第18話 翻弄(1)
詰将棋パラダイス 1978-10
守備駒を動かすテーマは好きなテーマ。「翻弄」を語ることができるのは1つの駒を何回ぐらい動かした場合だろうか?手数にも依るが5回くらいかなと思う。
本図は3回しか動かしていないので、「翻弄」の名には当たらないのだが、他に入れるところも無いのでここでお披露目。 7筋の余詰消しが醜い。一度改作した覚えがあるのだが、図が残っていない。失敗したのかも。
第18話 翻弄(2)
近代将棋 1983-11
打った銀が邪魔になり、その消去を絡めて馬を5回動かす。ただ、この仕組みは平凡な発想で、先行作がたくさんある模様。北原氏には曲詰であるとも聞いた。自分でもこの部分だけではあまりにも単純で易しすぎると思って序盤を入れたのだろう。
第18話 翻弄(3)
未発表
飛車の4回移動までは既成手順。逆算し、間駒稼ぎでもう1回動かして5回にしたのだが、これでは本物の「翻弄」ではないなぁ。そこでさらに逆算して難解さで誤魔化そうということになるのだが、八段目の駒が必要になったりとか、素人の逆算の悪い見本みたいなことになった。他山の石となさるべし。
第18話 翻弄(4)
詰将棋パラダイス 1982-05
これは龍の翻弄と称しても許されるのではないか。
詰パラの表紙に発表した際に、西田弘氏に11手同一手順の自作があると指摘された。異論はあるだろうが、頭四手で5回目の龍を動かし、邪魔となる金を打ったのだからギリギリ新作の価値ありとお許しください。
先日、掲示板に新鋭のT-Hさんがほぼ同一手順の作品を貼ってくれた。それがまた駒数少なく、うまい仕上げ。
この頃は表紙には作者の写真も掲載されていた。私は自分の顔写真をだすのは嫌だったので生まれたばかりの娘の写真を載せた。その娘がいまは2児の母。時の流れのなんと速いことか。
第18話 翻弄(5)
詰将棋パラダイス 2006-05
(2)とほぼ同時期に得た素材なのですが、ずいぶん長いこと捻くっていたものです。持駒に香があって、往復の馬の動きを同じ場所を通るようにしたかったのを断念して、飛車を登場させて2回動かすことで妥協しての完成です。