水滸伝

作品は発表したときが勝負。しかし、所詮神ならぬ身のなすこと、というよりも私の不徳ゆえ推敲不足の作品がぼろぼろでてくるのは致し方なし。
この作品集でも「改」とあるのが数多くあるのは既にご存知のところであろう。
ここではもともと自作であったが、練達の士の手により見違えるように改良された作品を展示する。

11-1
近代将棋 1983-9改


原図は入玉型の7手詰だった。その原図はもう失くしてしまった。それがどういう経過で秋元竜司さんの目に留まったのか,もう忘れてしまった。
この図は,私の悪形7手詰を秋元さんが推敲してくれた図である。

その図を自分の名前で投稿した私もそうとう図々しいが,近将ではこれまた憧れの吉田健さんに解説していただいた。
「簡素な形からワザを見せたのが心憎い」と褒められた。
実質,秋元さんの作図なのだから褒められて当然である。

今回,ここに載せようと柿木先生にお伺いを立てたら余詰を指摘された。
私が取り急ぎ修正したので,駒数が1枚増えてしまった。

その図を旧「玉手箱」に展示していたら、今度は小林敏樹さんが改良案を教えてくれた。

吉田 健

 3三角成は余りにもヤボな手立てと見てまず誰も読まない。それよりは2四角成が筋として先に映るが、上部に歯止めのない玉なので、ゆらゆらと遁走曲をきめ込まれそうである。そこで、手駒に香が二枚、一工夫しておこうということになって、3七香—。
 3五合なら、2五金、4五玉、3五金、4六玉、6四角成まで。3六銀打合なら、3三角成、3五玉、2五金、4六玉、5五馬まで。と、こう読んで来て、ああ、そうか、と妙技3六銀生を発見するのが順序だろうが、どうやら、私にはいち早く閃くものがあった。一ケタ手数物の手として、まさにこうありたいという移動中合なのである。やってるな、と思った。しかも銀ナマで。
「狙いは2手目の移動中合。意味付けは変化でわかるように退路あけです」
 離れ技のあとは得てしてダレるものだが、収束もムリなくまとまった。
 簡単な形からワザを見せたのが心憎い。

……関係ないが当時の近将の解説は現在の倍も字数があったのだなと思いました。

11-2
詰将棋パラダイス 1983-5改


原図は「詰将棋の詩」をひっくりかえせば見つかると思うが,かなりの悪形。
それを当時,「詰将棋の詩」の編集長をしていた山本昭一さんに推敲してもらった。
52銀の配置は安易だからなんとかするように,と宿題を出されたが,安易にそのままパラの表紙に投稿した。

だから苦心したのは「表紙の言葉」であったが,短評の神様(もしくは鬼)である秋元節三さんに感心してもらった。岡部雄二さんには「印象悪し」と言われた。

鶴田諸兄

作者—中段玉だが比較的スッキリした構図だと思います。手順は例によって易しすぎますが、解後感は悪くないと思うのですが…。紛れは残念乍ら特になし。
◇解答 百十一 全員正解
◇総得点 九四二六点
◇平均点 八四・九二点
☆玉方の防備は52銀一枚、殆ど無防備に等しい。これを二枚飛、二枚香などで攻めている形。しかしこの玉は35玉と出したらつかまらない形であることは一見して分る。そこで初手17角は当然と言える。
そこで合をするのだが単に35合は45歩、54玉、56飛と廻られて詰んで了う。そこで16飛の横利きを止める26の中合は当然。これは歩が最善。同角よりなく35角合も57飛廻りに対する備えで当然。これで一応”歩詰め”の形になるが、この打開は容易で、二枚飛と角の大駒三枚を捨ててキレイに詰み上る。50点1、60点3、65点1、百点は15でした。
秋元節三—連続合に対して連続飛捨てで応じる巧妙な手順を中央で実現したのが素晴らしい。それにしてもユーモアをまじえて的確に作品を評している表紙の言葉に感心する。もはや言うべき言葉なし、百点。
稲葉俊一—表紙が解けたのははじめて。いま感動に打ち震えています。手順は易しい方と思いますが、スムーズな流れを味わいました。盤上の駒がよく捌けるのには好感が持てる。百点。
入沢淑人—こういうチャンバラは大いに楽しめて表紙向きですね。97。
今岡一就—表紙の言葉がおおきにヒントになった。解後感の良い作、70。
エルビス—3月号浦野氏作が平均90点、キビシイですね。ケチのつけられない内容です。88
岡部雄二—余分なことがゴチャゴチャ書いてあって印象悪し(一面、個性の表れ?)しかし大駒三連捨てが計算づくで作ってあるのは流石。80
小沢正夫—何故か霊感の乏しい図、80。

11-3
将棋ジャーナル 1985-1

原図は角と馬のどちらを先に使うかの限定がダサかった。
それを小林敏樹さんが推敲してくれたのが本図である。
将棋ジャーナルに投稿し,柳田明大兄に解説していただいた。

柳田 明

 つくりもの、こんな言葉がピッタリくる作戦。並べてみれば意味は極めて明快だろう。歩を打つぞ、打たせぬぞ、そんな19手のストーリーである。表面的に見れば不成不成の飛車の振子運動が面白かろう。しかしなにより解き終えた後ニヤリと笑ってもらえれば作者は満足なのだ。易しくて一本道だろうが、16手目が成、不成非限定だろうが些細な事なのだ。
 角が先か、馬が先か、小さな所でつまづいた人がけっこういた。先に角なら7六歩合は利かないが、馬が消えてから4九角は歩合でアウトである。こんな所で作者が手順前後を許すはずもないのに…。
田辺正彦—将棋パズルという感じ
利波偉—好作。うまくひとつのテーマが全体を貫いている
佐藤達也—単純だが面白い。誰でも考える素材からの発展だから好感が持てる

11-4
詰将棋パラダイス 2005-2

これは2000年4月に「新作コーナー」という今は閉鎖したコンテンツで出題した作品。
月1の「新作コーナー」は辛かったけど,楽しかったなぁ。始めた当初から気息奄々だったが、なんとか月1の新作を頑張っていた。
解答と一緒に様々なアドバイスも集まって,まるで「風みどりの創作支援コーナー」の様相を呈したものだった。今は公開していないけれど、ログは大事に保管している。本図は神無七郎さんから,推敲図をいただいたもの。
ネット上で解答も出しているので、流石に新作として投稿するわけにはいかない。2005-2に詰パラの「リレー随筆」のページで発表させてもらった。何通か解答も送られてきた。さすが粋な詰パラ読者だ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

This blog is kept spam free by WP-SpamFree.