詰将棋つくってみた(90) 課題20:清涼詰

課題20:詰上り攻方駒2枚の詰将棋を作ってください。

詰上りに必要な駒は通常2枚です。詰将棋は「持駒が余らない」というのもその演出の一つですが、「ギリギリに詰ませた」という快感を提供してきました。さらにギリギリの攻方2枚で詰上げることで「無駄が無く、非常に効率的に詰めた証拠で、スカッとした気分になるはずである」(岡田敏)……というわけです。

またそろそろ逆算という作図技術についても修練していただこうという狙いもあります。創作入門者のみなさまの精進に期待します。

  • 手数制限はありません。
  • 未発表作に限ります。
  • 投稿先はkazemidori+kadai@gmail.com
  • 締切は7月30日(土)
  • Judgeは吉松智明さんです

例題 風みどり 詰パラ1978.2改

手順はいっこの積木(54)を見ていただくとして詰上図が下図。

攻方の駒は2枚だけなので条件を満たしています。

例題NG 風みどり 風みどりの玉手箱1999.6

手順はいっこの積木(56)を見ていただくとして詰上図が下図。

詰上りに絡んでいるのは角と龍の2枚だが、55金という攻方駒があるのでこれはNG。

しかし本当に自作を探しても清涼詰はでてこないナ。

あ、7手詰だけど1個みつけた。

例題 風みどり 詰パラ1993.8改

手順はいっこの積木(65)を見ていただくとして詰上図が下図。

玉方の駒は何枚あってもお咎めなしなので玉が中央にいなくても攻方駒は2枚が条件だ。

例題 風みどり

まだちょっと時間があるので、1作こしらえてみよう。

スタートはこれ。

今日はなぜかこのボヤッとした3手収束からはじめたい気持ちになったが、解答者の評価はまずよくないので良い子の皆様は真似をしないように。大駒をズバッと切る3手詰から始めることにしましょうね。

さすがに大駒を捨てとかなきゃ詰将棋にならないので飛車を捨てる5手詰にしてみた。

さらに58の場所は最初開けておいて手順で埋めるようにしよう。

こうやって詰上りから逆に手順を作っていくのがいわゆる逆算という作図技術だ。

逆算の弱点はともすれば何の狙いもないダラダラと長いだけの作品に仕上がってしまうこと。
そして逆算の方向性は無限に近いと感じるほどたくさんあるので作家にとっては無茶苦茶時間を取られてしまうということ。

上の図から持駒の銀を盤上に配置してみて逆算を進めたのが次の図。

打捨て主体の13手詰。
余詰防ぎの駒が増えてしまったので嫌になって捨駒はしなくていいから飛車も動かそうとやり直したのが次図。

簡素な11手詰。

どちらも入選級とはいえないが(やはりスタートがよくなかったか……)、逆算の方向によってまったく異なる図になるというのは感じていただけたことだろう……ということでお仕舞い!


「未発表作」とあるけれどtwitterで流した作品はダメですかと質問がありました。
昨今はtwitterも既発表とする風潮ですが、つみき書店はそんなに厳しくしても仕方ないのでインプレッション3桁まではOKとします。(1000を超えていたら既発表扱い)


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