詰将棋雑談(7) 幻の(?)看寿賞受賞作品

柏川悦夫 駒と人生 第21番 将棋評論 1950.12


駒と人生#21の作品です。
11手目、この形なら誰もが24金左といくに決まっています。
人の心理の裏をつく柏川悦夫らしい作品です。(勿論誉めてます)

山田修司の解説がこれ。

将棋評論賞は作者への表彰らしいが、ちゃんと看寿(中篇)賞を得たと明記してあります。

ところが「看寿賞作品集」に本作は掲載されていないのです。

1950年は北村研一の「槍襖」だけです。

オイラは長いこと、不思議に思っていました。

その疑問がやっと解決しました。

昭和詰将棋 看壽賞並に優秀作品賞設定 紳棋会
 本会は本誌発刊の趣旨に鑑み茲に棋史始まって以来の画期的な試みとして本賞を設定し、優秀な作品の栄誉を永く高く讃えんとするものである。と同時に、これを機運として昭和詰将棋棋界が絢爛たる華を咲かせその結実として、われわれの手により詰将棋連盟実現の日が一日も早く来る事を冀うものである。
 先づその第一着手として、昨年度既発表作中より下記規定の如き優秀作を捕え来て、これを「優秀作品賞」を以て表彰し、而してこの中より看寿の名に値する作品一篇を厳選し、錦上花を添える意味を以てこれに「看寿賞」の名を冠し、その栄誉を末代までも永く讃えんとするものである。

つまり年間の「優秀作品賞」を分野別に決め、その中から1作「看寿賞」を決めるということのようです。

    看寿賞 賞状・賞金5000円
    長篇賞 賞状・本誌1年分・賞金3000円
    中篇賞 賞状・本誌1年分・賞金3000円
    短篇賞 賞状・本誌1年分・賞金3000円
    形詰賞 賞状・本誌1年分・賞金3000円
    大道棋賞 賞状・本誌1年分・賞金3000円

北村研一に贈られた8000円は長篇賞と看寿賞を合わせた額だったわけです。

選定結果は長篇賞・看寿賞が「槍襖」、中篇賞が上記の柏川悦夫作。
短編賞と大道棋賞は該当作なし。(次点があわせて4局選ばれて、賞金1000円)
形詰賞は下記の作品でした。

清水孝晏 近代将棋1950.11

結局、厳密に「看寿賞」なのは「槍襖」1作なのですが、現行の看寿賞に対応するように考えれば柏川作も看寿賞受賞といって差し支えないということですかね。

それにしても最初の看寿賞は商品が豪勢だったんですね。
オイラの時は半期賞とかわらない楯をもらっただけでした。
柏川さんのとこいったときには、その楯がゴロゴロしていたっけ。
(オイラはたった一つの楯も紛失してしまいました)

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