七手詰

7手詰と言うカテゴリーは当初予定していなかったが, やはり作ってしまった。
実際,一時は7手詰だけで作品集を作ろうと目指していた時期もあったし,50番でまとめたこともある。序文を田宮克哉先生にいただいたのだが,余詰が見つかって修正したり,やはり9手詰にしたほうが良かろうと作品を素直に伸ばすことになると思われる作品があったりとか,その作品集は結局印刷されずに終わった。
田宮先生ごめんなさい。

13-1
詰将棋パラダイス 1982-08

発表原図は玉方6二歩がある。
これは変同を駒余りにすると同時に余詰防ぎの配置だった。創作時には詰上がり5五玉になるように、全体の配置が一路左だったのだ。6二歩(実際には7二歩)がないと初手から5五銀ぐらいで簡単に余詰だ。
ところが実は余詰の方は平行移動すれば駒を置かなくても解消できる。4四玉の形にしたのがそれだ。なのにどういうわけか投稿する際には6二歩を消さなかった。もう記憶がないのだが、おそらくうっかりしたわけではなく、当時は変同を嫌っていたのだと思う。(1歩の配置より!?)
そこをパラの解答者に厳しく叩かれた。そして深く反省した。(たぶん)

塩沢邪風

☆二年も前の投稿作。こんな旧作を今更…という声もあるだろうが、如何せん、その声を上回る在庫難。風氏には申し訳ないが出題させてもらった。その結果。
進士裕志—へんな小細工がなくて、狙いが一貫しているのがすてき。A
山辺澄—角・銀と捨てて玉方の銀を寄せてからの4五歩!トボけた、しかし確かな手応えがある。A
☆等の好評も割りに多く、第三位とまずまず。「センスの良さ=聖とんま」はやはり感じられる。中でも「45歩の味は今年の夏のようにさわやか=小沢正夫」で「持駒を使い果たしたが、まだ戦力があった=千葉肇」という面白さがある。
☆が、とは言うもののやはり「小さくまとまりすぎ、紛れが少ない=藪野正明」「趣向の底が浅い=国分哲郎」という声も生じており、中でも「62歩、63歩といったところが安易な配置といった感じ=蒲池聖」を与え、批判を呼んだ。62歩は余詰防ぎだが、それが余りにモロであり「神経質な配置=亀井陽東」という印象を与えたのはやはりまずかったようだ。
松本一子—よしあしはどうあれ、62歩が引っ掛かる。B
NSP—マンネリの極致。C
柳原裕二—何故か5手目は「緩手」と感じてしまう。全体的にはうまい構成です。A

13-2
詰将棋パラダイス 1982-03


序に守備駒の効きを弱め,ついでにちょっと変化を付けておいて,次に銀生。メインディッシュは金の焦点への打ち捨て,仕上げは角による串刺し……こう書くと,まるっきり吉田流の模倣そのものである作品であることが明確になる。
吉田健さんの「小夜曲」は詰将棋創作の具体的手引書だった。
吉田さんの第一作品集は「嬉遊曲」だが,私には第2作品集の「小夜曲」の方が肩の力が抜けている感じが好きだった。
一時,小西逸夫さんの「青玉」(これも「紅玉」より「青玉」が好み)に浮気をしたこともあったが,それも吉田流の影響下から抜け出したいという足掻きであったようである。

塩沢邪風

作者—不動玉打捨物では最後の作図。某氏から出来の悪いY流との評をもらった。7手詰創作サボタージュして曲詰なんか創ってるY氏と比べるなんてヒドイ。でももう二度と銀生は作らないことにしました。
☆「Y流」の評をさほど気にする必要は、ないと思います。世の中には独占禁止法というものがあって、銀生の使用も自由経済の立場から認められております。
☆さて本作、(14)と接戦の末第二位でC評わずか三名。好感の持てる作品だ。
千葉肇—風氏はコンビネーションの名手と思う。色々ちらつく手が皆、実現する。A
大西宏明—初手にいやらしい手をいれ、最後は鋭い捨駒。手の配合を心得た感じ。A
阿部健治—あらゆる面できっちりと出来ている。完全に7手詰の作図テクニックをものにされた感じ。その点で他作を一歩リード。A
☆他にも「手順前後に悩みました=稲葉俊一」「香が一つずつ動くのが面白く、間に入る桂捨てもうまいタイミング=竹内敏己」「解けた後では理解できない不思議な難解さがあった=佐藤善起」等々好評が多い。中には、
ブンドル—風氏の7手詰は色っぽい。B
☆と、妙な色目を使う男性もいる程。結局「メリハリの利いた手順=入沢淑人」が爽快感を生み好結果となったようだ。ただ、
原田清実—もっともっといい作はできるはずだけど…A
解答ルパン—旨いのだが、最近こじんまりとしてきたみたい。B
信太弘—感覚が良すぎると特定分野においては早々と秀作を掘り尽くしてしまうようである。他分野にも手をつける時期と言えよう。B
☆等、作家への注文が多くなってきた。もっとも「風氏も連続出場で疲れが出たか?=須川卓二」というのは考えすぎだろう。

13-3
未発表


こういうさっぱり系の7手詰も50局もまとめて発表すれば,何人かの共感を集めることが出来るだろうか?
軽い作意なのだから,もっと軽い配置にこじんまりと纏めたかったが,検討用の紛れがそれを許してくれなかった。

13-4
未発表


これはわりと最近の作品。
このような「消費される詰将棋」も必要だなと最近思うようになってきた。
なぜなら,私自身が欲しいから。
でも,それも実際に作ろうとするとままならなかったりする。

13-5
未発表


古い作品だが,発表しなかった。
なぜだろう?

  1. 3手収束が許せなかった。
  2. 11角から始める筋を追求していて,そちらが実現するまでの仮の図だから。
  3. 実は投稿したが返送されてきた。
  4. さすがにこの程度では投稿は見合すぐらいの節度は持っていた。

。。。思い出せない。

13-6
詰将棋パラダイス 1981-12改


龍・馬の捌き捨てをさっくりと表現。
不動玉打捨物を作った反動で作図したと思われる。

発表原図

 

鶴田諸兄

作者—狙いは龍馬の捌き捨てを簡潔に表現するという所にある。初手は絶対だが手の流れとしてムダではないと判断した。
☆一風変わった形であり、手順も風氏らしい味はあるものの、いつもの冴えがなく得点も低位にとどまった。次回に期待しましょう。
悪女—ミスター7手詰らしからぬ作。 B
009—開く場所に意外性がないと高点は得られない。B
竹中健一—7手の価値はある。B

13-7
詰将棋パラダイス 1981-01


作意と変化で龍の串刺しによる詰め上がりが狙い。
ヨーヨーがぴたっと手のひらに吸い付いてくる感じ。

塩沢邪風

風—あれ?おまえ、なんでこんな所にいるの?B
☆初心コーナーへの投稿だったが、手順に清涼なセオリーがあり、採用した。
南庭詰花—絶望的簡素形。A
福田隆哉—よく見かける手順ですが私は大好きです。3手目の金捨てなどやっぱりヨダレがでてしまう。
佐伯治雄—毎日お節料理ばかり食べてはいられない。おしんこの味。B
☆実際、好形で爽やかで悪くはないのだ。けれど、厳しい人は厳しいのでして…
橋本樹—伸び盛りの若人が作るべき作ではない。C
☆おお!!青年は荒野を目指す!橋本さんの作を待つ。

13-8
詰将棋パラダイス 1981-11改


本作も狙いは作意手順ではなく,変化にある。
初手に対する上下対称の変化順がやってみたかったこと。
作意はとりあえず,龍を消化しただけである。

塩沢邪風

藤田雅志—最近、風君の短編を見るのが楽しみになってきた。A
成田悟—毎月氏の作品は楽しみにしているが今月は期待はずれ。B
★今や時代の寵児たる感深き風氏だが、本作の評判は好悪岐れた。
松島節—盤面配置駒は難点があれど、内容は言うことなしの好作だ。A
千葉肇—37馬の紛れに引っかかり苦戦。毎回風作は素晴らしい。彼こそは80年代のスターでは?中学生にもてるのも当然。A
(★年上の女性にももてるという噂です)
らんぽう—大駒四枚、余詰なし。変化に味あり。B
☆しかし他方—
柳原裕司—近来まれに見る風氏の普通作。A
鮎川三平—46龍。ちょっとわざとらしい感じがする。B
五味隆—予定調和的(?)な大駒捨て。B
西田弘—配置の割りに手順はつまらない。逆にいえばこの手順ならば、こんな大仕掛けにする必要もないといえる。C
風みどり—9段目の守備駒は38と一枚ですむみたい。C
☆もともと初心コーナー向け投稿だった作だけに、どこか粗雑でややひ弱なところがあるようだ。「鮮やかな捨駒=今泉博史」だが「いかにも大味=須田信雄」である事は否めず、結局「この人にはもっといい作を希望=原田清実」という事になる。
サーニン—珍しく大駒四枚を駆使した意欲編。しかし姉さん女房をもらって、これからは果たしてこのような好作を生み出すだけの精力が残るかどうか…?A
★彼なら大丈夫でしょう。

13-9
詰将棋パラダイス 1979-01


金の打ち捨ては尻金が当然最も非効率だから詰将棋的。
では腹金で詰将棋は作れるだろうか?
序盤は舞台作りの定跡的な手順だが,のんびりしすぎかもしれない。
(と書きつつ,ま,こんなもんだろうと思っているのが3流作家から抜け出せない原因なんでしょうねぇ)

鶴田諸兄

☆本作を本コーナーに入れたのは評判が悪かった。
新田道雄—他の四局と余りに差がありすぎた。味のある楽しめる作。
藤井幹裕—これで初心コーナーですか。数日かかった。小学校でも充分通用する。
三輪勝昭—文句なしに乳腺級。但し本コーナー向けの作ではない。
吉松智明—本作は小学校作が混入したとみるべきで、選題は慎重に。
鈴木信幸—プロ歌手が賞金(入選)かせぎにシロウトのど自慢に出た感じ。
松井克彦—本作を押(ママ)すが、本コーナーの意義を考えれば2を押すべきか。
☆作者の希望通り本コーナーに採用しましたが、或いは選題の誤りであったかも知れません。

ああ、この作品のおかげで13-7や8が初心コーナーに送ったのにもかかわらず小学校に登場したんですね。そうだったのかぁ。

13-10
枻将棋賛歌 1981-07


5手目の角捨てが当時気に入っていた捨て駒で,この手を初手に配置したり,3手目に配置したり,変化に使ったりと色々遊んでいた。
本作は5手目に配する最も真っ当な手順構成。
あまり真っ当すぎては面白くないので,頭4手は実戦的な間駒稼ぎというのんびりした順を選んでみた。短編詰将棋の作法に逆らった,禁断の手順といえるものにしたつもりだ。
同様の間駒稼ぎ(4手)+3手詰のパターンは角でも作った記憶があるが,発表したのは本図だけ。

岡田敏

◇作者「超短編ではタブーとされている”合駒”と”駒取り”をわざと入れてみました。形にいやみがないので、どうにか見られる出来と思っています」
冒頭に作者の言葉をのせましたが、”超短編では、合駒はタブーである”という説は一寸意外でした。むしろ私は反対の意見を持っており、超短編で合駒の妙手(例えば中合、捨合など)を入れることにより、より一層中味の濃い高級品が出来上がると思っています。
 それはさておき、初手に対して2手目桂・金合を読ませ、収束ズバッと26馬を捨てる味は悪くないと思います。手数の差の為に最下位になりましたが、立派な水準作と云うべきでしょう。
中村五郎—初手の発見に苦労する。
亀井陽東—意外な短手数。逃路封鎖はうまい。
古川晃—26馬で引き締まった。
橋本樹—7手詰で参加した意欲を買う。

13-11
詰将棋パラダイス 1981-07


3手目の角捨ての手筋が好きで,初手に配置したり5手目に持ってきたり,いろいろ楽しんだ。
(つい最近同じ文章書いたような気がする。。。。)

一方で超短編で香車を使えばそれだけで作品になる手掛かりとなると思っていて,香車を使ったデッサンもぼちぼちやっていた。
その二つが組み合わさったのがこの作品。

s塩沢邪風

サーニン—5月号で首位をもぎ取り、目下絶好調のヤン詰OBの放つ第2弾!又も守備駒移動のファインプレー!!7月29・30日のプロ野球ニュースの好プレー集に勝るとも劣らず。A
柳原裕司—得意の連捨て物で作者らしいが、殊に49香の一手はピカリと光っている。中合の利かぬ所がミソである。風氏も聖子にサインを求められるくらいだから、詰棋界の田原俊彦と云っても過言じゃない。A
★聞く所によるに、その後、風氏は教育実習で中三の女の子に大モテだったそうです。中には結婚を申し込む乙女もいたとか…?
田中通夫—前半の重い手と49香のコントラストに美を感じる。A
須田信雄—単なる捨駒ではなく、一手一手は詰将棋の味わいがある。A
福田隆哉—55の角捨て潔し好手なり玉方翻弄○○流B
☆例えば透明炭酸飲料(キリンレモン、スプライト等)の様にスカッとしている所が風流の気持ちよさだ。不快感というものが湧いてこない。湧いてこないように作っているのだ。
風みどり—自作って本当に愛しいものですね。A
★本当ですね。しかし「恋の喜びは愛の厳しさへの掛け橋にすぎない」と誰かが申しておりましたので、次の評を—
有村純—この作者もパターンが決まってきた感じ。C
(★有村氏は深井一伸氏とともにオールC!!)
大野雄一—5月号の作の副産物?B
☆もっとも、とは言うもののやはり好評が多く、「ムダな手がなくまとまり良し=南倫夫」「と金を角と金で吊り上げるのが面白い=森美憲」「3手目49香とすると銀合で逃れているのが信じられない=奥野昌秀」等花束いっぱい。中には、
小林理—異常な脳ミソを分けてもらいたい。A
☆と、生体移植を希望する人も…。そして感動のためか夏の猛暑のためか、こんな人もいた—
相沢雅陽—イメージ的には「ルパン3世・カリオストロの城」がぴったり。A
☆ともかく若鮎・風への期待は大きい。頑張れ!
風みどり(返歌) 他作が皆 自作よりうまく見ゆる日は それでもやっぱり 駒と親しむ

13-12
詰将棋パラダイス 1981-05


自作中,一番褒められた作品。一番というか,唯一というべきか。
「角捨ての手筋」「香」さらに「打った桂馬が跳ねて収束」という3つの流れの合流点に生まれた作品だ。こじつければ「変化で遊ぼう」の流れもくんでいるといえる。
その中でもやはり一番の手柄はたぶん「香」だと思われる。7手詰で中合を同手数駒余りに割り切ろうとすれば,「作品」にならざるを得ないのだろう。

塩沢邪風

☆風氏は「300人1局集」に写真の代わりに”キツネのイラスト”を登場させている。こういうとんでもないアイデアを発案、実行した若人は彼だけであり、私はこれを見て「この若人は近々びっくりする様な傑作を発表するに違いない」と胸をわくわくさせたのだった。
首猛夫—出ました!今月の首位作!!中合を回避させた手腕は流石で、詰上がりの意外性と共に作者の充実ぶりが感じられる好作。A
☆兎に角、集計表を見て欲しい。解答者の8割がA、平均点2.88—これは新採点制度の出発点である54年1月以来の最高得点。いや、小学校のみならず、調べて見ると幼、中、高における最高点であった!!
☆以下、あいうえお順にその感激の声の花束を—
荒井和之—完にして璧!!首位絶対確実!イヤ、半期賞も…!A
井上裕—普通の感覚じゃない!A
宇蛇々桁右衛門—不詰、誤植かと思った!A
和歌山のO氏—誤植ミスと思うので作意手順を探す気がしない(★この人誤解)
大野雄一—中合の変化にまで絶妙手が隠されているとはすごい!!A
黒木雅明—解図後、思わず巧妙!と言いたくなる!A
小林敏樹—お見事!A
佐藤伸夫—初手飛の限定打から45桂の意外な詰上がりまでの構成がバツグン!A
中出慶一—無理のない形で、高度な狙いを実現させた傑作。首位!!A
西山豊—ニクイ程良く出来ている!A
福本雅一—他の作の三局分に匹敵する内容!A
松田聖子—キャー、風さん素敵!サインしてっ!!
☆つまり、なんというかそのとにかく圧倒させられる。解説者としてここで一発、名セリフでも吐きたい気分だが、理性を感性が邪魔していてちょっと出来そうにない。
☆初手の距離感、その裏に潜む巧妙な変化、3手目に打った桂が終手で限定跳びを演じる点、5手目の「とぼけた67角=池田敏男」、それらが実に物語性豊かに生き生きと流れ、新鮮だ。
末永勝—59飛の遠大な狙いが45桂の協力を得て見事に結晶。A
小林理—最終手で全部生きるのが気持ちいい。A
★私は、恐らく55年度の看寿賞作品となるであろう橋本樹氏の11手詰と並び風氏のこの作品は、短編詰将棋の現代性を最も良く表わしているように思う。古い手筋が行き詰まり、その袋小路から出発した作家の「現代的主題」を、これらの作品は見事に純化し結晶化している。一つの到達点であるように思える。
☆それにしても風さん、この後が辛く…ならぬように頑張って欲しい!
★最後に次の評を—
大野雄一—この作品を解いた後、作図欲が湧いてきた。

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