詰将棋入門(45) 双玉図式

双玉図式というのは正確ではない。
あっちは「玉」だが、普通こっちは「王」だからだ。
しかし王玉図式という言い方は聞いたことがない。(ん?なにか記憶の隅に引っかかるものがあるな……)
昔は複式詰将棋とよばれていたようだ。

古関三雄 詰パラ 1964.12



はじめの4手は舞台を整える序奏。

56香、43玉、33桂成、同玉、

オヤブン同志が向かい合った形。34王で詰みだが、同玉と先に取られてはいけないという指将棋のルールを援用して考える。

45玉、43玉、55玉、53玉、65玉、63玉、96馬、

八段目の駒が仕掛なのだろうから、まずは意味が分からなくてもこのように進めてみたいところだ。
同と、55玉、53玉、45玉、43玉、33香成、同玉、15角、

とすれば、もう一度来た道を戻ってこちらの角も捨ててみたくなるのが人情。
2枚の角を捨てた意味は88飛を活用することに違いない。

同と、38飛、43玉、55玉、53玉、33飛成、

これで33の地点を塞ぐことに成功した。
これでまた王さんを戻して35王とすれば、32玉となり、31と以下収束に入れるという目論見だ。

同歩、45玉、54桂、

43玉ならば
35玉、32玉、31と、同金、42香成、同金、同銀成、同玉、52銀成、32玉、44桂、31玉、42金、同飛、同成銀、同玉、32飛、43玉、52飛成まで47手詰
そこで32ではなく、54に逃げだそうと秘手54桂と捨合を放つ。
以下は豪腕に頼った収束なのでどんどん進めてしまう。

同香、43玉、35桂、32玉、31と、同玉、23桂不成、32玉、44桂、43玉、53香成、同玉、52桂成、同金、54歩、43玉、52銀不成、同玉、42金、同飛、同銀成、同玉、35玉、43桂、

43合駒に53歩成、同玉、63飛で終わりかと思いきや、逆王手でまだまだ延命する。

同香成、同玉、63飛、42玉、53飛成、41玉、43龍、42金、53桂、51玉、61香成、同金、同桂成、同玉、62金、同玉、42龍、52銀、53歩成、71玉、72金、同玉、52龍、83玉、82龍、94玉、85銀、95玉、96銀、同玉、97歩、95玉、93龍、85玉、86歩、75玉、95龍、66玉、65金、56玉、55金、66玉、65龍まで95手詰

本作、王知恵の輪とよぶには少し物足りない。
また現在の感覚だと、収束の捌きが長すぎる。
しかし、双玉図式黎明期に新しい発展の可能性を拓いた意欲作だったことは間違いない。

ただし筆者は双玉図式にはずっと違和感を感じている。それは詰将棋雑談の方で。

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