酒井桂史 「天馬空行」 将棋月報1931.8
昭和初期のスター作家酒井桂史。
代表作と言われている作品を紹介しておこう。
56龍、同と、57金、同と、38銀、同玉、37と、同玉、46銀、28玉、18飛、同銀成、同角成、38玉、27銀、
ここまでが序盤。
この後、打った27銀が斜めに上っていく。
47玉、36銀、56玉、45銀右、65玉、54銀、74玉、63銀不成、83玉、72銀不成、
35角を馬にする。
92玉、84桂、93玉、85桂、84玉、62角成、
2枚馬の連携を作る。
74玉、63馬引、65玉、54馬上、
右下に追っていく。
56玉、57銀、同玉、58歩、56玉、45馬、47玉、36馬、38玉、27馬、
再び、もう1枚の馬を引き寄せて、
47玉、36馬引、
また左上に追っていく。
56玉、57歩、同玉、58金、56玉、45馬、65玉、54馬、74玉、63馬、
中央まで戻して
65玉、54馬上、56玉、45馬、65玉、54馬引、74玉、56馬、
今度は左下での折衝となる。
84玉、83銀成、95玉、96金、同玉、78馬、
ここから右上に追っていくとは驚いた。
86玉、87馬引、85玉、86香、74玉、56馬、63玉、45馬、62玉、72馬、53玉、54馬引、42玉、43馬、
右上で収束となる。
41玉、31歩成、同玉、22歩成、同金、21馬、
馬を1枚綺麗に消去。
41玉、42歩、同玉、43馬上、41玉、32馬引、同金、33桂、同金、42歩、31玉、21と まで103手詰
斜め銀追から始まり、2枚の馬で盤上狭しと玉を追いかける雄大な作品。
酒井桂史の作品に興味を持たれた方は次の資料にアクセスするとよいだろう。
また2枚馬による斜め追い趣向に興味を持たれた方は次の作品は必見である。
- 伊藤正 「引き潮」
- 田島秀男「渡り鳥」