「1_詰将棋」カテゴリーアーカイブ

長編詰将棋の世界(14) 府中を4周半

2010.1から3年半続けた詰パラ大学院での解説の再録です。

選題の言葉 (2010.07)

 「最長手数記録ですか」という言葉をよく見かける。その作品の狙いと長手数であることが密接な関係ならばわかる。が、どうもそうとは限らない。
 手数が長い方が高級な詰将棋。そう思い込んでいるのは、どうも初心者だけではないようだ。
 このような風潮が続くと。そのうち「双方不成の長手数記録作です」なんて投稿でも来るのではないかと心配だ。
 計測可能な「量」にばかり目がいくと、「質」を語る言葉が痩せ衰えてしまわないか。
 今月の2作は長手数記録作ではありません(たぶん)。でも絶対に面白い。解かないと、ソンです。
 後期は期待の若手二人で華やかに幕開けすることができて最高に幸せ。

馬屋原剛「馬レース」詰パラ2010.7

棋譜ファイル
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詰将棋つくってみた(95) 課題21:桂香図式

課題21:11香・21桂が配置された詰将棋を作ってください。

前回は「逆算」という創作技術を要する課題でしたが、今回は形から作り始める「正算」を想定した課題です。(逆算で作っても勿論問題ありません)

よく「実戦型」ということがありますが、これは定義が存在しない曖昧な用語です。今回は「桂香図式」としました。
桂が13,あるいは33に移動した形、または香が12あるいは13に移動した形を準桂香図式といいます。
準桂香図式でもOKとします。

  • 手数制限はありません。
  • 未発表作に限ります。
  • 投稿先はkazemidori+kadai@gmail.com
  • 締切は8月30日(火)
  • Judgeは占魚亭さんです

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詰将棋つくってみた(94) 課題20:解答募集

課題20への投稿ありがとうございました。

逆算という技術を必要とする課題で、初めての方は苦労されたことと思います。

今回も新しい方が登場してくれました。うれしいです。
解答で応援よろしくお願いします。

1作、100手を超える作品があります。解答するのが大変なのでこの作品だけ解答方法を変えます。下の要項をお読みください。
手数順に並べていますが、決して易しい順ではありません。(14番はさすがに難しいですが……)

解けたものだけでも解答よろしくお願いします。

  • 解答募集します。解けた分だけでも送ってください。
  • 略記解答も可とします。解答強豪の方は短評だけでもOKです。
  • 特に第14番は長いので25手目、67手目、97手目を解答してください。
  • 解答送り先:kazemidori+kaitou@gmail.com
  • 締切り:8月16日(火)
  • 短評歓迎します
  • 賞品:1名様に粗品進呈。(小林敏樹さんにたくさん提供いただいたので多彩になりました。といっても今まで用意した粗品をコンプリートした方はまだいらっしゃいません)

印刷用pdfつくりました⇒課題20.pdf

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詰将棋雑談(81) 名言集(3)

田島享央己—ズバッと言うと芸は90%才能です。達者な人は最初から上手い。下手な人はどうやったって下手です。しかし、「魅力」は稽古で鍛えられ、それで上手な人を容易に打ち負かすことが出来るのです。これが正解の無い芸の世界の醍醐味です。
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いっこの積木(149)

第7章 短篇前期(9手~11手詰)

短編前期–詰パラでの分類だと「中学校」にあたる作品である。
9手詰も片付いて、いよいよ11手詰です。

風みどり 読売西部版1996.9.30

そう、詰上りは例の形です。

  • 感想を貰えたら喜びます。
  • その感想は作品集に収録させていただく可能性があります。
  • 正解はこの下にあります。
  • 正解を見ての感想も歓迎です。

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詰将棋入門(212) もう一マス遠くから

小西逸生『紅玉』第55番 近将1958.9

小西逸生といえば解答者心理を的確に読みきった職人芸の短編手筋物がもう芸術の域に達している作家だ。
しかし実は芸域はもっと広い。いくつか作品を紹介していきたい。
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高木秀次『千早城』に登る(14)

※この連載は風みどりが1題ずつ高木秀次作品集『千早城』(1993)を読んでいくものです。

第14番 詰パラ 1966.10改

持駒が多くて苦手なタイプのようだ。
そろそろ自力で解くのは諦めて柿木将棋で鑑賞する頃合いか。
いやいや、それでもまずは自分で考えてからでないと作品のポイントが分らない場合がある。
……と、取り組んでみたら案外あっさり解決した。
初見の方はぜひ挑戦を。
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創作を嫌にさせる解説

『三百人一局集』で畠山広吉が次のように書いている。

詰パラ50号記念の50局選に(だと思いますがはっきりしません)応募した作が「盗作?」「真実は本人のみぞ知る」などの評をいただき、余りにも偶然のことにショックも大きく、其の後は創作嫌悪症となり未投稿の作品6,70局も全部焼き捨てました。

70作といえば数十時間いやおそらく優に百時間以上をつぎ込んだはず。
そのような自作を焼き捨ててしまうなんて……読んでいるだけで心が痛む。
一体どんな解説だったのだろう?

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詰将棋創作チョー入門(21) それでは特訓の始まりだ(3)

この連載は余詰の検討に柿木将棋をツールとして使用していきます。購入方法・インストールの仕方は第1回。基本的な使い方は第2回を参照してください。

 そろそろまたやりたくなってきました。夏といえば祭ですから。

三手詰祭の第3回を開催することにしました。

 詰将棋を作る楽しみを知っていただく切掛になれば幸いです。

チョー入門課題
☗○○▲、☖同○、☗○○■まで3手詰
ただし初手に捨てる▲は小駒!
のタイプの3手詰を10局以上作ってください。

 要は「飛角以外を捨てる3手詰」です。
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