短評の書き方考察(1)

詰将棋の解答を書くのはけっこう面倒だが、短評を書くのはもっと時間がかかる。
しかし「詰将棋はコミュニケーションだ(CopyRight若島正)」なので、作者は解答者に何かが伝わったのかどうか、何が伝わったのかを知りたい。
つまり短評が読みたい。

一方でまだ詰将棋を解き始めたばかり、作り始めたばかりの入門者は、一体何を書いたら良いかがわからない。
オイラが初心者だった頃は、何も気にしないで好き勝手なことを書いていたと思うんだけれど……。

ともかく、詰将棋の解答を書いてみたいんだけれど短評がなかなか書けなくってという方を想定して、思いついたことを順不同で書き連ねてみる。

ABC評価をする

まずは文章を一切書かなくっても、その作品を解いてどう感じたのかABC評価をすればよいのではないだろうか。

A:良い
B:普通
C:悪い

筆者は最近twitter上でヤジリンを見掛けると解いて、感想を書くようにしているが、正直いってヤジリンは素人なので「これは新しい狙いだ!」とか「この表現は奇跡的だ!」とか全然分からない。
だから解いてみて面白かったか、それとも惰性だけで解けてしまったかを書くようにしている。
ABCだけでは味気ないので、日本語に翻訳している。

A:良い ⇒ 面白かったです。
B:普通 ⇒ 楽しめました!
C:悪い ⇒ 楽しめました。

AAは「面白かったです!」だ。

詰パラの詰将棋学校はこのABCの三段階評価。
最近はまったく解答を出していないが、筆者は解いた作品には、だいたい次のような感じで評価をつけている。

A:すごく良い : 半期賞級、もしくは名作選収録レベル
B:良い
C:普通
D:落選級 : 選者の眼力を疑う。

パラは担当者がすでに選別しているから悪い作品はそもそも載らない。
なのでCが普通と考えて良いかと思う。

スマホ詰パラは5段階だが完全作で同一作がなければ掲載されるようだからもっと厳しく評価をつけている。

1:詰将棋以前
2:もう少しで詰将棋といえるかな
3:まぁ詰将棋
4:これはいい詰将棋だ
5:すばらしい詰将棋なぜパラに出さないの?

筆者は9割方は「2」をつけている。
以前は「3」だったのだけれど、どなたかだった忘れたが「評価が甘すぎる」と指摘され、それから改めた。

A評価とC評価はその理由を書く

Bについては確かに短評を書きにくい。「普通」ということは心が揺れなかったということだからだ。

でも、AとCについては文章も書けるだろう。

Aはどこに良かったと感じたかを書けば良い。
1つの捨駒なのか。
詰形を作る構想なのか。
見事な受けの一手なのか。
美しい形なのか。
意外な詰上りなのか。

Cはどこが気に入らなかったのかを書けば良い。
大袈裟な配置の割に手順はショボかったのか。
まったく盛り上がりもせずにすんなりおわってしまったのか。
作者が何を言いたかったのかなにも伝わってこなかったとか。
こないだ解いた作品と凄く似ていてしかも改悪だったとか。
とにかく気に入らなかったのだとか。(それって理由か?)

B評価の作品の短評は

学校の先生が通知票に所見を書くときだって、一番苦労するのはB評価のこどもへの所見だ。
優秀な生徒の所見は心から誉めれば良いし、駄目駄目な生徒の所見は真剣に行動を変容させないと困ることになるよと諭せば良い。一番多い普通の生徒には何を書いたら良いのか。

「無言でB」

まぁ、これもありかもしれないが。

基本的には「良いところを見つけて誉める」が良いだろう。
コツとしては「○○をもっと改善すればさらに良くなるでしょう」と書くのではなく、目を瞑ってエイヤッと「○○がとても良かったです」と書いてしまうのだ。褒め言葉を投資するというのだろうか。

あ、所見の書き方ではなかった。

でも、詰将棋の短評でも同じことがいえるような気がする。
自分が形のいい作品が好きだったのなら、「形が良くてすばらしい」と言った短評をたくさん書くと将来的に形のいい作品が増えてくると思う。

もし、自分の子どもが(自分と違って)顔も悪いし頭も悪い、こいつは女の子にもてなくて苦労するだろうなと思ったら、小さい頃から「おまえは我慢強くて偉い子だなぁ」と言い聞かせてあげる。すると本人もその気になって我慢強くなるものなのだ。

あ、子育ての話でもなかった。

(参考)


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