒、「15馬」か「51馬」かで悩みました。
    51馬だと少しクドいような気がして、15馬を選びました。
    いずれにしても、この問題のエッセンスを次に活かしていきたいと思っています。

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