詰棋書紹介(10) 曲詰百歌仙

「詰むや詰まざるや」の著者として再三出てきた門脇芳雄は曲詰作家が本業である。

リアルタイムで解いていないせいか、筆者などは「詰むや詰まざるや」の業績を偉大だと思うし、「三百人一局集」編集も詰将棋史に残る仕事だと思う。
実は七條作の解説者という印象が強かった。
もちろん看寿賞受賞作の「珠」は知ってはいたけれど。

ところがご本人はこう書いている。

その後の棋歴としては、古図式の研究・解説に首を突っ込んだり、チェスプロブレムの研究からフェアリーに熱中したりした。
それぞれ書きたいこともあるが、本筋でないので省略する。
古図式といい、フェアリーといい、本筋(曲詰)から見れば寄り道ばかりである。


※クリックすると拡大されます。

曲詰のみ100局。(四桂詰なども含めて)
自叙伝のタイトルも「曲詰一生」。
実に潔い。

SA=門脇芳雄でT-Baseを検索してみたが、180局ヒットしたなかで曲詰でない作品は2作しか見つけられなかった。

本当に曲詰が好きなんだと感動さえ覚える。

門脇芳雄 「巣ごもり」 曲詰百歌仙 第88番 詰パラ1952.1

「珠」と同時期に創作した作品で作者の愛着深い作品だという。

本題は「巣ごもり」型の第1号作品です。
(中略)
しかもこの作品以後たくさん同形の作品が発表され、私自身も同型の「珠」の方が有名になり、本題は霞んでしまったみたいですが、同型の作品を「巣ごもり」型と呼んで貰えるので、歴史的な意義で満足すべきかも知れません。

筆者は詰パラ1981.9の田中至作品でこの形を知ったので、その作品につけられていたタイトル「鶴の巣ごもり」をこの形の曲詰の名前だと思っていた。
看寿の「煙詰」が固有名詞から一般名詞になったように、この作品のタイトル「巣ごもり」もいまや一般名詞と言って良い。

曲詰創作を志す人には必読の作品集である。


つみき書店で購入できます。

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