詰棋書紹介(53) 三桂の詩


三桂の詩 岩井則幸遺作集 塩沢雅夫編 詰パラ1980.9.25

マジックで手書きされたような表紙に驚く。
岩井則幸の遺作集。
それを編んだのが当時は新人の塩沢雅夫氏なのだ。
赤い地色に太い白文字。
このような斬新なデザインができるのは絵本作家か詩人であろう。

本書は岩井則幸の遺作集として全発表作および未発表作を網羅したものであると同時に、塩沢氏の詰将棋への情熱が散りばめられた面白い本になっている。

それにしても岩井則幸。44歳で亡くなるとは。
若い。
筆者の如くただ馬齢を重ねるのもどうかと思うが、それにしても若い。

生き物はいつ死ぬか分からないのだ。本当に。
やりたいことを、早くやらなければいけないよなぁ。

作品は玄人筋の難解作が多い。

形良く、しかし絶妙に思考外の手や、駒取りの俗手が織り交ぜられていて、悩まされる。
そして間駒。さらに不成や中合の妙手も飛び出してくる。

当時、全然解けなかったが、今挑戦しても似たようなものだろう。

「私が愛した詰将棋の本」では慥か間駒連発の作品を紹介したので、今回は比較的易しい作品を2作紹介する。

岩井銀吉 『三桂の詩』第86番 将棋世界 1962.6

岩井銀吉 『三桂の詩』第62番 近代将棋 1960.7

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