詰将棋入門(34) 橘二叟「荒鷲」

橘二叟 「荒鷲」 朝日新聞1938.9.6

「荒鷲」というのは日本海軍の爆撃機。
爆撃の成功を祝して初形が「基地出発の姿」、終形が「帰還の姿」を表わすとのこと。

43銀成、同角、52飛右成、同角、64飛成、42玉、31銀、41玉、44龍、43角、

同桂と取らずに角の移動合をするところが本作品のサビ。


42銀成、同玉、53銀、41玉、43龍、同桂、63角、51玉、52銀成 まで19手詰

銀を打ち替えてから角を取って解決に至る。

所謂、戦争礼賛物。
今はまだ見ることができるが、へたな党が政権をとったら封印され、歴史から消去されてしまうことは間違いない。

といっても色々疑問点が多い。

  • こんなにボロボロになって帰還してきたの?
  • 最終手52角成だと形にならないのだが……
  • その前に52角、51玉、33角成で余詰?
  • 82桂、72歩は飾り駒?あ、82桂は63角を限定させたいのか?でもそれだったら52角はいいの?
  • 初手も43銀成でも63銀成でも同じことだよね。
  • 初手の非限定も52角も柿木将棋を持ち出すまでもない、ちょっと並べてみただけで気づく余詰だ。それなのに福田稔「名作詰将棋」でも門脇芳雄「続詰むや詰まざるや」でも言及していない。不思議だ。

    発表当時なら「何を!貴様は荒鷲にケチを付けるのか!」と言われることを恐れて誰も疑問に思っても口にしたいということは考えられるのだが……。

    いずれにしても、時事問題を詰将棋のネタにするのは好ましくないようだ。

    コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

    このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください