「Limit7」制作備忘録(6)

今回は4人で原稿を分担した。
主にメールと手渡しでデータのやりとりを行ったが、この方法は時代遅れだったようだ。

「この詰」は以前から box を使っている。

「青い鳥」が驚異的なスピードで仕上げることができたのは slack を使っていることがその理由の一つだろう。

SeesaaWiki も良いかと思ってアカウントをとっておいたのだが、なぜかログインできない。

4人だったからメールと手渡しでなんとかなったが、もっと人数が多かったら、やはりslackが良いかもしれない。Wikiも試してみたい気持ちはある。

もっとも人数が増えれば増えるほど、用語の統一などで苦労することになるだろう。
オイラは「間駒」だが、3人は「合駒」だったので、今回は「合駒」に統一した。

「開き王手」なども意見の分かれるところ。

一般の読者(詰パラ会員以外)を想定して、手順の解説を前面に書いてほしいとお願いしたが、当然、専門用語がぼろぼろとびだしてくる。

はじめは脚注をつけていったのだが、最終的に用語は巻末にまとめて解説を書いた。
綿貫規約と古今趣向詰将棋名作選から引用していったが、わかりにくい表現もあり、結局オイラの主観がどっぷりはいった表現になってしまったかもしれない。
解説に「初手55角成の若島正作」なんて書いてくれた方もいて、用語解説の中で塚田賞作品を解説するという事態が発生した。

類作がかなりあり、どちらを採るかという事案もいくつも発生した。
4人だからわりと簡単に決まったが、人数が多ければ議論百出で決まらなかっただろう。

しかし、1人で100題の解説を書くと言うことは大変な作業だ。
オイラ自身、見本として30題くらい書いたあと、仕事が忙しくなり、かなりの期間放置することになった。
予定より1ヶ月遅れ程度で全員分集まったのは幸運だったのか、メンバー選定が正しかったのか。

しかし、今後はもう少し1人あたりの分担は減らした方が良いかもしれない。
もちろん多すぎると別の意味で大変になる。
そこら辺は、色々と試していくしかないだろう。

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「Limit7」制作備忘録(5)

Amazonで買える詰将棋作品集には次のようなものがある。(マイナビや河出書房新社は除いた)

  

……と思ったら、岡本さん「竹馬」は売り切れたのですか。松田さん「すなどけい」、高騰していますね。3冊持っているからヤフオクに出したら高値つくかな。

いや、話を戻して……つみき書店刊の本もAmazonで買えるようにしたいと考えた。
そのためにはAmazonのe託販売サービスに申し込めば良いが、そのためにはisbnコード、そして日本の書籍JANコードを表4に表示する必要がある。

isbn978は「書籍」の意味、次の4は日本の国記号、次の6桁909949がつみき書店の番号だ。
次の2桁が出版社が管理する番号。「Limit7」はつみき書店の最初の本なので00だ。
最後の4はチェックサムみたいなもの。
これがisbn(International Standard Book Number)。

下の行が日本図書コード。
C2076は分類記号だ。最後の76は「諸芸・娯楽」で囲碁・将棋はここに含まれるので間違いない。
0は「単行本」の意味、「文庫」だと1、浦野先生のハンドブックシリーズは「新書」の2になっている。
最初の2が問題だ。これは販売対象を表しており、0は一般。1は教養、2は実用、3は専門。
1や3も考えたけれど、2か0だろうなぁ。
調べてみるとマイナビは2で河出書房新社や光文社は0だ。
詰将棋の本をたくさんだしているのはもちろんマイナビなので2にした。
でも、よくよく調べてみると、2は販売対象が「主として実務に役立つ実用的な内容のもので、実務家が対象。」と書いてある。詰将棋が実用的かというと……うぅむ。
今度からは0にしよう。

ということで、まずは固有の出版社番号を貰う必要がある。
日本図書コード管理センターに申請して37000円+税を払うと貰える。
次に書籍JANコードの登録を申請する。
一般財団法人流通システム開発センターに3年分で10000円+税を払う。

これでAmazonに委託販売を申し込むことができる。

さらに一般の本屋で取り扱ってもらいには書籍のデータをどこかに登録する必要があるようだ。
しかし、それは1冊あたり1000円/年ということなので、今回は見送った。

さて、せっかく高い登録料を払ったのだから、書籍番号00だけで終わってはもったいない。
目標としては来年は01と02を出したい。
死ぬまでに99に辿り着くことができるだろうか?

ところで、なぜAmazonで買えるようにしたいのか。
それは「新しい読者を獲得できる可能性がある」ことに尽きる。
詰パラに広告を出しただけでは、詰パラ読者以外の人には存在自体が届かない。

「Limit7」は同時期に予約をしてくれた方が何人かいてくれたおかげで、若島さんの「詰将棋フロンティア」を表示すると、「よく一緒に購入されている商品」に表示される。
コバンザメ商法である(^^)。

それにAmazonのprime会員ならば送料がかからずに入手できるので、ちょっとでも安く届けられるということもある。

つみき書店からすると、Amazonは掛率が一番厳しい。制作費を回収するには直接つみき書店から買っていただくのが一番助かる。
それが、この頁からAmazonへのリンクを張っていない理由の一つである。
振替口座の用意もできたので、販売をお願いしている詰パラと柳田さんの在庫がある程度片付いた時期を見計らって、この頁でも直販を始める予定です。

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「Limit7」制作備忘録(4)

今日は索引と参照の話。

LaTeXには索引を作るmendexというツールがある。
そこで棋譜ファイルからデータを読み込み次のように作者名にindex{}をつけておいた。

\def\作者#1{%
\def\sakusya{#1}
\index{#1}
}

ところが、mendexはうまく動作しなかった。
おそらく\index{伊藤看寿}では駄目で、\index{いとうかんじゅ@伊藤看寿}とする必要があるのだろう。もしまたアンソロジーを編むことがあったときには試みたい。

しかし次のようなidxファイルは出力してくれる。

\indexentry{岡田秋葭}{6}
\indexentry{伊藤看寿}{6}
\indexentry{岸本雅美・三枝文夫・三木正道}{7}
\indexentry{詰鬼人}{7}
\indexentry{岸本雅美}{7}
\indexentry{牧野隆一}{8}
\indexentry{角寿雄}{9}

このファイルを手作業で編集して索引を作ったので、労力はさほどでもない。
にも関わらず最後の最後に、たいした変更はないからと手作業で索引を手直しした結果、1カ所の校正ミスが発生してしまった。今後の教訓としたい。

面倒なのは相互参照である。
例えば第209番の解説に
「この作品は第92番を4手逆算したものである。」
と書いたとする。
しかし、その後の編集作業で第92番の番号が変わってしまうことは幾度もある。
その度に、このような作品番号が書かれているところを見つけ出し、修正するという作業が必要になった。

LaTeXにも\ref{}や\pageref{}という機能は用意されているが、これは節や頁を参照するもので、今回の用途には使えない。

しかし、あるカウンターの番号を参照したいという要望はかなりあるはずだから、誰かが使えるツールを作ってくれているかもしれない。
ここに書いておけば、親切な人が教えてくれるかもしれないと期待している。

探してもなければ、自前でなんとかするしかない。
カウンターの値をラベルに書き込むようなスクリプトを書けば良いのだから、なんとかなるだろう。


追記

さっそく、浦壁さんからご教授いただいた。
\refstepcounter というマクロ、全然知りませんでした。。
これで助かりました。
ありがとうございます。

LaTeXの自前のカウンターの参照について (via.golden tumekster)
つみき書店に、LaTeXの自前のカウンターの参照についての記事があったが、

あっているか解らないが、以下のようにしてみた。

\documentclass[11pt,a4j,openany]{jsbook}

\newcounter{TanCon}

\newcommand{\TanCon}{%

\refstepcounter{TanCon}%

第\the\value{TanCon}番%

}

\begin{document}

\setcounter{TanCon}{90}

%\TanCon 追加

\TanCon 浅野博

\TanCon いほり閑子

\label{ihori}

\TanCon 今井敬吾

\TanCon 岩本一郎

\TanCon 伊藤明治

作品第\ref{ihori}番のいほり閑子作を、、

\end{document}

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「Limit7」制作備忘録(3)

つみき書店の本の作り方を公開しておこう。

一番はじめはこんな感じ。

\section{盤面5枚}
\作品 b5_0027.ki2
\作品 b5_0036.ki2

KIFUファイル名と同名のb5_0027.txtとb5_0036.txtにそれぞれの解説とその筆者名が入っている。
そこからデータを抽出して次のようになる。

\section{盤面5枚}
\ファイル名{b5 0027.ki2}
\作者{江口伸治}
\発表媒体{近代将棋 P129}
\発表年月{200302}
\図面
\先手{56飛}{飛}{8}{4}
\先手{57飛}{飛}{8}{3}
\先手{48角}{角}{9}{2}
\先手{38角}{角}{10}{2}
\後手{19玉}{玉}{12}{1}
\持駒{なし}
\作意{ 37角, 18玉, 27角, 17玉, 26角, 28玉, 17角, 同玉, 63角成, 28玉, 27馬, 29玉, 59飛, 39銀, 同飛, 同玉, 28銀, 48玉, 37馬, 49玉, 59飛まで21手詰}
\解説{
3手目27角が一寸した好手。同玉は73角成で早いので17玉とするが次は37角が26~17と動く。27角の時点で邪魔駒になってしまったわけ。以下は破綻のないまとめだが39の合駒が角合では別詰があるとはいえ限定でないのは少々残念。
\筆者{飯尾}
}
%—————————–

\ファイル名{b5 0036.ki2}
\作者{長谷繁蔵}
\発表媒体{詰パラ P42}
\発表年月{1963年10月}
\図面
\先手{55龍}{龍}{8}{5}
\先手{36馬}{馬}{10}{4}
\先手{47馬}{馬}{9}{3}
\後手{28飛}{飛}{11}{2}
\後手{19玉}{玉}{12}{1}
\持駒{なし}
\作意{ 59龍, 29銀, 同馬, 同飛成, 37馬, 28金, 29龍, 同玉, 38銀, 18玉, 27銀, 29玉, 28馬, 同玉, 38金, 19玉, 13飛, 29玉, 18飛成まで19手詰}
\解説{
初形の面白さから引用されることが多かった作だが、勿論内容も伴っている。2手目6手目の合駒選択は難しくないが、38に打った銀を続けて動かす27銀が小気味よい。そして詰上りは菱形になっている。本作は立体曲詰だったのだ。
\筆者{飯尾}
}
%—————————–

コンパイルすると次のようになる。

作業初期のため、まだファイル名も出力している。
また、T-Baseから変換した棋譜ファイルのため、発表媒体の名称や年月の表記も統一されてなく、編集作業はこれから延々と続く。
だが、図面とその情報がKIFUファイルにきちんと登録してあれば、あっという間に図面を組むことができるということだ。

ちょっと手間をかけたのは、タイトルがある場合の処理。

\ファイル名{b2 0086.ki2}
\タイトル{二つで1個}
\作者{天六辰年}
\発表媒体{詰将棋パラダイス}
\発表年月{2001年2月}
\番号

\図面
\後手{97玉}{玉}{4}{3}
\先手{69飛}{飛}{7}{1}
\持駒{金三 桂 香 }

KIFUファイルにタイトルの記入があると、上記のように\タイトル{}が抽出される。

\def\タイトル#1{
\def\tytle{「#1」}
\表題true
}

\def\図面{%
\hspace{\fill}{\small\media~\ymd}
\if表題 \\[-1mm]{\bf\tytle}\fi
\表題false
 ……

すると\表題trueとなり\図面 の中で、発表年月と図面の間にタイトル行が出力される。

浦壁さんのように左側に縦書きにする技術力があれば、その方向も追求したかもしれませんが、縦書きフォントも使えないしあっさり諦めました。

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「Limit7」制作備忘録(2)

まず、下の写真を見ていただきたい。

「こんな駒の持ち方はできない」とおっしゃる向きもいるようだが、論より証拠オイラの駒の持ち方はこうなのである。
特に初めての道場で指すときに、相手に「なんだこの駒の持ち方は、まるっきりの素人だな」と油断させるときに有効である。

ともあれ、「Limit7」の表紙はいままでの詰将棋作品集とは違う印象にしたかった。
何かの間違いで、本屋に平積みにされたとき、女性がうっかり手に取ってしまうような表紙。
そこで将棋についてはまったく何も知らない女性のデザイナーにお願いした。
だから、見てすぐに気づいたが直しは要求しなかった。

さて今日は棋譜の話。

棋譜は最終段階近くまで、このような形だった。

完成品ではこのようにした。

上のソースは下記のようにただ一塊のテキストを流しただけ。

\作意{ 85飛, 46玉, 45角成, 47玉, 87飛, 57歩, 同飛, 同玉, 87飛成, 58玉, 36馬, 59玉, 57龍, 49玉, 58馬, 38玉, 48馬, 28玉, 37龍, 18玉, 19歩, 同玉, 17龍, 18金, 37馬, 29玉, 18龍, 同玉, 28金, 19玉, 27金, 29玉, 28馬まで33手詰}

完成品では下記のように、一つ一つの差し手を\mbox{}で包んで、途中で改行をしないようにした。

\作意{ \mbox{85飛}, \mbox{46玉}, \mbox{45角成}, \mbox{47玉}, \mbox{87飛}, \mbox{57歩}, \mbox{同飛}, \mbox{同玉}, \mbox{87飛成}, \mbox{58玉}, \mbox{36馬}, \mbox{59玉}, \mbox{57龍}, \mbox{49玉}, \mbox{58馬}, \mbox{38玉}, \mbox{48馬}, \mbox{28玉}, \mbox{37龍}, \mbox{18玉}, \mbox{19歩}, \mbox{同玉}, \mbox{17龍}, \mbox{18金}, \mbox{37馬}, \mbox{29玉}, \mbox{18龍}, \mbox{同玉}, \mbox{28金}, \mbox{19玉}, \mbox{27金}, \mbox{29玉}, \mbox{28馬}まで33手詰}

後から手作業で包んでいくのは大変な作業だった。sedを使えって?不思議なもので、この例ではすべて包んでいるけれど、場合によっては包まない方が短い行数に収まってくれたりもするのです。そこで、少しずつ確認しながら進めていった。結局、この例のように全部包むという結果になることも多かった。

それだったらなんで最初にki2ファイルから作意を抽出する際にしなかったかというと、400カ所でどのように隙間を空けるかの試行錯誤が始まり、コンパイルに時間がかかることが予想されたからだ。
実際、それまで一瞬だったコンパイルがイライラするほど時間がかかるようになった。
そして、うまく調整ができず、指し手の途中での改行を禁止することによって棋譜の行数が増えたら……(1)で書いたように、その影響はその章の終わりまで及んでしまう。

なんで棋譜を詰め込んでしまうのか、それは「この詰」のように1行4手に統一すると右側に隙間ができてなんとなくさみしいということと、(1)にも書いたが、行数が増えるとページ数が増えて、定価が高くなるからだ。

そこでメモしておこう。

  • ki2から作意を抽出する際には、裸のままと\mbox{}で包んだものと、両方出力しておく。
    そして、編集作業のどこかのタイミングで切り替えて使う。
  • または読みやすさのことも考えて、1行4手に統一する。
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