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詰将棋のルール論争(8) 無駄合のつづき

1 詰将棋の範囲

1-4 無駄合

このエントリーはルール論争(7)無駄合 のつづきです。
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詰将棋のルール論争(7) 無駄合

1 詰将棋の範囲

この節は詰将棋の範囲–完全・不完全の話–とは微妙に異なるのですが、前節の2手変長1駒余りと密接な関係があると思うので、この位置に入れました。

1-4 無駄合

「無駄な合駒はしない」とよく表現されるルール。
しかし「無駄」というのは手の意味を判断に求めており、妙手の有無でなく手数で決定しようという方針と矛盾します。
そこで客観的に無駄合を定義できないかと何人もの勇者が挑戦しましたが、筆者が知る限りスッキリ明解な無駄合の定義は成功していません。
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心ならずも芸術作品

易しい5手詰を急造した。

打った銀が邪魔になる…誰もが知るあの古典5手詰のリメイク。
24銀、14玉、13銀成、同香、24馬迄
お目汚しで申し訳ない。
で、なんのためにこんな図を出したか。
無駄合概念が詰将棋の成立にいかに重要かと言うことを再認識していただくためだ。
5手の作意を成立させるためには、2手目22玉の逃げを88馬迄3手詰と数えて貰わなければいけない。

しかし先手は持駒を使って良いのに後手は使ってはいけないとは理不尽だ。
後手は最長になるように手を選ぶというのが大原則だから88馬に77歩、同馬、66歩、同馬、55歩、同馬、44歩、同馬、33歩、同馬迄。
13手。
13手駒余りの不完全作である。
この順を「ないこと」にして銀を捨てる5手詰を作意と認めることは本質的に妙手説と変わりがない

妙手説とは「作意が至高」ということだが、それでは解答募集問題として出題するには正解に客観性がなく不適当と「攻方最短・玉方最長」とルールが変更になったと聞く。
しかし持駒ルールと玉方最長は真っ向からぶつかる。

そもそも「この手順をみてくれ」と始まった(と断言しても良かろう)詰将棋を無矛盾なパズルにするのは難しいのだ。

心ならずも芸術作品というのは以前に書いたとおり、パズルを目指しつつも作者の表現も捨てられない(ただ選択肢が多いだけの難解作をあなたは評価するか?)詰将棋についてのオイラの認識だ。

問題は持駒ルールにあるのだ。
この詰将棋を面白くする特殊ルールが、詰将棋の論理的整合性を阻害する。
「無駄」というのは手数を伸ばすのに無駄なんじゃなくて、結局は作意にとって無駄なのだ。
簡単に言えば「こんな変化、詰むに決まっているだろ」ということだ。

では、どうしたらよいのか。

ひとつはTETSUさんの推奨する「使用駒制限」だ。
間駒されて不都合ならば玉方に駒を持たさなければよい。
「玉の持駒は残り駒全部」を捨て去れば、無駄合概念はなくしてもなんとかなるかもしれない。
ただし色々な合駒の変化を楽しむことも出来なくなる。

現実的には、作者の主張をもっと尊重すれば良いと考える。
これこれこういう考えで、この合駒は無駄だと作者が主張したら、それは排除するのではなくどんどん発表の道を開くべきだと思う。
現状復帰型の無駄合もその作品内で矛盾(ある場所では無駄合とし、別の所では有効合とする)がなければ、認めたい。

作品の評価は、解いた人・鑑賞した人がなせばよいのだ。
つまらなかったら、自然に忘れ去られる。
それで良いのではなかろうか。


だらだらと書いたが、以前書いたことの繰り返しばかりで新しいことが何もないな。
ま、いいか。