黒川一郎 「朧」『将棋浪曼集』第37番 近代将棋1955.9改
タイトルの「朧」は「おぼろ」と読む。
小駒図式。
当時の小駒図式カテゴリーでの最長手数を狙ったとの作者の言もある。
難易度は「極めて易しい」。
続きを読む 詰将棋入門(112) 盤面全体を玉が動く小駒図式
まだまだ古典で知っておくべき詰将棋はたくさんあるのだが、なにしろ筆者自身が勉強不足。
無双は少しは並べたのだが図巧ほどではない。
そこで一気に時代を進めることにする。
といっても筆者が生まれる前の頃の作品。
続きを読む 詰将棋入門(100) 黒川一郎「やすり」
図巧#57の銀鋸。調べてみるとかなりの作品が発表されている。
代表的な作品だけを概観してみよう。
続きを読む 詰将棋雑談(29) 銀鋸追い
子どもにものを教える商売をやってきた身であるから、「自分はものを知らない」という認識は常に保つように心掛けてきたつもりだ。さらに「ものを忘れる」という認識も重要だ。最近、この傾向が強まってきた。おかげで、昔観た映画をもう一度、新鮮な気持ちで愉しめる。昔並べた詰将棋を、微かに記憶が残っているお陰もあって、解いて新たな感動を得たり、新たな発見をしたりできる。
歳とるって、いいなぁ。
そしてインターネットのお陰で、情報の検索が桁が3つぐらい違いにラクだ。
今日、知ったこと。
なんでケンタウロスのことを検索したかというと、詰棋書紹介(21)で書いた「将棋浪曼集」の表紙だ。
中央の絵はケンタウロス駒とオイラは呼んでいるが、黒川一郎の手によるものだと推測している。作者名は明らかになっていないが、「詰棋めいと」の表紙に黒川一郎画伯のギリシャ神話を題材にした絵が載っていたから、この推測にはわりと自信がある。
で、この絵のケンタウロス、もう40年以上眺めているのに、女性だということに今日気づいた。
おっぱいがある。あれ?でも、ケンタウロスはみな男性じゃなかったっけ?
それでケンタウロスを検索してみたという次第だ。
ケンタウロス(コトバンク)
やはり、ほとんどの記述はケンタウロスは男だし、オイラが子どもの頃に読んだギリシャ神話にも女のケンタウロスはでてこなかったんだけどなぁ。
ほかに検索した記事もほとんどは「ケンタウロスは男性のみ」という内容だったが、ニコニコ大百科(仮)には次の記述があった。
またケンタウロスの女性はとても美しいとされる。
ただし、最近(の日本?)ではケンタウロス娘というのがモチーフとして流行しているらしい。
もしかしたら、黒川一郎は日本ではじめてケンタウロス娘を描いた人物なのではなかろうか。
日本でと書いたのは世界は広く、こんな写真を見つけたから。
フランス・リヨンのテトドール公園内にある『Centauresse et Faune』オギュスタン・クルテ作。珍しい女性のケンタウルス像である(神話上では男性しかいないとされている)Flexikon
オギュスタン・クルテはいつ頃の人か調べてみたがわからなかった。(Augustin Culte かなと思ったのだが、これが違う?)
でも、次の絵はもっと古そうだ。
ということで世界一はないだろうが、日本一ならあり得るのではという結論。
そしてさらに付け加えるならば、黒川画伯の絵には弓に弦が張っていない。
ということはこの弓は呪術的なもので陰陽師が使うような悪霊を退散させるための弓だということが分かる。
すなわち
ケンタウロスで女性でかつ陰陽師
これなら世界初と言っても間違いないのではないだろうか。
ん、陰陽師の弓ってびよよよ~んって音はするんだっけ?そんじゃ、弦は張ってあるのか。鳴弦っていうもんな。