詰棋書紹介(6) 金波銀波集


金波銀波集 創棋会編 将棋天国社 1989.7.30

金波銀波集は創棋会の第4作品集である。

創棋会は関西を発祥の地とする詰将棋ファンのコミュニティーで、世界で最大の規模と歴史を誇っている。
まえがきを読むと第100回例会の記念事業としての出版というから素晴らしい。
44人の作家がそれぞれ自信作を持ち寄った176局のボリューミーな作品集になっている。

目次を見ていただこう。

藤澤桓夫桜木健古という文筆家に目が止まっただろうか。
それとも水上仁、柳原裕司、森敏宏という将棋関係の出版人の名前が気になっただろうか。
このページの新しい読者諸賢はおそらく

    浦野真彦
    森 信雄
    谷川浩司
    伊藤 果
    中田章道

という名前が肩書きもなく並んでいることを訝しんだのではないだろうか。
同姓同名の別人ではなく、紛れもなくご本人である。

出題ページにもプロ棋士だからといった特別扱いは一切ない。

多分、原稿料も払っていないと思う。
みな、私人として参加しているのだ。
仕事ではなく、趣味として。

さて、以前にも書いたがこのタイプの作品集は傑作が多すぎてどの作品を紹介したら良いのか悩みに悩む。
ある程度、この詰将棋という趣味に浸かってみればわかるが、目次に名前のあるメンバーは全員、知らなかったらモーグリだといわれても仕方ないお歴々なのだ。

短編と長編を1作ずつ紹介する。

中村雅哉 金波銀波集第44番 将棋ジャーナル1985.10

形も手順も完璧!

塩野入清一 金波銀波集第169番 詰棋めいと1号1984.6

まるで短編のような顔をして100手超!


つみき書店で販売しています。お薦めです。


追記(2020.4.25)


金波銀波集の編集担当は明石六郎さん。
明石さんが館長のあいも文化交流館に行ってお願いすれば、生原稿を見せてもらえるかも知れません。


追記(2020.4.26)


スマホ詰パラ好作選の選者もお薦めです。
持っていない方は是非お求めください(^^)
ちなみに『虎の穴』は詰将棋マニアでない人にお勧めの本ですが、マニアでも「創る派」には必見の詰棋書です。

「詰棋書紹介(6) 金波銀波集」への1件のフィードバック

  1. それより喜多さんが懐かしいなあ。とても気さくな方で、今も姿が浮かんできます。

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