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詰将棋とは   歴史  ルール 組織  楽しみ方
詰将棋の必読文献   書店で購入できる本  書店では購入が難しい本 古本屋で見つけたら絶対買いの本 
詰将棋の作り方   詰将棋創作の楽しみ  作図のテクニック 創作ノート  参考になるweb-page
詰将棋の発表のしかた   専門誌に投稿する  作品集を出版する インターネットで  掲示板で
誰もが通る道   古作物  捨駒 不成  曲詰

 長文ですので,ダウンロードする場合はこちらにあります。


詰将棋とは
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歴 史  ネタ本は,門脇芳雄「詰むや詰まざるや」

 詰将棋がいつ発生したのかはよくわかっていない。 文書として残っていないので,もしかしたら 人類史が始まる以前から存在したのかもしれない。
 もっとも現代の将棋ルールで残っている最古の文書は 詰将棋の本である。 そこらへんをネタに, 「『現代将棋』成立に関する一考察」という冗談を書いた。 【文書】に入れておいたので,ぜひ一読してもらいたい。
 ともかく江戸時代初期から詰将棋は人類に親しまれてきた。 そして,名人の献上図式の伝統と日本人の より高みを目指す性癖が,「将棋無双」「将棋図巧」という 金字塔を打ち立てた。
 「将棋無双」は三代伊藤宗看,「将棋図巧」は伊藤看寿の作品集である。 この二人の兄弟によって,世界に誇れる日本の文化遺産は創られたのである。
 大橋宗英により,名人が就位するに際して詰将棋作品集を献上するという 素晴らしい伝統は途切れることになる。 その後の封建制社会の崩壊,民主革命の流産などがあり, 将棋界も実力名人制となり,美しさよりも勝負に辛い時代がくる。 詰将棋などという,世間に何の役にも立たない純粋な文化に 心血を注ぐということは難しくなる。
 しかし,いわゆるアマチュアの手により詰将棋の伝統は守り受け継がれていく。 その拠点となったのが,「将棋月報」そして戦後は「詰将棋パラダイス」と 「近代将棋」である。
 「近代将棋」は永井英明氏が創刊,塚田賞を制定し,数々の名作を 世に送り出してきた。現在は経営をきたろう氏(中野隆義氏)にかわったが, 縮小されたもののあいかわらず塚田賞は健在である。
 「詰将棋パラダイス」は鶴田諸兄氏が創刊,看寿賞を制定し 唯一の詰将棋専門誌として、詰将棋作家たちの心の灯火として輝きつづけてきた。 鶴田氏から柳原裕司氏が経営を引き継ぎ,現在は水上仁氏がその 任を負っている。
 これらの雑誌を舞台に,数多くの詰将棋作家達が腕を磨き合い, 優れた作品が生み出されてきた。 そして,この文化を継承・発展させるのは, とりもなおさず今この乱れた文章を読んでくださっているあなたである。

ルール

 全詰連は,かつて綿貫規約と呼ばれている規約を制定した。 しかし,現在はこの規約に厳密にしたがっている人は少ない。 各自がそれぞれの美意識(?)に忠実に, 創作や解答,解説をしているのである。
 趣味の世界であるからそれでいいと思うのだが, 新しくこの世界に入って来ようという人にとっては それでは敷居が高くなってしまう。 そこで,現在,川崎弘氏を中心に, 新しい「詰将棋規約」が作り上げられつつある。
 したがって以下に書くのは,私(風みどり)個人の 詰将棋に対する認識に他ならない。
 他にも詰将棋のルールはあちこちにかかれているので ジャンプしてみて比較検討するのも面白いかもしれない。 (つまらないと思うが)

<基本ルール>
将棋のルールの下で, ある局面から,王手の連続で玉を詰みにいたらす手順を求める。
<問題提示の補助ルール>
玉方(後手)の持ち駒は特に断らない限り「残り駒全部」である。 玉方はこの持ち駒を間駒に用いる。
<解答のための補助ルール>
解答は玉がもっとも長い間(手数)生き残れるように 逃げた手順を1つ決定し,それを解答する。
<創作のための補助ルール>
解答の正解となる手順(作意手順)は唯一であること。(余詰の禁止)
また,持ち駒が残らないようにする。(手余りの禁止)
【追記】詰パラ98年11月号に新しい規約原案が発表された。 だれか紹介してくれないかなぁ。(私は規約はあまり好きでないので,めんどう)

組織

 詰将棋パラダイスの読者は,全日本詰将棋連盟 の会員ということに 自動的になっていたように記憶している。 会員になったからどうだということはないので,よくわからない。
 ただ,月刊詰将棋パラダイスは購読する一手である。 詰パラとかパラとかパラ会員 とか詰将棋を趣味していると必ず耳にする言葉であるはずだ。
編集スタッフの一員で,気鋭の作家でもある須藤氏によって 詰将棋パラダイスのHPが運営されている。ジャンプするべし。
 森田正司氏の主催する詰将棋研究会は, 機関紙として詰研会報を毎月発行している。季刊で発行される 詰棋めいとは必読。
 東京だったら東京詰将棋工房。 これはてっとりばやく,ジャンプするべし。
 創棋会 伝統ある最強最大の詰将棋作家集団。たくさんの作品集を出版。関西。
 ACT 98年6月の例会を最後に休会していたが、某氏の半ば強制的な号令に因っ て、99年4月より復活した。 フェアリーばかりの会合という印象が強いが、最近は詰将棋も真面目に取り組 む、関西の若手中心の会合である。(文責:加登屋さん)
 駿棋会 これもジャンプ。
 香龍会 名古屋。
 詰とうほく これは機関誌の名前でもあるらしい。浦壁和彦氏を中心に佐々木聡氏・原田章雄氏・佐原義利氏・北村憲一氏など強力メンバーが集っている。
 チェスプロブレム協会 東京江戸川。小林敏樹氏が事務局として若島正氏が毎月 この会合のために上京するらしい。

楽しみ方

解いて楽しむ
人口的にはこれが一番多いと思われる。 ただ,解けないことも多いので,困ったものだ。 そういうときは。。。。
鑑賞して楽しむ
いい詰将棋は解答を並べているだけで楽しい。 私は高校生のときに図書館で「詰むや詰まざるや」に であったが,何度も何度も並べたものだ。
創って楽しむ
見る阿呆より踊る阿呆。 人に見せる価値はともかく, 自分の脳髄から生まれ出た作品は我が子のようにかわいい。 もしかしたら,歴史に名前を残せるかもしれない。
人に見せて楽しむ
自分の作品ができたら,人に見せたくなるのはこれ人情。 ただ,誉めてもらいたくて見せるのであって, けなされたくて見せるわけではない。 あたりまえだが,ちょっと詰将棋にはまると忘れがちになる。
集めて楽しむ
美術品や牛乳のふたを集めて喜ぶように, 詰将棋も気に入った作品を収集して楽しむことができる。 あまり有名でないのにすばらしい作品を見つけたときなど, ひとりでニヤニヤしていると気味悪がられるので 注意が必要。
その他の楽しみ方
  • 人の作品の余詰を見つけて楽しむ
    発表前だったら,感謝されるすばらしい楽しみ方。 発表後だったら,まぁ感謝されるけど, 自分の作品が載ったページが破かれて そこにぐちゃぐちゃって余詰順が書かれていて, 「こんな余詰もわからんのかアホ」と 切手の貼られていない手紙で送られてきたときは 腹がたった。
  • 研究して論文を書いて楽しむ
    村山隆治氏,川崎弘氏などの研究論文は創作を志す人のみでなく, 鑑賞する手引きとしても重要な文献だ。 最近では湯村光造氏の「歩詰手筋総まくり」, 護堂浩之氏の「新・馬子唄集」「木挽唄集」 「木遣唄集(「詰棋めいと」に連載中)」など, みなたいへんな労作。 これも,皆に喜ばれる楽しみ方(楽しんでいない?)


詰将棋の必読文献と入手方法
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 ここでは,詰将棋を創作しようという方, もしくはまだそこまでの決心(^^;はできていないが, もっと詰将棋を楽しんでみたいという方のために お勧めの本を紹介します。

 【書庫】に保存してある,「私の愛した詰将棋の本」には もっとたくさんの本が紹介してありますので参考にしてください。

書店で購入できる本

 最近は,書店に流通している本の中にもすばらしいものが増えてきた。
将棋図式集【上中下】
「日本将棋大系」の別巻の3冊が文庫本になった。 橋本さんに「ぜひ,この欄に追加すべし」と教えられて早速購入しました。 これが面白い。まだ読了していないので,詳しくは感想を書けないのだけど, お薦めです。ちくま学芸文庫
詰将棋半世紀
柏川悦夫。前半の「駒と人生」で詰将棋観を形成した人は多いと思う。 とにかくなんとしても入手するべき本である。急いで森田正司氏に連絡を。 最近書店でも購入ができるようになったそうで, 詰将棋ファンが増えることは確実。 詰研選書
夢の華
山田修司。その作品群が素晴らしいのはもちろんの事だが, 解説がたくさんの名作や作品集の紹介にもなっており, 必読文献中の必読文献といえる。 毎日コミュニケーションズ
詰むや詰まざるや
門脇芳雄。将棋無双,将棋図巧を1冊にまとめた夢のような本。 平凡社東洋文庫
華麗な詰将棋-盤上のラビリンス-
若島正。簡素好形傑作集。 光文社文庫
盤上のパラダイス
若島正。詰将棋について語る。 そのごく一部分は ここで読める。 三一書房
詰将棋探検隊
スタンダードなアンソロジー最新版。角健逸。 毎日コミュニケーションズ
詰将棋教室
一旦絶版になって,別の本が作られたが,こちらも再版されたはず。 村山隆治。内容は古いが,「駒の存在意義」などの論文は必読。 金園社
詰めと必至
内藤九段。詰将棋の作り方も詳しく説明。 東京書店
詰将棋の作り方
伊藤果。友人に貸したまま返ってこない。
名作詰将棋
福田稔。本棚を捜したが見つからない。出版社はどこだっけ? 有紀書房

書店では購入が難しい本

 直接版元・著者に連絡するべし。将棋連盟の購買部にも置いてあることがあるけど, あそこは日曜日にやっていないのが致命的。閉店も早いし。
渓流
北川邦男。短編作家を志すのなら,この作品群を知る必要がある。 遺作集。to 森田正司氏。
詰物語
森長宏明。洗練された配置で高度な狙いをさりげなく表現。to 森田正司氏。
極光
上田吉一。現代詰将棋のひとつの到達点。to 将棋天国社。
恋唄
若島正。現代詰将棋のもうひとつの到達点。to 野口益雄氏。
奇想曲
柳田明。若手のリーダー。超短編から煙詰。曲詰から構想物まで なんでもOK。うーん,考えてみると,すごい人だ。将棋ジャーナル社。 入手するには著者本人に連絡するしかない。在庫稀少。 私にメールくれても取り次ぎます。全さんのほうが詰工房で会うだろうから 早いかも。
饗宴
詰将棋研究会の20人による作品集。この手の本の中では 今のところ,最高水準ではなかろうか? まだ在庫あるだろうか。詰パラか森田氏に問い合わせるべし。
独楽のたに
北原義治。私は「たに」が一番好きだ。もっとも,全部持っているわけでは ないのですが。野口文庫。
近代将棋図式精選
森田正司著。塚田賞作品に限らず傑作・好作を紹介。
相馬康幸Collection
奇跡的に美しい本。先日,将棋MLで1冊選ぶとしたらという話があって, 悩んだ末に選んだ1冊。売りきれ間近!急いで森田氏に連絡を。 【追記】売り切れたかも。

古本屋で見つけたら絶対買いの本

将棋鞠藻集
柏川悦夫作品集。
続まりも集
柏川悦夫作品集。
象戯九十九谷集
北村研一作品集。
独楽のうた
北原義治作品集。
独楽のさと
北原義治作品集。
紅玉
小西逸生作品集。
青玉
小西逸生作品集。
春霞
森田正司作品集。
昭和詰将棋秀局懐古録下巻
将棋世界付録上田吉一短編集
将棋浪漫集
黒川一郎作品集。
 詳しい説明は,バージョンアップの際に。 まだまだ,あるのだけれど。


詰将棋の作り方
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一応私の言葉でも語ってみよう

まずは作ってみる

 まずは,作ってみる。 余詰・不詰・変長と闘って,作意を盤面に彫り上げる。 不要駒はないか。 もっと効率的な配置はないか。 紛れや変化の味を濃くするか薄くするか。 そしてまた,余詰との闘い。

 できあがったら,それはあなたの作品第1号だ。 他の人がその作品に価値を見出すかどうかは別の問題。 大切に記録しておこう。

 人に認められる,投稿したら採用される, 賞をもらえる.....そういう作品を作るためには,どうしたらよいのだろう。

 たくさんの詰将棋を解いたり,鑑賞したりして, 何がよい詰将棋なのかを考えることは,基本だろう。

 もっとも才能のある人というものはいるもので, そういう人にとっては基本なんて関係ない。 処女作が「双玉無防備煙」の大傑作なんて例もある。

 凡人が良いものを作り出すには,かわりに何かを 犠牲にする必要があるのかもしれない。 例えば.......

  • 7手詰を10年以上推敲する。(小林敏樹流)
  • 女性にもてないヤリ場のない怒りを創作にぶつける。(山本昭一流)
  • ひたすら根性を出す。(伊藤正流)
  • 浪人する。(有吉弘敏他多数流)
  • 女房子供に逃げられる。(○○流)
  • 就職もせずに四畳半で創作に没頭する。(○○流)
  • 会社をツブす。(○○流)
  • 新興宗教に入信する。(○○流)

  • 危ない冗談は,これくらいにしておこう。。

     私の場合は,田宮克哉先生の 3/100 理論「100局の駄作の中には 3つの好作がある。」を心の支えにしています。
     20年で100局発表しましたから,このなかに3局は 好作が入っているはず。 すると,100局の好作を集めた作品集を上梓するには ,あと660年はかかる計算になります。 医学の早急な進歩が望まれます。

    創作のきっかけ

    1つの手筋を
    ひとつの捨駒手筋でも気に入ったものがあったら, その筋を一番印象的に表現するにはどうすればいいのかを考えます。 7手詰という制限をつけたならば,王手は4回ありますが, 捨駒が可能なのは3回。そのどの位置に狙いの手筋を配置するか。 また配置は上辺がいいか入玉がいいか中段か。 向きはどうか?90度回転してみたらどうか。
    収束から逆算
    5手詰程度の短い作品から出発して, 手順の後ろの方から作っていきます。 実例2を参照してください。
    実戦の終盤を参考に作る人もいますが,私はその方法で成功したことはありません。
    逆算していく過程で狙いを付加していきますので, うまくいかないときはだらだらと長いだけの詰将棋ができあがります。
    形から詰め手順を構築
    適当に駒を並べたところから詰め手順を探していきます。 棋力のある人が初めて創作するのに向いているかも。 実例1を参照してください。
    テーマを決めて作図
    なにをテーマに選ぶか。つまりその作者がなにを面白がるかが 作風を作り上げる要素となります。 パズル性を追求する作家,伏線を巧妙に張る事に生きがいを感じている作家, 難解性が命の作家,初形の美しさ条件克服が楽しいのだという作家。 バラエティに富んでいるほど,この世界は豊かになります。 あなたは,詰将棋の何を面白いと感じるでしょうか?

    試してみます?

     もうちょっと具体的な話も書いてみましょうか。
    3手・5手の習作をいっぱい作っておく
    大駒1枚消える3手か5手くらいの作品を作りためましょう。 駒数はできるだけ簡素に。作品として仕上げるのではないので, 変化を膨らませようとか,紛れを増やそうということよりも, 駒数を少なく効率的に狙った筋を実現させることを目標にします。 これらが,作図の腕を上達させるだけでなく, 狙いの筋を付加する素材となったり,あるいは収束させる基礎知識となったり していきます。
    妄想手順をいっぱい書き溜める
    妄想手順は,要するに「こういう作意の詰将棋ができたらいいなぁ」 という手順。 どういう理論で実現可能かということは一切考えずに, 夢を膨らませること。 理論を考えるのは,後で良いのです。

    作図のテクニック

     創作の方法は人それぞれ,作品ごとにも 違うものものでしょう。

     ここでは,創作ならぬ「作図」のテクニックとして よくいわれる「正算式」と「逆算式」について 説明してみます。

    実例1 【正算式】



    はじめにパラパラと駒をならべます。
    今回はこの図でstart。
    持ち駒はなににしようかなぁ。

    【作意】影も形も無し


    たまには合駒を考えるものにしましょう。
    13を埋めて,持ち駒に飛車を持たせてみます。
    横から飛車を打って詰まそうというわけです。

    【作意】41飛,21間駒


    飛車を打ったあとに,合駒を限定させなければいけません。
    いろいろ試行錯誤しているうちに, 33を埋めて,持ち駒に22に誘える駒を 持たせれば, 金合に決まることを発見しました。

    【作意】41飛,21金


    そのあとは,どうなるか詰ましにいってみます。
    持ち駒は角or金or銀です。
    41飛,21金,同飛成は詰まないので, 33角成とやってみます。
    すると,22の合駒はまた金が出てくるではないですか。
    正確には飛合もあるのですが。

    【作意】41飛,21金,33角成,22金打


    そのあと,進めてみると,持ち駒を 角に決めたら,なんと持ち駒も余らずに, きれいに詰んでしまいました。
    なんとラッキー!
    いつも,こんなに 簡単に完成したらいいのですけどね。

    【作意】41飛,21金,33角成,22金打,同馬,同玉,42飛成以下


    ただ,途中の合駒が金か飛車かが非限定なところが 気になります。
    1ヶ所だけなら無視することもできますが, 解いてみればわかるように 合駒4回がみな限定されていることが この図の良さです。
    涙を呑んで,24飛を配置して完成図とします。

    【作意】41飛,21金,33角成,22金打,同馬,同玉,42飛成,32金打, 33角,12玉,32龍,22金打,同角成,同金, 11金,同玉,21金,同金,12歩,同金,21金 迄21手詰


    《後日談》
    完成した後に,同一作がすでにあるような気がしてきました。 類作があるのは当然としても,同一作だったらさすがにここに展示するのは 憚れるからです。
    そこで掲示板で知恵を拝借した所,神無七郎さんから,この図を教えていただきました。 上田吉一氏作。詰将棋パラダイス1975-1,「極光」第30番です。
    序・中・終にそれぞれ手が加えられ,私の図が素材であるとするならば, これが作品といえる仕上がりといえましょう。 研究してみてください。

    実例2 【逆算式】



    駒数の少ないきれいな5手詰めを作りました。
    この図をもとに逆算して手数を伸ばしてみます。

    【作意】47角,18玉,19馬,同玉,29金 まで5手詰


    狙いの47角をカモフラージュするために, 38歩を配置してみました。
    18銀,38玉,29銀,同玉で, この歩を消去する手順を追加しようというわけです。
    ところが,このままでは 29銀に対して同玉とは取ってくれません。
    49に逃げられてしまいます。

    【作意】18銀,38玉,29銀,49玉で不詰


    そこで,安易ですが,49とを配置して逃げ道を塞いでみました。
    すると,今度は18銀,38玉に対して, 47角で簡単に詰んでしまいます。
    初手19金でも詰むようです。
    不詰を消すと余詰がでてくる。
    さて,この兼合いをどうつけるか。

    【作意】18銀,38玉,29銀,同玉,47角,18玉,19馬,同玉,29金 まで9手詰
    ただし【余詰】19金,33玉,47銀,48玉,37角 まで5手詰


    36馬は強力すぎるので, 73に遠ざけました。
    するとまた逃げられて詰まなくなるので, 36角を配置しました。
    47角の限定打を消すのは 惜しいのですが, 代わりに最後に捨てる角を序盤で打つ 筋を狙っています。

    【作意】18銀,38玉,29銀,同玉,47角,18玉,19馬,同玉,29金 まで9手詰



    さっそく,角を打つ手順を入れられるか 考えてみます。
    余詰・不詰の検討をしてみると どうやらこのままで成立しているようです。

    【作意】73角,29玉,18銀,38玉,29銀,同玉,47角,18玉,19馬,同玉,29金 まで11手詰



    引き続き,38歩も打つようにしたいものです。
    最初から配置された邪魔駒より,途中から出現する邪魔駒」です。
    歩では角を取られて詰まないので, 香を持ち駒に加えてみます。
    さて初手38香に対する変化を詰まし, 余詰を作らない配置を考えます。

    【作意】38香,46玉で不詰
    59香程度でうまくいけば美味しかったのですが, さすがに強力すぎて余詰。
    とりあえず,66銀を配置して完成図とします。

    ただしこの図では専門誌に入選はおぼつきません。
    66銀が初手の変化にしか働かないのは,印象が悪すぎます。
    攻め駒が取り残されるというのも 気分が悪いものです。
    できたら,守備駒を 動かすような逆算を入れると 初形と収束形が違ってくるので効果的です。
    合駒をいれるのも変化を増やすので, 可能かどうか一考すべきです。

    【作意】38香,28玉,73角,29玉,18銀,38玉,29銀,同玉,47角,18玉,19馬,同玉,29金 まで13手詰

    創作ノートは

    創作ノートは,みなさんどんなものを使っているんだろう。。。。
    田宮流
    B5サイズの紙に図面と作意・変化・紛れなどを書き入れます。 修正・改良した ら端をのりづけしてその図面に重ねていきます。 つまり1作について1冊のノート(?)ができあがります。
    この方法の長所は,履歴の閲覧が容易であること, つねに最新の図面が一覧できることです。
    それらをテーマ別の袋で管理します。 はじめは,未発表と投稿中・発表済の3種類でいいでしょう。 これは,実際にやってみると,なかなかすぐれた方法であることが わかります。 特に作図初心者の方にはお勧めです。
    ノート型
    ノートに図面のハンコをべったり押したり,5mm方眼のノートを利用したり, 自分で版下を作って印刷したりして作ります。 これに時間順に図面を書き込んでいきます。
    この方法の長所は,なによりも面倒くさくないこと。 分類したりせず,途中図でももっと原始的なメモでも 気にせずにどんどん書き込めることです。 いつでも持ち運びできるので,ぱらぱらと眺めているうちに 推敲する案もうまれてくるというものです。
    パソコン管理
    将棋ソフトで検討し,そのまま保存したディレクトリが 作図ノート代わりという形から,自分で管理ソフトを組んでしまう 人までいる(と思う)。
    実は私も作ったのである(^^;;。 図面の入力はbasic,メンテナンスはeditor ,出力はgrepか, awk を通して TeX という簡単なものなんですけど。。 でも,これは管理にはいいけど,作図ノートの代わりにはならなかった。
    家の中にあるパソコンがLANでつながれていて, ついでにモバイル型ともつながっていて, いつでも窓が開いているという状態にできるのなら, 可能かもしれないけど。
    頭脳型
    全部頭の中。うーん,私もそーゆー高機能な頭脳が欲しい。

    ここにジャンプ

     LINK集から,詰将棋創作に役に立つページを厳選して集めてみました。
      (制作者の皆様,直接webページにリンクを張ることをお許しください)
    管輅の頭脳の館 創作のススメ
    管輅の頭脳の館【逆算式創作法の解説】 逆算式(収束から作り始める)の解説
    Chun詰将棋の杜【詰将棋の作り方】 全さんの作り方公開
    若島正【詰将棋とは何か】 盤上のパラダイス−三一書房刊より 行方不明……消えたか?
    詰将棋の館【詰将棋FAQ】 作意の説明など,作家向けの解説
    東京詰将棋工房と詰将棋界FAQ【詰将棋をつくる】 読むべし
    【詰将棋の作り方】 原田清実氏。読み物として最高に面白い。
    【合駒作品をつくろう】 縫田光司氏。自作を題材に詳しく解説。


    詰将棋の発表のしかた
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    専門誌に投稿する

     B5サイズの紙に(はがきでよいところもある), 図面・作意・変化・紛れ・狙い・住所氏名などを 書いて専門誌に投稿しましょう。 投稿先は次のとおり。

    詰将棋パラダイス 530-0043 大阪市北区天満4-15-7 豊岡ビル2F
    月刊詰将棋パラダイス編集部
    投稿時に切手を同封すると,不採用の時に返却してくれる。
    近代将棋 160-0022 東京都新宿区新宿2-5-10 日伸ビル8F
    近代将棋詰将棋創作係
    投稿後,4ヶ月以内に載らない場合は不採用。
    ただし,そう明記されている割にはいいかげんだった実績あり。
    最近はどうかわからない。
    将棋世界 151-8516 東京都渋谷区千駄ヶ谷2-39-9
    将棋世界「詰将棋創作」係
    17手以内,葉書で投稿。
    詰棋めいと 185-0022 東京都国分寺市東元町2-4-5
    詰将棋研究会 森田正司

    作品集を出版する

     自費出版でも,出版社に原稿を売りこむのも良いでしょう。 CD出版やシェアデータみたいな方法も考えられますね。
     数年前,それまでまったく無名(つまり専門誌で名前を見かけたことのない)方が 突然,100局の作品集を出版したと聞いて驚いたことがあります。 買いそびれたので,名前が分からないのですが,楢橋氏?楢崎氏だったかな?
     そーゆーのも,いいなぁと感心しました。

    「玉手箱」みたいなページを作ってそこで公開する

     これから流行ってくるんじゃないかなぁ。
     出版は金がかかる。餅まきできるほどの資産は余ってませんから, この形なら手間さえかければ,大勢の人に見てもらえる可能性がある。
     もちろん(出版社に勤めた経験もある私として)本を作るということは もっと別の意味もあるということは重々承知の上ですが……。

    「詰将棋について語る掲示板」で発表する

     そこまでの量もないし,質も心配という人は まず「 詰将棋について語る掲示板」で発表してみるというのは どうでしょう。【宣伝】
     Nifty の将棋フォーラムの【詰将棋】, 脊尾詰のコーナーには有力作家が集まっています。 武者野プロのネット駒音にも詰将棋コーナーがあります。 詰将棋MLでメンバーに見せて感想やアドバイスを聞くというのも 有力な手だと思います。


    誰もが通る道
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    古作物

     誰もが知っている有名な古作物。 初見の方のために,解答は白で書いてあります。ドラッグすると読めます。
      作者不知と言われていたり,似た図がたくさんあったりします。 「待宵」や「妙案」など,出典や作者が明らかになっている作品も 混じっていますが,ここは研究のページではないので図面だけの展示でお許しください。

    1.   有名な3手詰です。
        角が左側に配置されている図もあります。 また,1六角の代わりに3四馬となっている図もありますが, これは後の人の改作図でしょう。
        詰将棋を知らない人に本図を出題すると, まず52銀打,次に61角成,次に42や62に銀を打って見たり, 最後には全部清算しはじめます。
        つまり,紛れをもっているのですね。
        そして,遠くからただで成り捨てる正解に気づいた時の満足感。
        妙手が含まれています。
        2手目の応手がどちらの銀で取るかで,持駒をどちらに打つかが変わります。 これは,最近は「変同」といって嫌われるのですが 私がこの図に初めて出会った時のことを思い出して見ても, 「こうきたらこう,こうだったらこうか。なるほどなぁ」 …という感じで感心したものです。
        つまり変化をもっているのですね。
        紛れ・妙手・変化……詰将棋の要素を総てもっている簡潔な3手詰。 詰将棋入門作品の座は今後も不動かもしれません。
      【解答】52角成,同銀左,42銀打 まで3手詰


    2.   有名な5手詰です。
        3手詰ではありえない「捌き」の要素があらわれています。
        「打ち捨て」より「成り捨て」さらに「打ってから捨てる」。 これが詰将棋の呼吸であるわけです。
        捨て駒の意味も単純な「呼び込み」の捨駒ではないことに注目しておきましょう。 例えば,1一の香を角に替えて,持駒を「飛金」にした3手詰と比べて見てください。
        さらに「打った駒が次の瞬間に邪魔駒となり直ちに捌き捨てる」という ストーリーを読みとることもできます。
      【解答】23銀打,13玉,12銀成,同玉,23金まで5手詰


    3.   11手詰なので,出題する際には「歩は動かない」ぐらいはヒントを出しておいた方が いいかもしれません。
        香が5枚あれば簡単に詰む。 でも香は4枚と角しかない。角の不自由さよ。 どうやって,角に5枚目の香としての役割を果たさせるか。
        謎解きのテーマが明快に示されています。
        さらに形の面白さ。実戦には絶対に現れない形ですよね。 パズルとしての独立宣言……といっては歴史的には間違いですが, 本図を「くだらねぇやこんなの」と思わずに 「ううむ」と考え出す人は,もうすでに詰将棋ファンの仲間入りという気がします。
      【解答】52香,41玉,32角,31玉,21角成,同玉, 22香,31玉,32香,41玉,42香 まで11手詰


    4.   7手詰です。
        初めて見たアンダープロモーションにショックを受けた人も多いと思います。 ちょっと詰将棋に慣れた目では一秒で解ける本作も忘れてはならない図ではないでしょうか。
      【解答】23歩生(不成),11玉,12歩,同玉,32龍,11玉, 22龍 まで7手詰


    5.   ここから3題。私が昔,苦しんで解いた7手詰を並べます。
        3手目の捨駒が衝撃的だったことを覚えています。
      【解答】13銀,同桂,12金,同玉,21銀生,22玉,32金 まで7手詰


    6.   豪快な捨駒!
      【解答】32飛,同金寄,42飛,同金直,74角,62玉,63角成 まで7手詰


    7.  玉方の桂香がきちんと動きます。
      【解答】82銀,84玉,94金,同香,93銀打,同桂,73銀生 まで7手詰


    8.   11手詰です。簡潔な棋形が食欲をそそります。
      【解答】24金,12玉,23金,同玉,33角引成,13玉, 14銀,12玉,23銀成,21玉,22馬 まで11手詰


    9.   13手詰。
        田舎のおじさんに出題されて四苦八苦して7手で解いたら,それは間違いだと 説明された時の驚き。
        持駒ルールの奥深さを教えられる31歩の捨合でした。
        7手目の局面を初形と比べて見たら,飛車が大桂馬に跳んでいるのですね。 6手かけて飛車をこのように跳ばす面白さです。
      【解答】12歩,21玉,41飛生,31歩,11歩成,同玉, 31飛生,21銀,12歩,22玉,32桂成,同銀,11飛成 まで13手詰


    10.   15手詰です。
        中合のおもしろさを紛れでなく作意表面に。
        「圭」は「成桂」のことです。
      【解答】24香,23銀,22歩,11玉,12歩,同銀,21歩成,同銀, 12歩,同玉,23香成,11玉,12歩,同銀,22圭(成桂) まで15手詰

    捨駒

    不成

    曲詰

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