堤浩二 将棋世界 1949.2
21手詰だが、手が限られているので非常に易しい。実質5手詰である。
そんな長手数解いたことがないという方も是非盤に並べて追いかけっこを楽しんでいただきたい。
初手88銀は98玉ですっぽ抜けるから初手は角を打つ一手。
53角、98玉、99飛、
同玉は44角成を見ている。
87玉、97飛、76玉、77飛、85玉、75飛、
ここで86玉は73飛成、95玉、96歩、同玉、76龍で簡単。
96玉、76飛、87玉、86飛、98玉、96飛、89玉、99飛、
3手目の局面と比べると、98玉が89玉に変わっている。
したがって、もう逃げられない。
同玉、44角成、89玉、88馬 まで21手詰
要約すると、角を打って……成って詰み。
途中経過はすべて飛車の追いかけっこである。
難解性は皆無。
指将棋の実戦力向上の練習にもならないし、パズルとしての悩み所もない。
しかし、面白い!
この感覚は長編作家の感覚なのかもしれない。
50手も100手もかかる長編詰将棋は実戦の役にはおよそ立たないし、収束など詰めば良いという感覚だ。(個人の意見です)
そういえば、堤浩二は長編作家であった。
馬鋸作品や四桂詰を何作も発表している。
ところで、盤面を見ると87歩の意味がよく分からない。
4手目に消えるのだからそこまでに存在価値があるはずなのだが……なくても良さそうだ。
他人様の作品を勝手に改変するのはマナー違反だ。
今回は、並べたら誰もが疑問に感じると思われる事なので言及した次第。
もう1作。堤浩二の作品から入門講座向けの1作を紹介する。
堤浩二 旧パラ 1953.5
最短ですべての駒に意味を持たせたこの発想を買う。
病床での戯作とのことである。
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