再録:みっともない作品集

風みどりの玉手箱 2003.08.22 より

 男らしい作品集はやはり図面だけ。どんっと並べてある作品集であろう。作意なし、解説なし。すべては読者にゆだねる。一切の言い訳はなし。余詰があったらごめん。宗看の「詰むや詰まざるや」のイメージである。最近いただいた解答欄魔さんの「迷図」がその具体例である。刊行されたなかでは「相馬康幸Collection」が結晶のように奇跡的に美しい。すべては作品に語らせよ。これが一流の作家の作品集である。

 しかし、ここの所数多くの訃報に接して、ちと考えた。

 みっともない作品集があっても良いのではないか。駄作だらけで自尊心や羨望や後悔などが丸見えの作品集。表紙に飼猫の写真を使ったり、巻末に楽譜を載せたりするのも許されるのではないか。なぜなら、そもそもみっともない人生。そして、残り時間は思ったより少ないのかもしれないのだから。

 …というわけで、【風みどりの玉手箱】の自作集の部分、思いっきり饒舌に書き直す決心をしました。

こう書いてから、もう20年以上経っているとは……。歳をとるほど、時の流れは加速される。やっと自作集を纏める決心をしました。
タイトルは『いっこの積木』。第2作品集は『にこめの積木』。第3作品集以降もタイトルに悩む必要がありません。

再録にある『迷図』がマイナビから『風鈴』と名を変えて(もちろん中身も倍以上になっています)出版されます。
『相馬康幸Collection』も第2作品集が計画されているそうです。また我々を驚かせてくれる仕掛けを考えているはずですから、楽しみです。
猫や楽譜の方の作品集もつみき書店から販売中です。(装丁は風みどりが写真を選びました。第100番のタイトルから)

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