詰棋書紹介(2) 詰むや詰まざるや

詰むや詰まざるや 将棋無双/将棋図巧 

伊藤宗看・看寿 門脇芳雄解説 平凡社 東洋文庫282 1975.12.19


歴代の名人が就位に際して将軍に詰将棋作品集を献上するという献上図式
生まれたときから名人を目指すのなら(もちろん基本は世襲制)詰将棋を創ることが運命づけられているというこの制度(慣例)は、詰将棋の芸術性を急速に高めていった。
そして、その頂点と誰もが認めるのが三代伊藤宗看の「将棋無双」と伊藤看寿の「将棋図巧」だ。

その2冊がまとめて手に入るのだから、なんと贅沢な本だろう。

この本と出会って、詰将棋の世界に引きつけられた人は数多い。(私もそうだという方はコメントください。)
かくいう筆者もその一人だ。

ローカルな話だが、東京都江東区の深川図書館は階段の途中の踊り場に東洋文庫の本棚があった。
そこでこの本を見つけたときの記憶は、多分いろいろ脚色されているのだろうが、今でも鮮やかだ。

また平凡社の東洋文庫という、長く版を重ねてくれる出版社から出してくれたこともありがたい。
解説はちと何でもかんでも誉めすぎのきらいはあるが、研究書といっても良いだけの充実した内容がある。

門脇さんは本当に素晴らしい本を私たちに残してくれたものだ。

さて1局選んで紹介したいのだが、目移りして困る。
詰将棋入門では図巧から4局、無双から1局紹介したので、無双から1局、超有名な作品を選ぼう。

三代伊藤宗看 「将棋無双」第30番 1734

初手から34飛成と進むと、1歩不足に陥る。
12歩の質駒を回収するのに22金が馬ノコのルートを塞いでしまっているのだ。
23金でもまだ邪魔なので、冒頭の
23金、25玉、24金、同玉
といういきなり攻方22金を原形消去するという不思議な手順が成立する。
左右の馬ノコを含め、左右で対称的な攻防を経て、詰上がりは配置が左右対称という美しい作品。


追記(2020.8.24)
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