ところで、そもそも手筋とはどういう意味なのだろうか。
世間の常識をまず知るために「日国」をまずひいてみると。
- 手のひらに現れた筋。
- 文字や絵画をかくことの耕地の素質。武芸・芸事などの天分。
- 派の門人として、師から相伝される技法または芸風。
- 手の運びの順序。
- 手段。手立て。方法。てがかり。
- 世話を頼む人。つて。てづる。
- むき。方向。関係する方面。支配する方面。
- 囲碁や将棋で、ある局面で必要にして有効な着手。また、ある形で好手と好手が連なるさし手。
- 取引市場で、売買する人の種類をいう語。手口。
日本将棋連盟はこう書いている。
手筋とは、駒の働きを最大限に引き出す局所的な使い方のことです。歩にはじまり玉にいたるまで、それぞれの駒に特有の使い方があるだけでなく、いくつかの駒を組み合わせた手筋を使うことで高い効果を得られることがあります。
単独または複数の駒の働きを有効に引き出す着手ということのようだ。
詰将棋の場合は日国の方が近いように感じる。
なにせ,詰将棋の攻方着手はすべて王手だから、あまりにも限られている。
詰将棋の玉方は王手に対する応手なので、王手駒を取るか、玉が逃げるか、間駒するかの3通りしかない。
結局は好手や好手の組み合わせということでよさそうだ。
詰将棋の手筋は、攻方の好手を中心に開発されてきたが、近年は玉方の好手を開発するのがトレンドである。
うん。違和感ないから大丈夫そうだ。
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「好手」のような価値に関する言葉というより、意味、あるいはパターンに関する言葉と考えた方が僕にはしっくり来ます。
ある手のつらなり(1手の場合もある)を手筋と見なすのは、それがひとまとまりの意味やパターンを持ったものとして認識されているからだと思います。金頭桂とか香先香歩とかの名前もその意味やパターンを表しているのだと思います。
それが有効な、あるいは効果的な手のつらなりということでは「好手」と言えるかもしれませんが、僕にとっては「好手」というのはもっと感覚的で、最初は好手に見えても、見慣れてくると好手と感じられなくなります。金頭桂を好手と言われても僕にはピンと来ない感じです。
意味あるいはパターンですか。
最近「テーマ」や、ある手を実現するための「原理」の意味が混入してきているのかなと感じて書いたエントリーです。
>金頭桂を好手と言われても僕にはピンと来ない感じです。
それはたしかに。
価値観を含んだ「好」をはずして
手や手の組み合わせ
でよいのか。