1二角


13角が平凡な着手であるなら12角はどうか。
角が成る必要があるだけなら,23角でたりる。
12でなくてはならない理由が必要である。
これは,詰将棋になりそうだ。

2-1
詰将棋パラダイス 1980-2 改

本作は7手詰で実現可能と考えられる理由付けを3つ考えたうちの第1作であった。

……しかし,本図を当時いろいろと指導してくださっていた妻木貴雄氏(高校の先輩である)に電話で図面送稿をしていたときのことだ。
途中まで駒の配置を伝えたところで,先輩はこう言った。
「残りの配置は○○で,作意手順は△△だろう」
「……図星!」

先日亡くなられた北原義治氏に似たような話が残っている。
なにかの会場で大きな詰将棋の図面を貼りだそうとしたら,北原氏が半分くらいの図を見て残りの配置と作意手順を見破ったという話だ。
妻木貴雄氏の話も嘘偽りない実話だから,北原氏の話も伝説ではなく実話であろうと察することができる。
(この作品があまりにも見え透いていただけかも……)

山の畑

小林康生 角遠打から大駒捨ては豪快。
宮浦 忍 少ない駒数でよくまとめてある。
須田信雄 さわやかだが既成手筋の組み合わせの域を出ない。
岡本正貴 少々見え透いた筋
☆”詰みますか”向に投稿されていた作ですが、この手順ならとういうことで採用させていただきました。担当好みの小駒数作品です。
☆変長に触れた評が幾つかありましたが、ロの如く割り切れています。超短編に変長は甘え過ぎ、というのが私の持論ですので…。
作者 変同だらけだし、手順もサッパリしすぎか。

発表原図
発表原図

2-2
詰将棋パラダイス 1981-6 改

さて,2作目。しかし,本作の意味付けも単純明快。23角ではとられてしまう。
まぁ,単純。でも12角には違いない。

改作としたが,実際は「原図」。
54桂の紛れをなくす54馬の配置が気に入らず,改良図を投稿したが,検討が不十分で「余詰」となったわけである。

伊藤正・岡本正貴

護堂 ちょっといい素材なのに…B
△ねらいは12角~23香打あたりにありそう。ここ12角を同竜とした人が多くでたのですが後述の早詰の関係で救われました。
▲桂の二段ハネも面白いですね。
余詰 5手目より65角成、同竜、54桂迄。
双方解 市村道生、大野雄一、護堂浩之、小林左知夫、009、長束宏文、藤田雅志、宮本雄

発表原図
20070731234328.gif
こんな簡単な余詰に気付かないなんて!

2-3
詰将棋パラダイス 1983-7

さて,3作目であるが,これまた単純な意味付けである。
23角では飛車の効きを遮ってしまうのでうまくないというわけだ。
少し,言い訳をさせてもらえば,これらは「7手詰で実現可能」という前提で考えた意味付けなので,どうしても単純になってしまうのは仕方ない(と思う)。
もっとおもしろい意味付けの7手詰を考えたら,是非掲示板に貼っていただくか,もっと上出来だったら直接パラに投稿していただきたい。

それじゃぁ,7手という枠を取っ払ったら,どんな魅力的な「12角」が表現できるか。。。。
もはや心もとないが,もし新作ができたら(4)としてこの項の続きを書こう。

ところで「7手」にこだわった割には,本作は11手。
2手目中合の変化を割り切れなかったのか?
それとも配置とのバランスを考えて手を伸ばしたのか。
……忘れてしまった(^^;

覚えているのは,「18桂,29歩」を「17銀」にしたかったのだが,16銀と龍を取られて,どうしようもなかったということ。
どうにも残念である。

清水一男

☆中段好みの作者、大模様ではあるが、よく練り上げた好作である。初形を見て、まさか、43とに32桂が消えて42飛迄の収束とは誰が気づこうや。
16龍を移動させて、22の飛を引く手が映るのが普通の考え方。そう思い込んでしまうと、小池アマ名人と戦った猛者でさえ……。
奥州光治 苦節1週間。飛を横に使うとは
……ということになる。
柳原祐司 序の2手が生命。
☆初手にと金を引くのも意外だが、次の12角のタイミングに味がある。「44と」を省いて初手から12角なら、23歩合、同角成、46玉、13馬、24歩合で不詰。先に「44と」として12角なら、今度は中合が効かない。
作者 玉と2枚の飛車の配置を決めて12角の手を成立させるには…と3手目から作りはじめた。
☆逆算式と違って、こういう作り方は好作を生む手法かもしれない。
竹本文夫 これだけきれいにさばけると、詰将棋を解く冥利に尽きます。
☆前半の2手に、後半、もう一回桂を跳ねさせ、角まで捨てる気前の良さで首位を確保。しかし弱点もある。変同のことである。8手目56同桂のところ、37玉とすれば28飛成、36玉、45角成迄11手。この順を作者は気づかって、長く投稿を見合わせていたとのこと。
☆変同について、あるときはよし、あるときは不可というのは、判断基準があいまいで好ましくないが、本作の場合、ほとんど抵抗なく可とすることができた。(作意との区別が明確)。この辺の採否は、担当者に任せていただきたい。
山下俊治 玉方桂の二段跳びが面白い。詰め上がりも意外。
福井敏幸 いきなり角打だと中合で不詰とはうまいものだ。流れがあって良い感じ。
徳武幸治 変化がめんどくさいのでスッキリしない。
蒲池 聖 形は重いが、手順は一級品。

そういえば清水さん、もう一度どこかでこの作品を取り上げていてくれたっけ。見つかったら記録しておこう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

This blog is kept spam free by WP-SpamFree.