龍捨角覗


3-1
将棋ジャーナル 1985-3


手数順に並べたら、一番新しい作品が先頭になった。
龍を捨てる目的は敵の守備龍の移動。この龍をさらに序盤で動かすことで手順の統一感を図った。
詰め上がりも駒数は多いがすべての駒が詰に参加している。

柳田明

作者「初級向詰将棋にどうでしょうか?」
とんでもない。こういう中段玉の短手数作の投稿がほとんどない。ノータイムで採らせていただいた。(投稿してくださいよ、吉田さん)
6六龍に狙いをつけて5七角。対する移動合は飛車を渡さずに6六に利かせる唯一の受け。おそらく詰め上がりからの逆算だろうから、作者は頭の2手をぜひとも加えたかったに違いない。使用駒数も少なく作図技術の確かさがわかる。
最後は角で刺すような詰上がり。数多く見ているが、この緊張感が私は大好きである。
野中隆夫「5七角、4六龍の感触がいい」
舟知聡「角筋を通してからの龍捨てが妙」
佐野公男「キョンキョンまたもやクリーンヒット」

3-2
未発表


角の覗きをさらに同龍と取らせて見た。
この作例も数多く存在する。
本作は非効率な配置も多く,投稿できる水準にまでは達しなかった。

3-3
未発表


銀・桂の打ち替えがテーマだが,あまりにも弱い手順だった。
さらに,余詰消しのために12歩というミットモナイ駒が出現して,
「没」とあいなった。

3-4
詰将棋パラダイス 1982-11改


金と桂馬の打ち替えだが,その金を手順の中で打つことで,詰将棋らしさがちょっとだけ増した。
17角が不動なのは気になるところで,よく採用してもらえたものだと思う。
担当は飯尾さんでしたでしょうか?温情に感謝します。(敬語になる)

飯尾晃

作者 金と桂の打ちかえ狙いで55.9高校の姉妹作。
中出慶一 計算がよく行き届いた手筋物。還元玉でびしっと決まった詰上がりが一層作品をひきしめている。
竹内敏己 43飛成はその準備工作が長いためによけい発見しにくくなっている。特に金と桂の打ち換えが見事。
☆一度打った金だけにこの打ち換えは手触りがいいでしょう。最後はその金があった所に角を引いてチョン。
成田悟 9手目の金の滑り込みは感触十分。が、左辺の不動が気になる。
秋山太郎 左翼の銀が痛い。
☆そして何よりも
露天舞夜 品行方正、育ち良し、といった作か。
☆なのです。ヒトケタ物にアイロンをかけたような感じで、インパクトが欠けているように思えます。
小山邦明 難しくはないがあざやかという感じ。
岡村秀男 銀不成と曲詰の夢は崩されたが、なかなか面白い手順と詰上がり。
堀口国雄 段々よくなる法華の太鼓。ラストは最高潮に盛り上がる。
小川千佳夫 ○○氏にしてはメリハリが欠けるけれど。
☆本作そして前回作に対する解答者の評価を見ると、氏にかけられている期待は相当なものだと感じます?

発表原図
20070802233138.gif

3-5
詰将棋パラダイス 1980-9改


当時は「平凡な手順でも2回繰り返せば作品になる」という考えを持っていた。
そのラインで作品が完成したのは稀なのだが。
本作は「銀を桂馬に打ちかえる」×2を企画したものである。

しかし,果たして冒頭5手は打ちかえと言えるのか。。。。。。
端の桂香は余詰を防ぐためだけの配置。
だからこれは残念ながら「実戦型」ではない。

山田聡

◇他の4作が強烈な個性を持っているのに対し、本作には明確な狙いはありません。逆算式の手筋作特有の現象といえますが、得点結果を見ると矢張それが裏目とでたようです。
◇収束が氏好みの手段で、試作を何作も作られているようですが、本作がその決定版とも言うべき逆算の成功例かというと一寸疑問が残ります。序の手順は細かいアヤも含み銀桂の打換なども入って悪くないのですが、解答者にアピールする迫力に欠けるのです。
◇最初の4手については
作者 序は「銀を捨てて桂を打つ」にこだわったつもり。「絶対手なら省略すべき」との学説は信用していません。
とのことですが、二手目の非限定は短編の緊張感に欠け、やや解後感を落としたと言えましょう。ただ、実戦型にサラリとまとめる所あたりにこの作者のセンスの良さが現れているので、次作では名誉挽回してくれることと思います。
亀井陽東 打ちたい37桂をジッとがまんしての16銀が好手。龍捨ての収束は鮮やか。
藤田雅志 これといった手も見当たらず、駒を動かしていると自然に詰む。

発表原図は16歩を欠いた図。

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