「妻木貴雄」タグアーカイブ

詰将棋つくってみた(162) 課題35:宗看流捨駒

課題35:同一駒を2回以上連続で捨てる詰将棋を作ってください。

 三代伊藤宗看の作品には大駒を縋りつくように捨てる作品の印象が強く残ります。例えば第29番、第24番、第17番あたりを鑑賞していただきたい。第60番もその系譜だ。第70番も連続ではないが何度も馬を捨てると言ってよいでしょう。

 今回は宗看流捨駒と題して、同じ駒を連続して2回以上捨てる作品を募集します。

  • 手数制限はありません。
  • 未発表作に限ります。
  • 投稿先はkazemidori+kadai@gmail.com
  • 締切は10月30日(月)
  • Judgeは妻木貴雄さんです

例題を見ていきましょう。

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好形作ならではの危険(2010.4.11)

好形作ならではの危険—それは同一作の恐怖だ。
同一作でなくても類作の危険率は高い。

詰パラ2010年4月号で伊藤和雄作に対して厳しい意見を書いた。
ちょっと補足しておく。

まずは図面から。
一番古いのが二上九段作。

二上達也 将棋世界1987.12

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詰将棋つくってみた(155) 課題34:スイッチバック

課題33:攻方駒のスイッチバックを含む詰将棋を作ってください。

スイッチバックはチェスプロブレムから輸入された概念です。
ある駒が別の位置に移動して、後に同じルートを通って元の位置に戻ることをいいます。

詰将棋では駒が成って戻ってくる場合とか帰りは同じルートでも途中下車する場合などもスイッチバックと呼んでいるようです。

一体スイッチバックのどこが面白いのか?
これを探るために厳しい条件(その駒はA→B→A以外に動かないとか成っては駄目とか途中下車は駄目とか)をつけようかとも思いましたが、この企画の趣旨はあくまで創作のきっかけを提供することですのでやめました。
唯一残したのが「攻方駒の」という条件です。

なぜこの条件をつけたかというと詰パラでの発表作をみる限り、圧倒的に守備駒のスイッチバックが多いからです。
ところが詰将棋において守備駒のスイッチバックは往々にして翻弄物に発展していってしまいます。
まぁ、話すと長くなるので気が向いたら詰将棋雑談で。

  • 手数制限はありません。
  • 未発表作に限ります。
  • 投稿先はkazemidori+kadai@gmail.com
  • 締切は9月29日(金)
  • Judgeはspringsさんです

例題を見ていきましょう。

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詰将棋つくってみた(120) 課題25:講評

Judge:榧野香一

何故かJudgeに選んでいただいた榧野香一にゃ。
ねこにゃので簡単にゃ短評しか書けにゃいにゃ。
ねこ語にゃので読みにくいと思うけど、ねこにゃので温かい目で見てにゃ。
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詰将棋つくってみた(115) 課題25:解答募集

課題25への投稿ありがとうございました。

簡素図式という課題でしたが意外や25題もの投稿をいただきました。
簡素図式は類似作・同一作の危険が極めて高い分野です。何作か返送することになりました。
発表作にも類似作を感じる作があると思います。解答の際に遠慮無くご指摘をお願いします。

新しいお名前からの投稿もありました。嬉しく思います。
どうぞ数多くの解答をお願い申し上げます。

  • 解答募集します。解けた分だけでも送ってください。
  • 略記解答も可とします。解答強豪の方は短評だけでもOKです。
  • 解答送り先:kazemidori+kaitou@gmail.com
  • 締切り:1月16日(月)
  • 短評歓迎します
  • 賞品:1名様に粗品進呈。

印刷用pdfつくりました⇒課題25.pdf
a4両面冊子印刷で持ち運びしやすいサイズになります。

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いっこの積木(107)

第6章 中篇前期(19手~29手詰)

7手詰も終わり、ここからは短めの中篇作品を並べていく。(作業は機械的に行なっているので、何が出てくるか自分でも楽しみ)

風みどり 将棋ジャーナル1985.5

  • 感想を貰えたら喜びます。
  • その感想は作品集に収録させていただく可能性があります。
  • 正解はこの下にあります。
  • 正解を見ての感想も歓迎です。

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詰将棋用語の最前線(8) 姉妹作と兄弟作

「姉妹作」,「兄弟作」という用語には今のところ定着した用法はない。
人それぞれが自分の持つイメージで使っている状況である。

詰パラ1981年10月号に森田正司「兄弟図式のすすめ」という論考がある。
筆者は森田さんを尊敬しているので、それからは森田氏の指示(?)に従って使っている。

その森田さんの提案は次の通り。 続きを読む 詰将棋用語の最前線(8) 姉妹作と兄弟作

私の詰棋観の50%は山田修司でできている

詰将棋観–すなわち、どのような詰将棋が「良い」詰将棋であると感じるか。
これは、どのように構築されるのであろうか。

それは当然、数多くの詰将棋を解いたり・作ったり・鑑賞したりしているうちに醸成されるものであろう。

100や200の詰将棋を知っているだけでは足りない気がする。もう1桁ぐらい必要か?

ただそのベースは、詰将棋をはじめてから間もない頃に読んだものに大きく影響を受けるのではなかろうか。

してみると私の詰棋観は一番何度も読んだこの本によって基礎が作られたと考えられる。

柏川悦夫「駒と人生」。
実物は所持しておらず、リコピー版だ。

この作品集の解説を書いているのが山田修司。

「無双」と「図巧」も繰り返し読んだ。

しかし、門脇さんの解説は今ひとつしっくりこなかった。
うまく説明できないのだが…。

次に数多く読み返したのは次の作品集だ。

壮棋会(現・創棋会)の作品集だ。

まとめると、私の詰棋観は山田修司が50%。門脇芳雄が20%。壮棋会のオジサマ達が30%。
大雑把に言って、こんな感じで基礎が作られたのだと思う。

その上に、棋友との交流がまた大きく影響を与えるに違いない。

そう考えると、小林敏樹や妻木貴雄が私の脳内にかなり入り込んでいる。

「詰将棋の詩」という同人誌を通して、山本昭一と伊藤正も強烈な詰将棋遺伝子を送り込んでくる。

かくして、山田・門脇・壮棋会の基礎の上に被さるように、小林・妻木・山本・伊藤が層をなしている。

たぶん、そんな感じだろう。

「盤上のフロンティア」や「この詰将棋がすごい!2019」で詰将棋観を醸成する若手は、どんな詰将棋観を育ててくれるのだろう。
楽しみだ。