詰将棋入門(26) 大道棋

大道棋とは詰将棋に淫した人が最後に辿り着く圏だ。

通常、詰将棋は似た作品があったら「類似作」と排除の方向に動く。
狙いの筋だけでなく、最後の収束まで綺麗に創られている作品を賛美する。
誤解者が多いと「それは作者の本意ではない」という雰囲気で解説される。

大道棋では、これらの綺麗ごとをすべて一掃する。

わざと似通った形を意識して作る。
狙いの部分が終われば、収束は余詰があろうと、駒が余ろうと気にしない。
誤解者の多さが勲章。(無解者は少ない方が良い)

縁日などで、三寸に盤駒を並べて客と対戦形式で詰将棋を出題したのが始まりというから納得できる進化方向だろう。

有名な例が次の2図。


配置は瓜二つ。しかし手順は手順は以下のようにまったく違う。

96歩

83桂不成、81玉、82歩、92玉、94香、93角、91桂成、同玉、93香不成、92角、81歩成、同玉、92香成、同玉、83角、93玉、82角、84玉、74角成、95玉、96馬、84玉、74馬、95玉、96歩、94玉、93角成、同玉、83馬 まで29手詰

97歩

63桂不成、81玉、84香、83銀、同香不成、92玉、82香成、93玉、83成香、94玉、95歩、同玉、96歩、94玉、95銀、85玉、86銀引、94玉、95歩 まで19手詰

この形は香歩問題とよばれている。
例のように
83桂不成~82歩~94香で角角合の筋
63桂不成~84香で銀合の筋
の他に
72歩~85香に桂金合の筋が有名だ。

本日紹介する作品は大道棋の傑作と評判の作品。

9筋で角角合のパターンに見えるが……。

岩木錦太郎 将棋月報1934.7

83桂不成、81玉、82歩、92玉、95香、93角、91桂成、同玉、
93香不成、92桂、81歩成、同玉、63角、91玉、92香成、同玉、
74角成、91玉、83桂、92玉、71桂成、91玉、81成桂、同玉、
72金、同玉、84桂、71玉、64馬、73飛、72桂成、同飛、
同香成、同玉、73飛、82玉、76飛成、93玉、95香、94桂、
73龍、83金、75馬、92玉、94香、同金、74馬、81玉、
83龍、82金、73桂、71玉、82龍、同玉、83金、71玉、
81桂成、同玉、63馬、91玉、73馬、81玉、82馬 まで63手詰

なんと角桂合!
収束乱れるが大道棋ゆえに不問。

大道棋に興味を持たれた方は次の文献やサイトにアクセスするとよいだろう。

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