採用される投稿用紙の書き方

最近、「採用されやすい」投稿用紙の書き方について書くのがはやっているのである。
そこで、オイラも便乗して書くのである。
ただし、オイラはみなさんのように楽しく読ませるために冗談を絡めながら書くのは出来ないのである。
なぜなら、オイラは真面目だからである。
なので、真っ正面から真面目に書くのである。

  • 作意・変化・紛れは丁寧に書く。

担当者も柿木将棋などを利用して余詰検討するが、柿木将棋は変化を最短で詰ますとは限らないのである。
変化に織り込んだ好手を見て貰いたい場合も、当然ちゃんと書かないと見過ごされる危険があるのである。

紛れを丁寧に書くことはもっと重要である。
担当者が仕事で忙しかったりする時、紛れをきちんと書いてない投稿作は
「ん、これ検討に手間かけなくちゃ駄目だな。後回しにしよう」
となることが多いのである。
紛れをきちんと書いてある投稿図を見ると、
「これは作者が丁寧に検討した作品に違いない。安心して撰題できるな」
と感じるわけである。

  • 作者の狙い・感想をちゃんと書く。

ベテラン作家の中には、「この作品の狙いを解説者は理解できるか」試そうと、わざと狙いを書かないで投稿するイヂワルをする人がいるのである。
新人の場合は「生意気だ」と不採用にされるので気をつけた方がいいのである。

昔、詰め将棋カレンダーの選題会議をしていたときに、
「これ捨駒もないし意味わかんない。没だよね」
という作品があったのだが、誰かが
「もしかして、攻方飛車の軌跡が狙いなんじゃない?」
と気付いたお陰で、幸運にも採用になった作品もあるのである。
ちゃんと狙いを書いておけば、こんな危険はなかったのである。

特に新人作家は、ここが狙いで造りましたと正直に書いておく方がよいのである。
もしかすると、担当者から、
「君がここを狙いとして造る気持ちは理解できるが、海千山千の解答者はこの狙いはもう100回も見て飽きているから、こういう方針で仕上げた方がいいよ」
とか、
「こちらの部分は面白いから、こっちを中心に構成しなおしたらいいんじゃね」
とかアドバイスを貰える可能性があるのである。

ところで、すべての投稿作に
「自信作です」
とか
「会心作です」
と書いてくる作家がいるのである。
あまり真似しない方がいいような気がするのである。
(最新作が今までで一番の会心作だという超一流作家がいるので、あり得ないことではないのであるが)

  • 投稿用紙は手書きで情熱を表わす。

作者の作品に込めた情熱を表わすには手書きが一番なのである。
速い話が、次の投稿図を見て貰うのである。

無断で掲載するので名前は一部伏せたのである。

こんな葉書をもらって、採用しない担当者はいないのである。

投稿図を書いていて、もしくは作意を書いていて、あらたな推敲案に気付くことが良くあるのである。
その場合、手書きだと葉書と時間が無駄になるのである。
だからこそ、ワープロやexcelで投稿用紙を作るのが今は主流なのである。

逆に言えば、手書きの投稿用紙は推敲し尽くされた作品の証なのである。

もっとも長編や変化紛れが膨大な作品の投稿用紙を手書きでやるのは無謀なのである。
岡村さんが「驚愕の曠野」の投稿用紙を作るためにつくったソフトがあるそうなので、欲しい人は岡村さんにねだってみるといいのである。
柿木ファイルを入力すると、作意/変化/紛れが書き込まれた投稿用紙をHTMLで出力してくれるのである。

ただし田島秀男さんの投稿用紙は……手書きなのである。
(他にも長編作家で手書き投稿用紙の方はいるのである)

最後に、上の作品を没にする担当者は居ないと書いたが、それはもちろん投稿用紙が綺麗な所為ではないのである。

  • よい作品を創る。

結局は、これなのである。

たとえ投稿用紙が汚かろうが、
「この作品を世に出したい!」
「この作品の解説を俺が書きたい!」
と思わせる作品だったら、採用されるのである。

この文体は疲れるのである。
オチの持っていきかたも真似たつもりなのだが、いかがであろうかである。

「採用される投稿用紙の書き方」への4件のフィードバック

  1. 最初にあの投稿をみたときは、印刷だと思いました。よく、目を凝らさないと、ホントにわからないんです。いまはプリンターになってしまいましたね。残念。
    いま、手元にあるのをざっとみたところ、手書きは半分くらいです。
    そのなかは、盤だけ印刷のもの、スタンプを使ったもの、将棋連盟や詰パラの用紙などさまざま。オール手書きは希少種です。(正反対で、汚いのもありますよ・・)

  2. 永久保存したい投稿ベストテンを、妄想したことがあります。
    第2位は大橋健司さん。昔の特製用紙。これ、没にしたらタタリます。
    なにしろ、大橋家之作物ですから・・・

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