1三角


角が成れるところに打つ13角。
なんとも平凡な着手であるが,そこに玉方の駒の効きがあれば「限定打による捨駒」になる。

1-1
未発表


未発表も何も、この第1話のために作ったばかりの例題。順番として3手詰が欲しいかなと思ったのである。
角を近づけて打つと68歩合で困る。同角成と取るためには打つ場所は13しかないのだ。
そこは玉方の飛車が守っているようだが、この飛車、78の地点も守っているので、同飛と取ればそちらがお留守になって詰み。

1-2
詰将棋パラダイス 1980-8

1-1と同じ状況の13角であるが,今度は取らずに進行する。
続いて置きゴマの龍も捨てる。
もっと手を伸ばすことも可能のようだが,駒数が増えそうだ。

鉄木真

☆この人、作図の腕が随分向上したと思います。本作を見ても、配置に全く無理が感じられません。狙いをスマートな形で表現する—大切なことですね。
角行悪—うまい龍捨てです。
横井川正美—よくある筋
浜崎正和—全体的にまとまっている
奥野昌秀—初手の限定だけ
水谷一—無駄のない配置の好作。幼としては手応えがあった。
☆厚化粧をしなくても立派に水準を越せるのです。

1-3
近代将棋 1980-10

今度は同飛と取らせた上で,さらに龍も捨てる形にしたわけである。

近将の解説が吉田健氏だったので,解説してもらいたくて投稿した。やり句みたいな作品なのに,作者の意図をきちんと解説してくれていて嬉しかった。 作者の意図とは,「近い手と遠い手」。
すなわち,13角だけでは陳腐だが,その直前にぴったりくっつけて打つ角をそえることで,そこはかとない味をかもし出そうというわけだ。
最後に龍を捨てるのは「お約束」というヤツ。

吉田健

 要は角の使い方。二枚の角を、短く軽く使う初手と、長く重く使う3手目とがいい対照を見せている。この3手目を6六角では、4七玉・4八金・5六玉…と歯がゆいことになる。6六へ成るぞ、と威嚇している9三角なのである。
 用心棒の6三飛にわき見をさせておいて、ズドンと狙いの6六竜。新味はないけれど、仕立てのきれいな7手詰である。
「中段玉としてサッパリした配置と思う。代わりに変化、紛れが刈りとられたわけだけど。短い手と長い手、そして捌く手が軽く調和しているかどうかが問題」

1-4
詰将棋パラダイス 1981-2

1-1と同じ3手詰に「事前準備」を施した作品。
初手と3手目は13角を成立させるための捨駒である。
こういう手作りは常套手段なので,作品としては「初手,桂」ではない,という点だけが救い。

塩沢邪風

佐伯治雄—捨て所はすぐ判り、その順を考える。B
☆正にその通りで、手そのものよりもその順列を考えさせられる作品だ。
加藤博一—初手の27桂がちらついて大変でした。A
川崎幸太郎—初手の金捨ては意外!?もちろんA
☆この初手金捨てが一寸した香辛料になった様で、以下も打ち捨てとはいえ気分は良い。「眼の覚めるような手順=山下洋一郎」とか「46金から始まる連続捨駒はシビレを見せる=松島節」という感激評も多かった。けれど一方では—-
亀井陽東—勢力に差がありすぎて味に乏しい。B
相沢邪陽—はまり過ぎB
大髭康宏—詰め上がりが予想できる。B
☆という不満を訴える人も又ちゃあんといらっしゃる訳で「玉がバック出来ない状態なので楽詰=松坂有三」とか「捨駒の連続とはいえ絶連では=井上紀男」などとなると”旅の企画者”たる作家も仲々辛いところだろう。

「旅の企画者」というのは、私が表紙の言葉かなんかに書いたんだったっけカナ?

★所で、今月の<全部言わせて!>の福田隆哉氏は—
福田—いわゆる筋物ですが、メリハリがしっかりしている感じがする。手順前後が成立しそうでしない(当然ですが…)B

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

This blog is kept spam free by WP-SpamFree.