詰棋書紹介(4) 流星雨

詰将棋作品集「流星雨」山田康平
将棋天国社 1994.3.10

詰将棋作品120局に、京大グループの筒井浩実、平田正、石黒誠一、菊田裕司、穂上武史らのエッセイが収録されている。
読んでいると楽しそうな様子が伝わってくる。

最近、文章を見かけないのでさみしい穂上さんのエッセイから一部引用する。

それにしても憎たらしいではないか。先輩たちは途上に倒れた。後輩たちは道を選んだ。それをぬけぬけとまあ、そして出てくる言葉は、例によって「コーヘイ君って、凄いよね」に収束するのだ。

これだけでは何のことかわからないか。
要は若島先生の英語の単位を山田康平だけは発表もしないで獲得したという話。
山田康平、凄い。

1971年生とあるから、大学出たばかりの頃に纏めた作品集。
当時、既に詰パラ入選100回超の同人作家だった。

作品も、からっと明るく、楽しめるものばかり。
文章もたっぷり書いてくれている。

山田康平 「流星雨」第26番 詰パラ1987.3

看寿賞受賞作を選ばないのは、易しいのが好きという筆者の好み。
だが、なにかひっかかった。
なんかデジャブを感じる。

まだ脳は生きていたようで、大昔(パソコン通信の時)に書いた詰棋書紹介で、やはりこの作品を選んでいたのだ。
この連載はトスバッティング3の焼き直しなのだが、紹介する作品までオンナジでは申し訳ない。
(倉庫に入れてあります)

もう1作並べよう。

山田康平 ダブル・クロス 「流星雨」第113番 詰パラ1989.3

さらに易しい作品を選んでしまった。
飛車を動かして、歩を叩いていれば解決する。
それでも解答者を納得させる論理の明快な積み重ね。
飛車打から始めなかったのは、最初と最後の3手を揃えるため。

最近は詰将棋解答選手権の7番担当(第2ステージのトップバッター)の印象が強い。
ありがたくて思わず拝みたくなるほどの存在だ。
わかってもらえると思うが、7番に山田康平作がなかったら、90分辛いだけの時間が流れるかもしれないから。
(もうちっとも「最近」ではないか。年寄りの話はこれだから困る)


つみき書店で販売しています。お薦めです。


追記


詰将棋解答選手権初級・一般戦 松本会場で入賞しても入手できます。


勝又先生もオススメ!

「詰棋書紹介(4) 流星雨」への1件のフィードバック

  1. 初めて会ったのは彼が高校生のときなんですが、何と言っても頭の回転の速さは衝撃的。人柄もとてもよくて大好きです。

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