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好形作ならではの危険(2010.4.11)

好形作ならではの危険—それは同一作の恐怖だ。
同一作でなくても類作の危険率は高い。

詰パラ2010年4月号で伊藤和雄作に対して厳しい意見を書いた。
ちょっと補足しておく。

まずは図面から。
一番古いのが二上九段作。

二上達也 将棋世界1987.12

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懺悔(その1)

次の図は日めくり詰め将棋カレンダー2010に載った自作です。

a

狙いは解いてもらえればおわかりのように,若島手筋を「詰めカレ」向けに易しく作ろうということです。

ところが,近将ノートをパラパラとめくっていたら,次の図を見つけました。

1

なんと,自分で解説している作品です。
これでは盗作を疑われても言い訳できません。
岩田さんごめんなさい。

作っているときに,「一段上げたら,駒数1枚減るな」ということを考えたことも覚えています。
それなのに,思い出せなかった。

というわけで,上の作品は抹消しておいてください。
もっとも「詰めカレ」はエモンさんの同一作検索にも入っていないし,T-Baseにも入っていないし…。
みなさんの記憶にも入っていないだろうし,いったい何から抹消するのか?

とりあえず,ごめんなさいという事です。

夏休み終了

旅行から帰ってきました。
コメントでも言い訳しましたが、以前は旅行先からでも(職場からでも)更新したり、新しいアドレスからのコメントを承認したり出来たのですが、いろいろ攻撃があって今は総て自宅のPCからでないとできなくなっています。

そういう訳で次の柳田さんのコメントやっと承認できた訳です。

やなさん のコメント:
2015年8月1日 6:32 AM
いやいや(^_^;)
この作品は若島さんのを見たら、もっとズッと少ない駒でやっていてイヤになった記憶が残ってます。
いま簡単には本が出せない状況なのですが、どなたかか確認できませんか?
「盤上のファンタジア」だったかなぁ。
どっちにしろ大した作品ではないのでボツですね。

で、さっそく「盤上のファンタジア」を探してみましたが、みつかりません。
次に将棋世界付録の「若島正、短編集」(この読点がおしゃれ)を探してみました。

これですかね?

wakashima1991

付録のついた1991年3月号としてありますが、おそらく初出は京都民報でしょうからもっと古いと思います。
またこの角の打捨てでなく成り捨てのパターンで調べたら次の作品が見つかりました。

taniguchi1981

柳田会長の類作を発見

yamakawa1942

yanagida1991

色々調べ物をしていて、柳田さんの類作を発見してしまった。
いや、逆か。
山川さんの作品はなにせ戦前だから。

11手詰で1文字しか手順が違わないというのも珍しい。

もし、既に指摘され済だったら、ごめんなさい。

何を調べていて、このほぼ同一手順作を見つけたかを想像できる人はいないだろう。。。

詰パラ2月号

表紙

なるほど、確かに表紙は難しすぎない方が良いのかもしれない。
でも易しければ良いというわけではない。
易しくて、しかも新作の価値があり、形も良いとなれば、これはかなり難度の高い創作課題だ。
本作を見て、思い出した作品を貼り付けておこう。

詰棋校

詰将棋の会合の高年齢化が嘆かれて久しいが、こうやって詰将棋学校に並べられた面々をみてみると、結構若々しい作者が溢れている。
一方で三輪さんや利波さんみたいに復活組も元気だし、現代はなかなか芳醇な時代なのではなかろうか。
必要とされているのは、新しいテーマであるような気がする。

大学院

待望の吉田京平さんの作品を選ぶ事が出来た。
作品のカテゴリーはちょっと期待していたものとは違っていたのだけれど、久しぶりのテーマであるとも云える。
今月は駒数順の撰題なので、解くのは安武さんの作品の方が易しいかもしれない。
難しい所は1カ所だけだった記憶がある。
記憶があるなんて、いい加減なと思われるかもしれないが、撰題を決めたのは半年以上も前の事なんです。
なので、パラに載る頃にはすっかり手順も忘れていて、解答者の皆さんと一緒にもう一度考えたりしております。はい。
こういうのってオイラだけかなぁ。案外、みなさん同じようなものではないのかしら??

ともあれ、今月も大学院は面白いので是非是非挑戦を!
そして解答をください!!

「たま研」発足記念詰将棋

おぉ、すごいメンバーが集結していますね。
仕事じゃなければ行きたかったなぁ。
小林さんはホテルもとっての参加と言うから流石だ。

おぉ担当が飯尾さん!
でも作品だしてないではないか。
はやく大学院に作品ください。>飯尾さん

あれ、隣の詰備会にも利波さんの作品が…。
もう年内には同人入りする勢いですね。

リレー随筆

…おじさんにはついていけません。

名作解析

なんだかタイトルと少しずつずれているような気がしますけど、面白いからいいか。
でも、今月は図面が一つもないのが不満。

詰将棋感動物語

大学院2011年10月号の真島作が話題になっている。
図面と作意をもう一度だして欲しかったなぁ。
そうそう、柿木でも簡単には解けないんですよねぇ。
それで撰題時期が随分遅くなってしまったのでした。

ハの変化などバッサリザックリはしょってしまった。
あそこだけでまじめに解説したら数頁かかってしまうのだもの。

そうか。水上編集長に電話するという手があるのか。

ちなみにその水上編集長は、オイラにメールしてきました(^^)。
今度から直接オイラにメールしてくださいませ>吉村さん

D級順位戦

ダントツの成績でC級にあがった谷本治男さん。
入選6回だがかなりのベテラン。
昨年の全国大会でお会いする事が出来た。
7手詰を2作発表しているがいずれも記憶に残る作品。
近将に発表した作品も良かったのだけれど余詰だったか。
とにかく、これからの活躍が楽しみ。

詰パラ5月号

6月号の原稿がまだできていないので、まだざっと眺めただけ。
あとで追記するかもしれません。

撰題の言葉

石川さんと利波さんと私は一貫して東日本大震災については触れていない。
これはこれで一つの見識であると好意的な解釈をお願いします(^^)。

大学院

なんだか最近デパートと偶然の連携というかシンクロニシティを感じる事が多い。
今月の大学院は撰題の言葉でもにおわせたように趣向手順自体は過去に見た事がある作品。
摩利支天作はもちろん柳田明の「変奏曲」だ。
デパートの吉田京平作も黒川一郎「蹴鞠」を思い出した。
ところで、上田吉一作が一番みたことあるようで、探してみると具体的な作品が見つからない。
黒川一郎かと思いきや、古典なのかなぁ。
どなたかご教授頂けると助かります。

山田康平入選300回記念作品

最近、パラでの発表は少ないと思っていたのですが、どっこい早くも300回とは。
是非是非大学院にも作品ください。

詰将棋全国大会

今年は高槻市…ってどこかと調べてしまった。京都と大阪の真ん中辺。
7月17日。
楽しみです。

デパート結果稿

#5の鈴川さんの作品の結果稿で実は密かに期待していた事がある。
神谷薫さんが将棋ジャーナル1985-1の自作について触れてくれるのではないかと思っていたのだ。
ところが氏の短評が触れていたのはは筒井さんの作品だった。
ちとがっかり。

詰パラ2月号

例によっていまさらながらパラ2月号のお話。

表紙

どこかで見た手順。と調べてみたら同一手順作があった。

初手が限定された所が主張かな。

小学校

詰将棋における大局観とは…ここに龍を配置してしまっては余詰むなとか、
ここで桂馬を使ってしまったら序盤で困る事になるなとか(煙創作した事はないですが)、
角は合駒で入手する逆算が可能だなとか、
そういう感覚の事だと思う。
だからそういった創作の大局観を鋭く研ぐ事はとても大切な事だと思うのです。

小7初手はオイラでも考えるけど、さらに3手目に繋げる所が才能の煌めき!
この方にも注目したいです。

中学校

私だったら1枚増やさずに変同を許容してしまいますです。
2流ですねぇ(^^;

高等学校

失敗は成功の母という言葉がありますが、
私は成功体験を味わうことで失敗を苦と感じないことが出来ると考えます。
好んで苦しむ詰キストには分かってもらえると思います。

撰題の言葉、ごめんなさい、意味わかりませんでした。
実は先月も。

鶴の恩返し、浦島太郎というお話。
昔は、「情けは人のためならず」と解釈していましたが、
今は気紛れの行動で良くも悪くも世界が変わってしまう、
いわゆる禁断の果実がテーマのように思えます。

禁断の果実ってどんなテーマなのでしょう。
ちょっと忙しすぎて厳しいのではないかとちょっと心配。

大学院

今、一番頼りにしている新進気鋭二人の作品。
馬屋原さんは今年は就活?

詰鬼人物語

33角打が双玉らしい逆王手、うっかり同香成だと同角で受からない。
これは大道棋であるが芸術でもある。
これが加藤の才能であり、得体の知れない怒りの根源でもある。

俺って馬鹿なのかな。
またもや意味が読み取れない文章に出会ってしまった。
要するに逆王手の逃れ筋が得体の知れない怒りの根源なのか?

推理将棋

高坂さん、これでお仕事完了ですか。
それでは次の仕事は……。

全国大会のおもひで

HYO牛TAN党さんのコメントを読んで、全国大会の話を書いておかねばならないと思った。

詰将棋ダービー

5手、7手、9手の簡単な詰将棋を選ばれたお馬さんが誰が一番早く解いてゴールするかを予想するアトラクション。
第1レースは岡村さん、田口さん、佐口さん、水上さんが出走。
第2レースは中村さん、原田さん、谷口さん、宮浦さんが出走した。
それぞれのレースの上位2着が決勝レースを争った。
予選の問題はいずれも易しい問題で、会場にも配られたが、ほとんど皆さん瞬殺できるような問題。つまり「知識」で解決してしまうタイプの問題だ。
出走メンバーだったら(まだ酒も入っていないし)あっという間にレースは終了してしまうのではないかと思われるが、そうはいかないのが実戦だ。
決勝レースに残ったのが田口、岡村、中村、谷口(間違ってたら指摘してください)。
決勝の問題は9手、9手、11手と手数も長く、特に最終問題は桂馬の利きがちかちかする難問。
これは混戦が予測される。
そして、この並み居る強豪・名馬等を振り切ってみごと優勝したのが HYO牛TAN党 さんだった。
(ちなみにこのハンドル、打ちにくいなぁと思いつつ、はっとその読み方が解りました。いままでひょうぎゅうたんとうって読んでました)
ちなみに私の予想はすべてハズレ。0点だった。
ここでの出題作は詰工房で入手可能。

詰1グランプリ

宮田プロ、北浜プロ、若島正、竹中健一という最強メンバーが詰工房メンバーが準備した1~15手詰の難問に挑戦するという企画。いずれも大学院の問題(50手以上)もすべて暗算で解く猛者である。
谷口さんの13手詰が難問で、私もそこで止まっていましたが(何日も^^;;)このメンバーもやはり7問目で足を止めた。
ここを抜け出した宮田プロが優勝。
今年の解答選手権での雪辱をはたしたといえよう。
この作品の図面はどこかででるので紹介するのは自粛。

看寿賞看寿賞表彰式

中篇賞「ルービックキューブ」の16飛。
私はあの作品の価値は不利合駒の繰り返しという量的側面ではなく、王手縛りのある詰将棋では表現しがたい「手待ち」を表現した16飛にあると思う。
そこの所に触れて欲しかったんだよなぁ。

アマ連握り詰4重衝突事件

例によって解く暇なかったので、結果発表で4重衝突があったと聞いて驚いた。
これだけ簡素な駒だと、一流作家が考えることは同じでぶつかることになるのか。

これは図面をだしても問題ないよね。

真島隆志/森敏宏

利波偉

酒井博久

好形作ならではの危険

好形作ならではの危険—それは同一作の恐怖だ。
同一作でなくても類作の危険率は高い。

詰パラ4月号で伊藤和雄作に対して厳しい意見を書いた。
ちょっと補足しておく。

まずは図面から。
一番古いのが二上九段作。

二上達也 将棋世界1987.12

そして次にでたのが次の妻木貴雄作。

妻木貴雄 近代将棋2006.12

そして最後が詰パラ2010年1月号に発表された伊藤和雄作だ。

伊藤和雄 詰パラ2010.01

奇しくも2手ずつ逆算した格好になっている。

実はまんなかの妻木貴雄作を近代将棋で解説したのが、私だった。

その際はこのように書いた。

 詩やメロディが一部似ているからと「盗作騒動」が時折起こる。
故意なのか、それとも偶然の一致か。醜い罵りあいが報道される。

詰将棋は限られた駒と盤面でなす遊びであるから、似たような配置・手順が出現する事も間々ある。
あまり目くじらを立てていては選題もままならなくなるという事情もあるようだ。
短編で駒数の少ない作品の場合など、推敲を尽くしたが故の必然の一致と言いたくなる様なケースさえある。

それゆえか詰将棋では「盗作」という悪意の含意された用語は使わず、「類作」「同一作」といった用語を使う。
それでも先行作があった場合、創作の苦労が水泡に帰するのは同じだ

 2番山腰雅人氏作は三手目以降同一手順作があった。
将棋ジャーナル昭和62年5月号原利和氏作。
また7番妻木貴雄氏作も二手進めた局面が将棋世界昭和62年12月号の二上達也九段作と一致していた。

皆様、御寛恕の程よろしくお願いいたします。

妻木作の付加した2手は明らかに価値ある2手だ。

  • 捨て駒である。しかも大駒。
  • 初手が絶対でなくなり難解性が増す。
  • 13玉の変化で作品に膨らみが増す。

しかし、二上九段がこの逆算に気付かなかったかというと、そんなことはなく気付いていた可能性は少なからずあるとも思えるのだ。
では、なぜ妻木作の形で発表しなかったのか。
考えられる理由としては

  • 解答者を増やすために手数を長くしたくなかった。もしくは制限があった。
  • 解答者を増やすために、あえて初手は見えやすい手で始めたかった。

などが考えられる。
あえて易しくする場合だってあるということだ。
難しくするだけが能ではない。

今回の場合も、妻木さんが伊藤和雄作の図面を考慮した可能性はやはり少なからずあると思う。
そして、駒取りの2手を入れる価値はないと判断したという可能性だ。

初手21角が11玉で切れると見きれる人にとっては、23金は必然手。
ならば、あえて駒取りから始める理由は形式美以外にない。
その形式美をどの程度評価するかという価値観の問題だ。

そういったわけで、次のような記述になった。

おいらの感覚では新作としての発表は厳しいと思う。
サロンでの紹介やアンデパンダンでの出題がふさわしいのではないか。

ただ、これは勿論、事前に類作に気がついた場合の話で、いわば仮想の話であります。

さらに蛇足。
詰将棋にあまり詳しくない方のために付け加えておきますと、妻木貴雄さんも伊藤和雄さんもともに実力も実績も豊富な方で、これらの作品は偶然の一致だということは前提での議論でした。