詰棋書紹介(19) 夢の華


夢の華 山田修司 毎日コミュニケーションズ 1998.3.10

柏川悦夫の「詰将棋半世紀」を紹介した以上、次の一手は山田修司「夢の華」となるのは大方の予想通りだったはず。
昭和の詰将棋界は短中篇を柏川悦夫、中長篇は山田修司が席捲した。
おそらく二人で密約があったのはないだろうか。

「詰将棋半世紀」p160に昭和30年頃の北海道グループと題された写真が掲載されている。
写っているのは、柏川悦夫、形幅清、山田修司、黒坂隆身、大塚敏男、二瓶誠、伊藤明治。
物凄いメンバーだ。

以前、大山名人が自伝を「昭和将棋史」と題して岩波新書を書いた。
こんなことが許されるのは大山康晴だからだ。

自伝を「昭和詰将棋史」と名付けることが許されるのは山田修司だけだろう。
この「夢の華」は自作の詳細な解説のみならず、参考図も豊富で詰将棋の歴史を読み取ることも可能だ。

オンデマンド出版で入手できるのは幸運だと断言できる。
もし、今、持っていなかったらすぐに買うべきだ。

夢の華 山田修司詰将棋作品集 プレミアムブックス版

山田修司 「幻影」 夢の華 第99番 詰棋めいと1984.6

図巧#1もそうだが、守備駒の軌跡を描いた作品は心を揺さぶるものがある。
何故、飛合なのかは各自で解明してほしい。
「禁じられた遊び」は本作から派生した作品だそうだ。


追記(20200603)

「詰棋書紹介(19) 夢の華」への5件のフィードバック

  1. iOS/Android に「将棋クエストプラス」と言うアプリが有って毎朝7時に詰将棋が何題か出題されます。ほとんどが初級問題ですが、2日に1回くらいは「観賞詰将棋」として名作が出題されます。
    「観賞詰将棋」は体感では「無双」「図工」「夢の華」が約1/3ずつ、その他が少し、位の割合なので、結構「山田修司」作品を楽しめます。
    スマホ詰パラと違って間違えても1手戻るだけなので初心者にも優しいです。

    1. 情報ありがとうございます。
      早速試しにインストールしてみました。
      「将棋クエスト」ってついたて将棋の対戦もできるアプリでしたっけ。昔、三輪さんにボコボコにされたっけ。

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