詰棋書紹介(12) 想春譜


 中出慶一詰将棋作品集 「想春譜」 将棋天国社 1994.7.1

1桁手数の作品がほとんどで、その狙いも筆者は共感する物が多い。

いずれの作品にも、その質の良否は別として著者の青春時代の汗と努力の結晶が込められています。
苦しくとも懐かしい思い出があるものばかりです。
そのような意味も込めて、書名を『想春譜』としました。

その気持ち、とても、よくわかる。

筆者も自作集には客観的には駄作と呼ばれるレベルの作品をガシガシ詰め込む予定だ。あ、本作品集に駄作があると言ってるわけではないので誤解しないように。

    3手詰 3局
    5手詰 8局
    7手詰 13局
    9手詰 17局
    11手詰 19局
    13手詰 10局
    15手詰 10局
    17手詰以上 20局
    ばか詰 5局

5手詰1局と9手詰を1局紹介する。
著者はベスト10には選んでいない作品だが、筆者の好みだ。

中出慶一 想春譜 第8番 詰パラ1970.10

簡素で対称形の美しい初形。
3手目飛車を走りたいところを抑えて俗手の味。

中出慶一 想春譜 第41番 詰パラ1993.4

85とに対し、作意は76銀の消去。同玉の変化は67銀の消去。
この対比が面白い作品。

さて、中出氏の凄いところは、今も現役で作り続けているというところだ。

最近は超短編ではなく長編趣向作に主軸を置いているようだ。
筆者が大学院の担当を務めていたときも何作も投稿をいただいた。つい先日のオンライン創棋会でも作品を提出されていた。

尊敬する。

後書きにこう書いてある。

数の上では一流の仲間入りをしていますが、今後は質の向上も図りたいと思っています。
いつの日か第2の作品集が発行できるように、息永く創作を続けたいものです。

必ずや実現されることだろう。


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