詰将棋入門(218) 驚きの重ね打ち

清水一男 詰パラ 1994.6

詰将棋は華麗な捨駒だけではないという見本。15手詰。

パラッと広い局面に見える。34歩・24歩は拠点には違いないが簡単に獲られそうだ。

初手は軽い手筋が見える。まずこうやってみたい所だ。

62銀、

同玉なら

   同玉、71角、

【変化図】

おなじみの71角で三手詰だ。
ということで取れない62銀を打って、局面を狭めたい。
さて逃げ方は43玉か54玉か。

   43玉、52角、32玉、33歩成、

【変化図】

34歩を守る52角。
ここで54玉なら65銀、45玉、46金までだ。
32玉の逃げに33歩成が気持の良い決め手。
後は簡単。これは変化だ。

ということで、2手目は54玉に決定。

   54玉、

さて、ここで最初の妙手が登場する。
平凡に追って良さそうだが……

65銀、45玉、67角、

これでどう逃げても金打ちの詰みにみえるが……

   56歩、

【失敗図】

金の打ち場所を埋める捨合がある。
同角、55玉で56金と打てない!

そこで54玉に対して不思議な手がでてくる。

65角、

馬と銀が利いているところにもう1枚角を重ねて打つのが正解だ。
その意味は?
実はまだ驚くのは早い。

   45玉、56角、54玉、65金、

今度は銀・馬・角が効いている所にさらにさらに金を打つのだ。
まさに究極の重ね打ち!

   43玉、33歩成、同玉、23角成、43玉、

ここまで進めば65角~65金の目的が見えただろう。
23に馬を作り、45をきっちり封鎖しているのだ。

54金、同玉、65馬まで15手詰。

発作的な捨駒詰将棋しか作れない筆者などは、このような作品はあこがれだ。

「詰将棋入門(218) 驚きの重ね打ち」への2件のフィードバック

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください