詰棋書紹介(5) 将棋紫雲英図式

詰将棋を創るモチベーションというのは、人によってそれぞれ違うのは当然だ。
だから解いたときに受け取るメッセージも様々だ。

「どうだ難しいだろう!」という詰将棋はパスしたい。(解けないから)
「どうだ凄いだろう!」という詰将棋は嫌いではないが、解いたら「凄いなぁ」と思う。
小西逸生の詰将棋はどちらでもない。
解いた後に「いいなぁ。これ」と感じるのだ。

紹介する作品は5手詰。解説も一緒に紹介する。

小西逸生 将棋紫雲英図式 第2番 将棋マガジン1985.4

13飛でも24飛でもダメ、この辺が詰将棋の原点だと思うんですが、え?時代感覚が相当ズレてるって?やっぱりねエ……。

次は17手詰だが、解いてみたくなるはず。

小西逸生 将棋紫雲英図式 第83番 将棋世界1976.8

絶連組合の書記長…と言うような処だがこれでも月間最優秀作ですぞ、オッホン。え?よっぽど他に良いのがなかったんじゃろう?それをいっちゃいけないよ君イ……。

小西逸生の第1作品集は「紅玉」、第2作品集は「青玉」。
ルビー、サファイアときたのだから「紫雲英」も鉱物の名前かと思ったらゲンゲと読むらしい。
普通はレンゲ(蓮華)と書きそうだが、ロータスと間違えられては困るからだろう。
気持ちは伝わってくる。
後書きにちゃんと書いてあった。

……だが家族連れで楽しく登れる山があってもいいではないか、いや必ずあるべきだ。
一本々々は粗末でも何万本、何十万本と集まれば人の目を引き、牛の飼料になり、稲の肥料になるのが紫雲英である。

自作に対する謙遜する気持ちと確かな自信が伝わってくる。

私事になるが、筆者の作品集のタイトルも「一個の作品では愉しんでもらえないだろうがこれくらい集めれば少しは愉しんでもらえるかも知れない詰将棋作品集」(略して「いっこのつみき」)と決めている。

本当はここで小西逸生と並んで筆者が尊敬する短編作家吉田健による小西作品の解説を引用する予定だった。
ところが何故か見つからない!(昨夜これにしようと決めたばかりなのに!!)
というわけで、見つけたらこっそり更新しておくつもりなのである。多謝。


つみき書店で販売しています。
指将棋専門の方にもお薦めです。
詰将棋が好きで短編を志す方には必携です。

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