第8回 三手詰祭 結果発表(4)

第16問 風みどり

正解 88金、18玉、97金まで3手詰

◇27銀を18銀~29銀とする作品の姉妹局。でもこの金も以前に作った気がする。
★★★

 まつきち ユーモラスな金の散歩。
 占魚亭 面白味のある連続金移動。
 奥鳥羽生 蟹の如 匍匐斜進し 盾となり
 ぎょうざパン ソッポへ行く金の動きがコミカルです。
 中村丈志 こうなればいいなあという手順通りで嬉しかった。
 小林敏樹 9筋の香2枚に重複感があるのが残念。
◇昔だったら下図でよかったと思うんだけどね。

第17問 シナトラ

正解 54飛、同角、64銀打まで3手詰

◇第11問と似た構図。初手も応手が3つある玉頭への捨駒と同じです。

 奥鳥羽生 三通り 最も重い 詰上り
 negitarou 初手は、5四銀が第一感でした。
 まつきち 初手の頭銀が俗妙手と感じるのは作者名の影響?
 菊田裕司 この作者らしからぬ普通の手筋もの。あるいは何か隠れた狙いがあるのか?
 占魚亭 焦点捨て。どう応じても64への着手で仕留める。
 小林敏樹 変化を含めて64地点へ3種駒。作意では46角が遊ぶのが大欠点。
作 者 変化を使って1枚の駒がn地点に動かす3手詰はよくありますが、本作はn枚の駒を1地点に着手します。作意で46角が不要駒になるのは致命的欠陥ですが、このテーマは利きが重複しやすくて創作難易度が高いです。次回以降の三手詰祭の課題としておきます。
◇「変化を使って1枚の駒が \(n\) 地点に動かす3手詰はよくあります」で思い出しましたが、先日馬方四季さんが \(n=6\) を見せてくれました。投稿してくんないかな~。(\(n=7\) ができそうなので投稿しないらしいです……)
◇シナトラさんの新しいテーマ「 \(n\) 枚の駒を1地点に着手」は次回に華開くのか? シナトラさんに挑戦する作家は現われるのか? 楽しみになってきましたね。

第18問 奥鳥羽生

正解 16龍、同玉、15金まで3手詰

◇初手が22通りもあり、詰将棋に慣れていない方には難しかったかも知れません。34玉は33金で止まるので、考えるべきは36玉となったときに1手で詰ます形なのでした。
★★

 negitarou 龍捨ての感触が好きです。
 ぎょうざパン 面白い詰上がりになりますね
 占魚亭 36玉に備えて角の腹で停止。
 まつきち 14龍が見えて回り道。尻金が好感触。
 小林敏樹 14龍・15龍の紛れが詰みそうに見える配置がうまい。
 空 貴人 今回の作品集の中で、初手と、詰上りの形が最も意外と感じました。

第19問 シナトラ

正解 33銀、\(\begin{cases}
同玉、43桂成\\
31玉、43桂生\\
53玉、63桂成\\
51玉、63桂生\\
\end{cases}
\) まで3手詰

◇今回の目玉商品。期待通り星6個(同数1位)を集めました!
★★★★★★

 まつきち 53玉の変化も味よし。
 松崎一郎 なんでんかんでんOK!
 中村丈志 いろいろな変化を楽しめる。
 ぎょうざパン どの変化も面白い詰上がりですね
 奥鳥羽生 迷い箸 どっちで創ろ 打ちと生
 占魚亭 Star-flight。一段目には桂生、三段目には桂成で仕留める構成も良い。
 negitarou 4三の地点で桂馬の成生、6三の地点で桂馬の成生。三手目の対比が素晴らしいです。
 菊田裕司 変化4つ(スターフライト)で桂の4種移動。初手も味が良く、すごい。今回のベスト。
 小林敏樹 玉のスターフライトに対して桂が2地点で成/生。半分だけやったのはよくあるが、4解で実現したのは偉い。変化利用の3手詰として後世に残るのでは?

◇スターフライトとは2手目の応手の玉の移動場所が X 型の四ヶ所になるということ。(プラスフライトは+型ですね)
◇その4つの応手にたいして一枚の桂が二ヶ所に成/不成の計4通りで詰み。一点の濁りもなくまさに完璧な表現です。シナトラさんの実力発揮の1作といえるでしょう。

第20問 negitarou

正解 49香、48桂成、66飛まで3手詰

◇三手詰で「攻防」を表現しようとする意欲的な作品です。48を塞げば36角成までで詰むので49香ですが、48桂成と移動合をすることによって36へ96飛車の利きを通します。(逆王手になっているのはタマタマ)そこで66飛と96飛の利きを塞げばソノママ詰んでいましたという話でした。

 占魚亭 83角のラインを通す手続き。
 奥鳥羽生 こつこつと 小さな動き 積み重ね
 ぎょうざパン 3手目が意外でした。角は品切れですね。
 空 貴人 香打ちに移動合いで開き王手も、飛車で遮蔽して開き王手が勝る流れ。双方の応酬が端的に表現されているところに好感。
 小林敏樹 63角配置がもったいないので28金で代用したい。そうすると2手目48角合の逆王手変化も入ります。(ただ、そのままでは不完全ですが)
 まつきち 2手目を限定したいが…。(48合、36角成と等価?)
◇解答者はみなさん作意を酌みとってくださったようですが、2手目48歩合、36角成という答案も正解になってしまうのが弱点です。変同が悪いということではなく、作者の狙いが解答者に伝わらないままになる危険があるということ。

「第8回 三手詰祭 結果発表(4)」への1件のフィードバック

  1. お疲れ様です。
    皆様、短評ありがとうございました。

    【第20問】ですが、二手目・48角合は少し考えた筋です。
    (角を意図的に枯らしたわけではありません・汗)

    48角合の手順は、もう少し深掘りしてみたいと思います。

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